ランニングの栄養補給と言えばプロテインとアミノ酸が思い浮かぶかと思いますが、今回は必須アミノ酸であるBCAAについての話です。
・ランニングにおけるBCAAの効果について知りたい
・ランナーはどのタイミングでBCAAをとるべき?
・おすすめのBCAAについて知りたい
といった方には役立つ内容かと思います。
BCAAについて
BCAAとは分岐差アミノ酸のことです。
BCAAにはバリン、ロイシン、イソロイシンの3種類があり、枝分かれする様な構造から分岐差アミノ酸と呼ばれています。
アミノ酸は人間が体内で作り出せるものとそうでないものがありますが、BCAAは身体で合成できないアミノ酸です。
身体で合成できないにも関わらず運動時に頻繁に使われるので、スポーツをする方は定期的に体外から摂取する必要があるわけです。
BCAAは単体のサプリメントやプロテインなどにも含まれるようになり、以前より手軽に美味しく摂取できるようになりました。
摂取すると比較的すぐに給され、人間がBCAAを摂取すると30分程かけて小腸から吸収されます。
ランニングにおけるBCAAの効果
次にランニングにおけるBCAAの効果についてです。
ランニングと言えば炭水化物がエネルギー源となり、ひとまず糖質を取っておけば大丈夫という印象があるかと思いますが、実際には様々な栄養素も必用です。
BCAAもその中に含まれます。
身体作りで必要なこととして、運動とタンパク質・アミノ酸摂取をうまく組み合わせる必要があります。
マラソンなどの激しいスポーツで筋タンパクが損傷した際には、特に早い段階からBCAAが分解されることになります。
つまりマラソンなどのハードなワークアウト時は、BCAAを摂取して常に筋肉に供給できる状態にする必要があるのです。
走っていても、タンパク質不足状態でかつBCAAも同時に不足している状態であれば、筋肉のダメージも大きいというわけです。
何も補給しないでトレーニングした時には、走り終わった後の筋肉痛も大きいのではないでしょうか?
特にBCAAの1つであるロイシンについては、タンパク質合成のスイッチとなるアミノ酸である為、減ると筋肉合成の指令すら出なくなってしまうので身体づくりの上でも効率的とは言えないのです。
以上の理由からもハードなトレーニング時やレース時にはBCAAは外的に摂取する必要があるのです。
実際にBCAAを摂取した時の効果
次にBCAAを摂取した時に体には何が起きるのか解説致します。
具体的には、
・筋肉の分解を抑制できる
・筋肉の合成促進
・グリコーゲンの節約
・暑熱下の運動能力向上
といった効果が論文でも確認されています。
以下記事で解説していきます。
効果①筋肉の分解を抑制できる
BCAAの効果として、筋肉の分解を抑制できるということです。
BCAAは摂取することで約30分近くかけて小腸から吸収されます。
激しいトレーニングをしている際にBCAAを投与することで、筋分解によるBCAA量が優位に減少したという結果が得られたという文献があるのですが、これは運動により投与されたBCAAが分解され、筋タンパクのBCAAの分解は抑制されたということです。
つまり、筋分解を抑制するには運動でBCAAを使われるちょうどいいタイミングでBCAAを投与しなくてはいけないということですね。
効果②筋肉の合成促進
BCAAの効果として、筋肉の合成促進が挙げられます。
先にBCAAにはロイシンというアミノ酸が含まれると解説しましたが、これはタンパク質の合成を指示する働きをするアミノ酸です。
年齢により身体が弱っていく原因として、身体にタンパク質があってもそれを合成できる能力が落ちることが挙げられていますが、これはロイシンの不足によるものです。
ランニング中にBCAAを摂ることでこのロイシンも身体に入れることになるので、筋肉の分解を抑制しながらも合成を指示することもできるようになるというわけです。
最近HMBと書かれたサプリメントがありますが、あれはロイシンの代謝物です。
つまり筋肉を合成する指示を出す物質を身体に入れるということです。
効果③グリコーゲンの節約
BCAAの効果として、グリコーゲンの節約も挙げられます。
また、BCAAはグリコーゲンの節約効果もラットの実験により認められています。
これは様々な要因があるかと思いますが、身体の動きがよくなることでグリコーゲンや糖質を無駄遣いしない走りが出来ているという事です。
マラソンでも筋肉の動きが悪くなるレース後半ではフォームが崩れて非効率的な走りになることは皆さん経験済みかと思いますが、その時は意外と無駄なエネルギーを消費してしまっているんです。
