フルマラソンでは、42.195kmを走り切るためにレース中のエネルギー補給が重要になります。
その中でも、多くのランナーが利用しているのがエネルギージェルです。
しかし、実際にマラソン用のジェルを選ぼうとすると種類が多く、
「マラソンにはどんなジェルがおすすめなのか?」
「何個くらい持って走ればいいのか?」
「何kmで摂ればいいのか?」
「カフェインなどの成分まで考えて選んだ方がいいのか?」
など、迷うことも多いと思います。
私自身もこれまでフルマラソンを走る中でさまざまなジェルを試してきましたが、現在は単純にカロリーの高さだけではなく、配合されている成分やレース中の飲みやすさ、携帯性、そしてどのタイミングで使うのかまで含めて選ぶことが重要だと考えています。
特にマラソンでは、ある程度高い運動強度を維持したまま補給しなければなりません。後半になると胃腸にも余裕がなくなり、普段なら問題なく摂れるものでも「もう飲みたくない」と感じることがあります。
そのため、どれだけ成分に魅力があるジェルでも、レース後半まで無理なく摂り続けられるかどうかは重要なポイントです。
また、ジェル選びと同じくらい重要なのが、何個持つのか、そしていつ補給するのかを事前に決めておくことです。
この記事では、これまでマラソンに取り組んできた私自身の経験をもとに、マラソンにおすすめのジェルや選び方、必要な個数、補給するタイミングについて詳しく紹介します。
これから初めてフルマラソンに挑戦する方はもちろん、レース後半のエネルギー切れやジェル選びに悩んでいる方も、自分に合った補給方法を考える参考にしてみてください。
| 著者:千坂 充宏(SAMURAIGEL開発者) 書籍などを通じてトレーニングを独学し、初マラソン4時間58分から記録を伸ばし、40代でサブエガを達成。 主な自己ベスト YouTube|マウンテンランニング研究所 |
マラソンではなぜジェルが必要なのか
フルマラソンでは42.195kmという長い距離を走り続けるため、レース中にもエネルギーを補給する必要があります。
ただし、マラソンで消費したカロリーを、そのままジェルで補えばいいという単純な話ではありません。
私たちの身体は、筋肉や肝臓に蓄えられたグリコーゲンを使うだけでなく、体脂肪もエネルギー源として利用しながら走っています。そのため、マラソンで消費するすべてのエネルギーをレース中の補給だけで賄う必要はありません。
一方で、体内に蓄えられる糖質には限りがあります。
特にマラソンのようにある程度高い運動強度を長時間維持するためには糖質も重要なエネルギー源となるため、体内に蓄えている糖質だけに頼るのではなく、レース中にも継続して補給していくことが重要になります。
私が補給で意識しているのは、エネルギー切れを感じてからジェルを摂るのではなく、
一定の間隔で補給を続けることです。
マラソン後半の失速には筋疲労やペース配分、暑さ、脱水などさまざまな要因が関係するため、ジェルを摂れば後半の失速を防げるわけではありません。
それでも、長時間走り続ける中でエネルギーを供給し続けることは重要です。
限りのある糖質をレース中にも補いながら、体内に蓄えられている脂質もエネルギー源として利用していく。
私はこの考え方を基本として、マラソンの補給を組み立てています。
マラソンでは固形食よりジェルが使いやすい
糖質を補給するだけであれば、ようかんやカステラなどの固形食を利用することもできます。
しかし、私自身はマラソンでは基本的にエネルギージェルを中心に補給しています。
その理由は、マラソンではある程度高い運動強度を維持したまま補給しなければならないからです。
トレイルランニングでは急な登りを歩いたり、エイドで立ち止まったりする場面もあり、そのタイミングで固形食を食べることができます。
一方、マラソンでは基本的にスタートからゴールまで走り続けます。特に後半になると呼吸も苦しくなり、胃腸にも余裕がなくなるため、固形物を噛んで飲み込むことが難しくなることがあります。
その点、エネルギージェルはコンパクトで持ち運びやすく、走りながらでも短時間で補給できます。複数個をランニングパンツやウエストポーチに入れて持ち運びやすいことも、何度も補給するマラソンでは大きなメリットです。

ただし、ジェルであれば何でもいいわけではありません。
商品によって味や粘度、配合されている成分、携帯性などは大きく異なります。特にマラソン後半まで使うことを考えると、成分だけでなく最後まで無理なく摂り続けられるかどうかも重要になります。
そこで次に、私がマラソン用のジェルを選ぶときに重視しているポイントについて紹介します。
マラソン用ジェルを選ぶポイント
マラソン用のエネルギージェルは数多く販売されており、商品によって味や食感、配合されている成分などが異なります。
私自身もこれまでさまざまなジェルを使用してきましたが、現在は単純にカロリーが高いものを選ぶのではなく、レース中にどのように使うのかまで考えて選ぶようにしています。
