今回はマラソンで使用する補給食の摂取タイミングについて解説します。
・マラソン中に飲む補給食の効果について知りたい
・マラソン中の補給のベストタイミングについて知りたい
・マラソン中の具体的な補給戦略について知りたい
といった方には役立つ内容かと思います。
以下記事で解説していきます。
マラソンで消費するカロリーは?
まずマラソンで消費するカロリーについて解説します。
これはランナーの力量やペース、競技時間によっても異なりますが約2500kcal程度だと言われています。
実際に私が走った防府読売マラソンで消費したカロリーも若干の上下はするものの、約2500kcalあたりですので、実際のところこのぐらいなのではないかと思います。
人間の体では、これだけのカロリーを糖質だけで賄うわけではなく、脂質とハイブリッドでエネルギーとしています。
人間の体に蓄積できる糖質は約2000kcalで、その糖質はランニングだけではなく様々な生命活動に使わなくてはならないので、どうしても脂質とハイブリッドにする必要があるのです。
その中でも糖質の使用量が過剰になる、つまり力量を越えたオーバーペースで走ると糖質代謝優位になってしまい、速い段階で身体がストップをかけるのであの倦怠感がやってきます。
そうならない様に適切なペース管理や、ジェルによる糖質補給が必要になってくるのです。
マラソン中の身体に補給食が与える効果
補給食のベストな摂取タイミングを語る上で、まずマラソン中の身体に補給食が与える効果について解説する必要があるかと思います。
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これまで私もマラソンを始めてから様々な補給食を食べてきましたが、補給食も重要ですが、それを摂取するタイミングが重要です。
補給食には糖質を始め様々な成分が含まれますが、補給食の効果には
・エネルギー補給
・代謝の安定
・有効成分によるパフォーマンスの変化
・リフレッシュ
以上が挙げられます。
以下記事で解説していきます。
効果①エネルギー補給
マラソン中の身体に補給食が与える効果として、エネルギー補給が挙げられます。
糖質にはいくつか種類があり、素早く吸収されてエネルギーに変わりやすいものから、摂取してから時間をかけて徐々にエネルギーに変わるものとがあります。
俗に言うGI値ってやつです。
ちなみにこのGI(Glycemic Index)値は、食品が血糖値を上昇させる速さを示す指標です。特定の食品が摂取された際に、血糖値がどれだけ急激に上昇するかを示す数値です。
GI値は、0から100までの範囲で示され、食品が血糖値を上昇させる速さを、参照食品であるブドウ糖やグルコースのGI値(100)に対して比較して示します。
糖質の吸収速度にもそれぞれメリットとデメリットがあり、吸収が早ければ良いと言うことではありません。
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糖質の吸収が早い事は確かにメリットですが、それは同時にインスリンが大量分泌されることでもあるのです。
その結果、血糖値が補給する以前よりも逆に下がってしまい、低血糖状態に陥る、インスリンショックと言う状況を引き起こすこともあるのです。
私の場合、特にそういったことが多かったので、パラチノースや蜂蜜などできるだけ吸収の遅い糖質を摂取するようにしています。
補給食を摂取する際には、こうしたエネルギー補給の観点から糖質を選ぶのがけっこうおすすめです。
ランナーの身体との相性によってけっこうこの辺りは違うので、ランニング時の自分に合った糖質に出会っておくと良いでしょう。
ただ厳密に言うと、補給食によるエネルギー補給はある意味で違ってきます。
だって摂取してもせいぜい120kcal~200kcalですよね?
この程度のカロリーであれば摂取してもマラソンの2000kcal以上の消費カロリーで間に合わないですよね。
これには次に解説する補給食と代謝に関係してくるのです。
効果②代謝の安定
マラソン中の身体に補給食が与える効果として、代謝の安定が挙げられます。
補給食によりエネルギー補給がされると、代謝が安定するというのは意外と感じた方も多いのではないでしょうか?