BCAAを摂取することで筋肉疲労を抑制して後半崩れない走りをすることでグリコーゲンの節約につながるというわけです。
効果④暑熱下の運動能力向上
また、人間では34℃の暑熱化での運動持久能を高める効果も報告されています。
夏場はランナーにとってトレーニングしにくい時期ですが、そんな時にもBCAAは有効です。
特に夏場に行うロングラン時にはかなり重宝した記憶があります。
以下記事は夏場に行うロングランニングのポイントについてまとめたものですが、この時もBCAAはしっかり摂取しています。
このようにBCAAはランナーにとって様々な効果があることが分かります。
BCAAを摂取するベストなタイミングについて
次にBCAAを摂取するベストなタイミングについてです。
結論から言いますと、
・レースやポイント練習30分前
・レースやポイント練習中~直後
この辺り摂取するのがオススメです。
タイミング①レースやポイント練習30分前
BCAAを摂取するおすすめのタイミングとして、レースやポイント練習30分前が挙げられます。
おそらくこのタイミングが最もBCAAの効果を得られるのではないでしょうか。
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先に解説したように、BCAAは経口摂取して約30分かけて小腸で吸収されます。
吸収されてからはすぐに運動によるBCAA需要に対応できるようになりますので、レースやポイント練習30分前に摂ることで、ちょうど必要なタイミングでBCAAを供給できることになるのです。
その結果、筋タンパクの損傷を最低限に抑えることができるというわけです。
タイミング②レースやポイント練習中~直後
BCAAを摂取するおすすめのタイミングとして、レースやポイント練習中~直後が挙げられます。
運動前後に数回に分けてアスリートがBCAAを摂取したところ、筋損傷が減少して疲労時のパフォーマンスが改善されたという結果が得られたという結果があります。
また、運動後どのくらいまでにBCAAを摂取すべきかということでも検証は行われています。
運動後にBCAAを1時間と3時間で摂取したところ両者の間で差はなく、運動の直前と直後で同じ比較(運動後の筋タンパク量測定)をしたところ、運動直前で摂取した方がタンパク質合成量が2倍高かったという結果があるのです。
つまり運動直後にBCAAを摂取した方が回復が早いという事ですね。
BCAAだけだと不十分な場合がある
次にBCAAだけだと不十分な場合もあります。
それは負荷の高い運動時に材料が不足しているとカタボリックが発生するという事です。
BCAAは筋肉の合成と分解のコントロールをしているアミノ酸ですが、機能する前提条件として身体に材料があることです。
つまりシグナルとしての働きをしていると言いう事です。
よって身体に全く材料(食事)がなく、単体でBCAAだけ取ってもカタボリックは発生します。
これはどういうことなのかというと、トレーニング中にBCAAを取った際に
「よし!新しく筋肉を合成するにあたって腕の筋肉を分解してそれに当てよう!」
となるわけです。
これだと身体作り上あまり効果的ではないですよね。
BCAAを取る時の注意点
次にBCAAを取る時の注意点について解説します。
狙った効果を最大限に発揮するには以下の点に注意する必要があります。
・食事をしっかり摂取する
・ホエイプロテインを予め身体に入れておく
・EAAを摂取する
以上が挙げられます。
以下記事で解説していきます。
注意点①食事をしっかり摂取する
注意点の1つとして、BCAAを取る前に食事をしっかりと摂るということです。
これは先に解説したように、BCAAを使って身体づくりをするには、身体に栄養素(材料)がなくてはならないということです。
なのでランナーの方がマラソンレースやポイント練習でBCAAを摂取しようとするのであれば、走り始める30分前にBCAAを摂取し、その際には食べたものが消化されて身体に栄養素が供給された状態にあるべきだという事です。
注意点②ホエイプロテインを予め身体に入れておく
注意点として、予めホエイプロテインを摂取しておく必要があるということです。
先に栄養素が身体に取り込まれたうえでBCAAを摂取する必要があると解説しましたが、特に材料として重要なのがプロテイン(タンパク質)です。
走り始める前に食事と併せてホエイプロテインを摂取しておくことは重要ですね。