特に重視しているのが、配合されている成分と飲みやすさです。
どれだけ魅力的な成分が配合されていても、マラソン後半に飲めなくなってしまえば使うことができません。一方で、飲みやすいだけでなく、自分がそのジェルにどのような役割を求めるのかを考えることも重要です。
カロリーだけでジェルを選ばない
エネルギージェルを見ると、1個あたりのカロリーに目が向きやすいと思います。
しかし私は、
カロリーの高さだけでマラソン用のジェルを選ぶ必要はないと考えています。
マラソンでは非常に多くのエネルギーを消費しますが、走って消費したカロリーをそのままレース中のジェルで補うわけではありません。
身体に蓄えられているグリコーゲンや体脂肪もエネルギー源として利用しますし、運動中に摂取できる量にも限界があります。
そのため、例えばマラソンで2500kcalを消費するからといって、
2500kcal分のジェルを用意するという考え方にはなりません。
重要なのは、消費したエネルギーをすべて補うことではなく、長時間走り続ける中で必要なエネルギーを継続して供給していくことです。
マラソンのレース中に使用するエネルギー源は、グリコーゲンや体脂肪など、スタートラインに立った時点で、自分の体に貯蔵されているものたちです。
ジェルにより定期的に血糖値を上昇させたり、有効成分を体に入れることで、グリコーゲンや体脂肪をうまく使うことができるのです。
そのため私は、1個あたりのカロリーだけでジェルの良し悪しを判断するのではなく、そのジェルをどのようにレースで使うのかまで含めて考えています。
配合されている成分と役割を見る
ジェルを選ぶときに私が確認しているのが、どのような成分が配合されているのかです。
エネルギージェルは糖質を補給するものというイメージが強いですが、商品によって設計はかなり異なります。
カフェインを配合したものもあれば、アミノ酸やミネラル、MCTなどを組み合わせたものもあります。
ただし、成分の種類が多ければ優れたジェルというわけではありません。
重要なのは、その成分が何のために配合されているのかを考え、自分がレースのどの場面で使いたいのかを決めることです。
例えば、レースを通してエネルギー補給を目的として使うジェルと、後半の疲労が蓄積した場面で使いたいジェルでは、選び方が変わってきます。
すべて同じジェルで統一する方法もありますが、特徴の異なるジェルを組み合わせて補給を組み立てるのも一つの方法です。
最後まで飲める味と食感を選ぶ
成分と同じくらい重要なのが、実際に走りながら摂り続けられるかどうかです。
普段はおいしいと感じるジェルでも、30kmを過ぎて身体が疲れてくると、甘さや粘度が気になって飲みにくくなることがあります。
私自身もマラソン後半になると、ジェルそのものを口に入れたくないと感じることがあります。
そのため味だけではなく、粘度やのど越し、口の中に残りにくいか、水がなくても摂りやすいかといった部分まで確認しておくことをおすすめします。
特に重要なのは、実際に走っている状態で試すことです。

普段の生活で飲んだときの印象と、20kmや30km走った後に飲んだときの印象は大きく変わることがあります。
本番で初めて使用するのではなく、ロング走などで後半まで実際に使ってみることで、自分に合っているか判断しやすくなります。
携帯性や開けやすさも確認する
フルマラソンでは複数のジェルを持って走ることになるため、サイズやパッケージの形状も意外と重要です。
ジェルが大きすぎるとポケットの中でかさばりますし、走っている最中に取り出しにくいものや、手が濡れた状態では開けにくいものもあります。
特に後半は疲労によって細かな動作もしにくくなるため、走りながら取り出して簡単に開封できるかどうかは事前に確認しておいた方がいいと思います。

成分や味だけではなく、実際に42.195kmを走りながら使うことまで考えて選ぶ。
これが、私がマラソン用のジェルを選ぶときに大切にしている考え方です。
マラソンにおすすめのエネルギージェル
ここまでジェルの選び方について紹介してきましたが、実際にマラソンで使いやすいジェルをいくつか紹介します。
エネルギージェルは商品によって特徴が異なるため、単純にどれが一番優れているというものではありません。
味や食感との相性もありますし、レースのどの場面で使うのかによっても選び方は変わります。
ここでは、私自身も実際に使用したことがあるものの中から、マラソンで選択肢に入れやすいジェルを紹介します。
メダリスト エナジージェル
まず紹介するのが、メダリスト エナジージェルです。
メダリストはランニングショップなどでも比較的見かけることが多く、私自身もこれまで使用してきたジェルの一つです。
1袋45gで約105〜107kcalあり、果糖や果汁、蜂蜜などをベースに作られています。