代謝が安定するというのは、言い換えると自律神経にエネルギー補給の信号が行くという事です。
ここで言う信号というのは、補給食の摂取により血糖値が上がるという事です。
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仮に自律神経にエネルギー補給の信号が行かなかった場合、運動して糖質を使っているけれども糖質が供給されないという事になります。
そうなると当然生命活動にもその糖質は使わないといけないわけですから、身体としてはストップをかけます。
これにより筋持久力的にまだまだイケる状態でも身体が急激にだるくなる症状が発生するというわけです。
いわゆる30㎞の壁ってやつです。
一方、糖質が供給されて血糖値が安定している状況であれば、身体はランニングという動きに対してストップをかけません。
その結果、マラソンに必要な脂質代謝の安定にもつながるというわけです。
この辺りについては以下動画でも解説しておりますので参考にしてみてください。
効果③有効成分によるパフォーマンスの変化
マラソン中の身体に補給食が与える効果として、有効成分によるパフォーマンスの変化です。
これは特に足つりの防止に役立つマグネシウムや、疲労を感じにくくするカフェインなどが挙げられます。
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マラソンにおいて高いパフォーマンスを維持するのは、ペース管理をしっかり行うことが最も有効ですが、レースが始まった後に有効成分を摂取することも重要です。
ただこれらの有効成分は摂取するタイミングによっては、意味がないものになってしまうので、注意が必要です。
私の場合、筋収縮に必要なマグネシウムはMagonで摂取し、カフェインについてはカフェイン入りの補給食を使っています。
Magonについては以下記事で詳細を解説しております。
レース前に顆粒を摂取して、レース序盤にMagonジェルを摂取するようにしています。
レース後半に摂取してもあまり効果がないので注意が必要です。
また、カフェインについても本格的に疲労する前から摂取すべきです。
それには疲労物質であるアデノシンとその受容体が結合する仕組みがあり、アデノシンとカフェインが形状が似ていることがポイントとなります。
この辺りについては以下の「ランナーなら使い!カフェインの効果」という動画でも解説しておりますので参考にしてみてください。
効果④リフレッシュ
マラソン中の身体に補給食が与える効果として、リフレッシュが挙げられます。
マラソンレース中にできるリフレッシュといえば、給水所で水やスポーツドリンクを摂取するか、新たな集団に入ることなどです。
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後半になれば我慢の時間が始まるので退屈とか言っていられませんが、それまでは割と単調です。
私の場合そんな単調なマラソンの中で発見したのが、補給食の味によるリフレッシュです。
これは特にクエン酸など疲労度を軽減する成分が入っていると特に感じるのですが、酸っぱいものを食べることで目が覚めるような感覚があります。
こういったリフレッシュがマラソンには結構重要で、補給食で摂取した栄養もしっかり吸収されるような感覚も感じられるほどです。
そういった点ではただ甘いだけの補給食も良いのですが、酸味の強い補給食を摂取すると言うのも意外とお勧めです。
マラソンの補給食は段階別に必要
マラソンの補給食は段階別に必要です。
・レース前
・レース中
・レース後
に分類して解説していこうと思います。
段階①レース前
まず最初の段階としてレース前の補給です。
レース前には朝食があるから特に補給食を取る必要はないだろうと思いがちですが、直前まで取るべきだと考えます。
この時に摂取するものとしては糖質だけでなく、BCAAなど筋分解を抑制するものやタンパク質などを摂取します。
BCAAなどのアミノ酸は摂取してからすぐに吸収されるものですが、30分~60分近くはかかります。
スタート直前に取れば、走り始めてちょうど序盤が過ぎるあたりの時間で効いてくるのでおすすめしています。
個人的におすすめなのが新田ゼラチンが出している「ランショット」です。
おすすめする理由としては、BCAAやコラーゲンペプチドを含んでいるという点です。
これまでリカバリーの為にランショットは飲んでいましたが、レース直前に飲むことでも効果が期待できます。
ランショットについては以下記事でも解説しておりますの参考にしてみてください。
段階②レース中
レース中にはカフェイン入りの補給食を摂取するようにしています。
最近は自作の補給食を使っていますが、基本的にははちみつなどをベースにし、そこにクエン酸やカフェインなどを配合したものを使っています。
ポイントとしては低GIで、自分好みの味の補給食を持つのがベストですが、外せない原材料としてカフェインやクエン酸、マグネシウムなどが挙げられます。
市販の補給食にはこういったものが配合されていますので、レース前は積極的に試用するのがおすすめです。
私の場合は現在サブエガなので3時間弱で完走することになりますが、補給は計4回行います。
大体取る場所は決まっており、9㎞、18㎞、25㎞、35㎞あたりですね。
そんなに摂取するのかと思うかもしれませんが、マラソンでパフォーマンスを維持するためにはそのくらい必要です。
トップ選手は補給食をスペシャルドリンクとして置いておけますが、これにも似た成分が入っています。
テレビなんかで見ても結構な頻度で置かれていることに気が付くと思います。