ジムで筋トレする時程の量は必要ないですが、ランニングのパフォーマンスの妨げにならない様に取ることがポイントです。
粉末のプロテインがベストですが、準備しにくい方はスパウトパウチのゼリー飲料でも良いでしょう。
注意点③EAAを摂取する
次の注意点としてEAAを摂取するということです。
これはどうしてもBCAA単体でとらなくてはならないのであれば、EAAを摂取した方が良いという事です。
BCAAは3種類の必須アミノ酸しか含まれていませんが、EAAは必須アミノ酸が全て入っています。
アミノ酸単体でレースやポイント練習に挑むのであればEAAを摂取すべきです。
個人的には安いのでマイプロテインがオススメですが、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
以下サイトから購入できます。
おすすめのBCAA商品
次におすすめのBCAAについて紹介します。
基本的にBCAAは運動直前直後に飲むのがおすすめですので、その点を踏まえて紹介致します。
・ランショット(新田ゼラチン)
・アミノバイタル(味の素)
・オレは摂取す(リカバリー)(ダイトー水産)
・BCAA(2:1:1)(マイプロテイン)
おすすめのBCAA商品①ランショット(新田ゼラチン)
おすすめのBCAAとしてランショットが挙げられます。
特徴としては
・コラーゲンペプチド5000㎎
・クエン酸2700㎎
・BCAA1000㎎
以上が配合されたスパウトパウチ飲料です。
城西大学駅伝部との共同開発により生まれたランナーにおすすめのBCAA飲料です。
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陸上競技マガジンや月間陸上競技でも紹介されているのでご存知の方は多いのではないでしょうか?
おすすめな使い方としては、レースやポイント練習直後に飲むことです。
美味しいので疲労した状態でも無理なく飲めるのでリカバリーには最適ですね。
ランショットの詳細なレビューについては以下記事でも解説しておりますので参考にしてみてください。
ランショットは以下公式サイトから購入できます↓
おすすめのBCAA商品②アミノバイタル(味の素)
次におすすめなのがアミノバイタルです。
ランナーの間では言わずと知れたBCAAサプリメントです。
アスリートからのフィードバックや、科学的知見を基にした味の素の研究開発チームが作り出した名作です。
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私自身、学生の頃は日体大記録会の直前なんかには必ず飲んでいましたし、今でもレース直前には必ず飲みます。
昔よりも美味しく飲みやすくなったので、BCAAの苦みがどうしても苦手だという方にもオススメできます。
飲むタイミングとしては運動直前(30分前)がオススメです。
以下はアミノバイタルを私が富士登山競走で試した時のレビューです。
おすすめのBCAA商品③オレは摂取す(リカバリー)
次にオススメなのが「オレは摂取す(リカバリー)」です。
レース中に飲むエナジージェルですが、回復に特化した補給食です。
BCAAの他に、身体づくりの材料となるホエイペプチドも配合されており、疲れた体に嬉しい補給食です。
ダイトー水産が独自に開発したコラーゲンペプチドであるマグロコラーゲンペプチドも配合されており、個人的にはマラソン・トレイルランでかなり使える補給食です。
詳細については以下記事で解説しておりますので参考にしてみてください。
おすすめのBCAA商品④BCAA(2:1:1)(マイプロテイン)
次におすすめなのがマイプロテインのBCAA(2:1:1)です。
BCAAの原末ですが、さすがはマイプロテインだけありコスパがいいです。
運動直後30分以内にプロテインと一緒にシェイカーに溶かして飲むのがおすすめですね!
以下公式サイトから購入できます↓
公式サイト経由の方がアマゾンよりもお得に購入できます。
まとめ
今回はランナーとBCAAの関係と、おすすめのBCAA商品について解説しました。
トレーニングに関わる食品はプロテインが一般的ですが、BCAAも併せて摂取することでより効率的なトレーニングが可能となりますので参考にしてみてくださいね。
また、先に解説したプロテインについては以下記事でおすすめを解説しているので参考にしてみてください。
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