リンゴ、グレープフルーツ、ブドウ、コーヒーといった種類があり、味の選択肢があるのも特徴です。
マラソンでは同じ味のジェルを何本も摂っていると、後半になって味に飽きてしまうことがあります。そのため、複数の味を組み合わせて持っていくという使い方もしやすいと思います。
また、比較的オーソドックスなエネルギージェルなので、初めてマラソン用のジェルを選ぶ人にも選択肢の一つになると思います。
ただし、味や粘度の感じ方には個人差があります。
本番で初めて使用するのではなく、ロング走などで実際に摂り、自分が後半まで問題なく使えるか確認しておくことをおすすめします。
ここでジョミ
もう一つ、私が以前からマラソンやトレイルランニングで使用してきたのが、ここでジョミです。
ここでジョミは、カマヒハニーとガマズミ果実をベースに、BCAAやクエン酸などを組み合わせた商品です。
1本20gと非常にコンパクトで、エネルギー量は48kcalです。
私がここでジョミを気に入っていた理由の一つが、疲れてきたときでも摂りやすい味です。
マラソン後半になると甘さの強いジェルがつらく感じることがありますが、ここでジョミはガマズミ果実の酸味があり、疲れている場面でも比較的口に入れやすいと感じていました。
また、20gと小さいため携帯しやすいこともマラソンではメリットです。
私自身、過去のマラソンでも実際にここでジョミを使用しており、特にレース後半に使うジェルとして取り入れていました。
一方で、1本48kcalなので、これだけでレース中のエネルギー補給をすべて組み立てるというよりは、他のエネルギージェルと組み合わせながら使う方法も考えやすいと思います。
マラソン後半になると、成分だけでなく「その状態でも飲みたいと思えるか」が非常に重要になります。
ここでジョミは、私にとってジェルを選ぶうえで味や摂りやすさも重要だと感じるきっかけになった商品の一つです。
私が実際にマラソンで使用しているジェル
ここまでマラソン用ジェルの選び方について紹介してきましたが、私自身は現在、SAMURAIGELの「刀」と「鎧」を組み合わせてマラソンを走っています。
最初にお伝えしておくと、SAMURAIGELは私自身が開発し、株式会社サブスリーラボで販売している商品です。そのため、第三者の立場からおすすめしているわけではありません。
そもそもSAMURAIGELを開発したきっかけの一つが、
私自身がマラソンやトレイルランニングを続ける中で、さまざまなジェルを使用してきた経験でした。
単純にカロリーの高いジェルを作るのではなく、長時間走り続ける中でどのようにエネルギー補給を組み立てるのか。そして、マラソン後半まで実際に摂り続けられるものにするにはどうすればいいのか。
そうしたことを考えながら開発したのが、役割の異なる「刀」と「鎧」です。
SAMURAIGEL 刀
刀は、運動中のエネルギー補給を目的として開発したエネルギージェルです。
マラソンでは糖質だけではなく、体内に蓄えられている脂質もエネルギー源として利用しながら走ります。
そこで刀には、糖質に加えてMCTオイルを配合しています。単純に1個あたりのカロリーを増やすのではなく、長時間運動におけるエネルギー補給を考えて設計しました。
さらにクエン酸やマグネシウム、カフェインなども配合しています。
また、開発するときに特にこだわったのが飲みやすさです。
マラソン後半になると、普段であれば問題なく飲めるジェルでも、粘度や甘さが気になって摂りにくくなることがあります。
そのため刀には寒天を使用し、口の中で崩れやすく、水なしでも摂りやすい食感にしています。
私自身もマラソンでは刀をエネルギー補給の基本として使い、レース序盤から一定の間隔で摂るようにしています。
SAMURAIGEL 鎧
鎧は、刀とは少し違った考え方で開発したジェルです。
マラソンでは30km前後になると脚が重くなり、それまでと同じ動きを維持することが難しくなってきます。
もちろん、マラソン後半の失速は補給だけで防げるものではありません。筋持久力やペース配分、気象条件など、さまざまな要因が関係します。
そのうえで、長時間身体を動かした後のコンディションを補給面から考え、鎧にはBCAAとコラーゲンペプチドを配合しています。
私の場合は、刀だけを最後まで使うのではなく、レースの途中に鎧を組み込みながら補給を組み立てています。
ここで重要なのは、鎧を必ず30km以降まで残しておくわけではないということです。
身体が完全に疲れてから初めて摂るのではなく、まだ余裕がある段階から取り入れ、後半を見据えて使うこともあります。
そのため私の中では、単純に「前半は刀、後半は鎧」と分けるのではなく、刀をエネルギー補給の軸にしながら、鎧を途中に組み込んでいくという使い方をしています。
実際にマラソンで刀と鎧をどのタイミングで使用しているのかについては、後ほど私自身のレースでの補給例を紹介します。
マラソンではジェルを何個持てばいい?