市民ランナーの我々も積極的に摂ってい行きましょう。
特に35㎞あたりでもしっかり補給食を取ると、レース後のダメージもかなり軽減されるので、かなりオススメです。
段階③レース後
次におすすめなのがレース後に摂取する補給食です。
ここでは糖質補給はもちろんですが、タンパク質やコラーゲンペプチドなど体を修復する原材料が配合されたものを取るべきでしょう。
スタート時に推奨したランショットや、オレは摂取すなど少し高価格ですが、疲れた自分の身体に投資するにはかなりオススメできます。
レース後はどうしても補給を軽視しがちですが、次の目標に向かうためにも積極的に補給していきましょう。
補給食の選び方
また補給食の選び方というのも結構重要です。
先に解説したベースとなる糖質や成分などのバランスだけでなく、
補給食の形態(飲みやすい形態か?)や包材の厚さ(折り曲げても穴が開かないか?)や自分の好きな味かどうかも挙げられます。
特に重要なのが補給食の味です。
美味しくない補給食だと栄養素を摂取している感じがしないんですよね。何と言いますか、致し方なくまずいものを飲み込むようなそんな感じです。
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ただ、そういう時ってあまり栄養や力に代わっている感じがしないんですよね。血糖値の上がり方も乱暴に上下する感覚があります。
結果的にエネルギー補給や代謝の観点からもあまり良くないと感じます。
一方味が美味しい補給食だったらどうでしょうか?わずかではありますが僅かに味わう時間もありますよね。
一気に飲み切らずに何口に分けて飲むなども可能で、そうした時の方が補給食の効果も最大限に発揮されると感じます。
家族や自分の気の合う人と食事をする方が吸収も良いなんて話聞いたことありますよね?
それと同じ効果が起きるのだと感じます。
補給食を選ぶ際にはそうしたことに注意して選ぶようにしましょう。
以下記事ではマラソンにおすすめな補給食について解説しておりますので参考にしてみてください。
トレーニング時の補給戦略
レースだけでなく、トレーニング時の補給戦略も重要です。
具体的には
・ダメージを最小限に留める
・どの段階で補給すべきか見極める
ということです。
以下記事で解説していきます。
トレーニング時の補給戦略①ダメージを最小限に留める
これは練習での余計なダメージを最小限に抑えることが目的です。
最もトレーニングでダメージが残る例としては、後半にいっぱいいっぱいで練習を終えることです。
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これはペース的にもそうですし、栄養素的にも枯渇した状態で終えることを指します。
そうなると結果的に次のトレーニングを入れるタイミングが遅れたり、疲労が蓄積されたりすることがあります。
トレーニング時の補給戦略②どの段階で補給すべきか見極める
次にトレーニング時の補給戦略として、どの段階で補給すべきか見極めるということです。
これは補給食を摂取した後に身体がどれだけで反応するのかを見極めるということです。
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よい摂取タイミングが見つかればマラソンレース中でも同じタイミングで補給食を取るべきでしょう。
私もここについてはかなり試行錯誤してきましたが、最終的に自分にベストなタイミングが見つかりました。
また自分に合った補給食にこのタイミングに出会っておくのも良いでしょう。
私の補給戦略
次に私の補給戦略について解説します。
・補給戦略の成功例
・補給戦略の失敗例
に分類して解説していきます。
以下記事で解説していきます。
補給戦略の成功例
補給戦略の成功例としては、低GIの補給食を早い段階から摂取していた時です。
カフェインもレース序盤から取っていましたからね。
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また、レース序盤のスタートから5㎞地点までじっくりゼリー飲料を飲んでいた時も結果的にうまいレース運びができました。
ここから学んだコツとしては、元気なうちからカフェイン入りのものを補給し続けるという事ですね。
補給戦略の失敗例
補給戦略の失敗例としては、吸収の早い糖質を含んだ補給食ばかり摂取してしまったこともあります。
糖質の枯渇が少ないレース序盤にこうした補給食をとればよかったのですが、すでにレース後半で疲れているときに一気に摂取したことで、インスリンショックを起こしてしまったのだと思われます。
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また、疲労に対する有効成分であるカフェインを取るタイミングが遅かったことも挙げられます。
カフェインが疲労に効果があると言われる理由は、疲労に関するメカニズムと大きく関係しています。
この辺りは以下記事でも解説しておりますので参考にしてみてください。トレイルランニングでの活用方法ですが、活用のポイントはマラソンでも同じです。
まとめ
今回はマラソンにおける補給のタイミングについて解説しました。
マラソンで良い結果を出すには、補給のタイミングは極めて重要です。
せっかく練習してきたのですから、レース当日はエネルギー補給切れを起こさないようにうまく工夫して行きましょう!
以下動画でも30㎞の壁の観点からエネルギー補給について解説しております。
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