マラソンでジェルを準備するときに、「結局何個持っていけばいいのか」と悩む人も多いと思います。
私の場合は、基本的に40分に1本を目安としてジェルを摂るようにしています。
この考え方であれば、必要なジェルの個数は走る距離ではなく、自分の目標タイムから考えることができます。
ジェル補給は40分に1本が基本
私が40分に1本を目安にしているのは、40分走るとジェル1本分のカロリーを消費するからではありません。
ここまで紹介してきたように、マラソンで消費するエネルギーをすべてジェルで補う必要はありません。身体に蓄えられているグリコーゲンや体脂肪も利用しながら走っているためです。
私が重視しているのは、エネルギーが不足したと感じてからまとめて補給するのではなく、レース序盤から一定の間隔で補給を続けることです。
マラソンの前半はまだ身体に余裕があるため、「今はジェルを摂らなくても大丈夫」と感じることもあります。
しかし、そこで予定していた補給を飛ばし、後半になってからまとめて摂ろうとしても、疲労が進んだ状態ではジェルそのものを受け付けにくくなることがあります。
そのため私は、まだ余裕のある前半から40分程度の間隔で補給し、レースを通して継続的にエネルギーを供給していくことを意識しています。
もちろん、40分に1本がすべてのランナーに適しているわけではありません。
使用するジェルや胃腸の強さ、走るペースなどによって適した間隔は変わるため、あくまで私自身が実践している一つの目安として考えてください。
目標タイムから必要なジェルの個数を考える
40分に1本を一つの基準にすると、レース中に必要なジェルの個数も考えやすくなります。
3時間程度で走る場合は4本程度、3時間30分なら5本程度、4時間なら6本程度が一つの目安になります。
4時間30分であれば6本から7本程度、5時間であれば7本程度を用意することになります。
ただし、実際にはスタート直前にジェルを摂る場合もありますし、落としてしまったり開封に失敗したりする可能性もあります。
そのため、レース中に使用する予定の本数とは別に、必要に応じて予備を1本持っておくのもいいと思います。
大切なのは、レース当日に初めてこの本数を摂ることではありません。
40分に1本を予定するのであれば、30km走などのロング走でも同じように補給し、予定している本数を問題なく摂り続けられるか確認しておくことが重要です。
自分の目標タイムから必要な個数を考え、それを練習で試しながら自分に合った本数に調整していくことをおすすめします。
マラソンでジェルを摂るおすすめのタイミング
マラソンでは、ジェルを何個持つのかだけでなく、どのタイミングで摂るのかも事前に決めておくことが重要です。
私の場合は前の章で紹介したように一定の時間間隔を基準にしていますが、実際のレースでは使用するジェルや給水所の位置も考えながら調整しています。
特に意識しているのは、距離ではなく時間を基準にすることです。
マラソンでジェルを摂るタイミングについては、別の記事でさらに詳しく解説しています。
私が40分程度を一つの目安にしている理由や、給水所との合わせ方、実際に補給を忘れて失速した経験なども紹介しているので、補給計画を作る際はこちらも参考にしてください。
距離ではなく時間を基準にする
マラソンでは「10kmごとにジェルを摂る」といった補給方法もありますが、私は距離よりも時間で考える方が分かりやすいと思っています。
例えば10kmを40分で走るランナーと60分で走るランナーでは、同じ10kmごとの補給でも間隔は20分違います。
フルマラソンを3時間で走る人と5時間で走る人では、身体を動かし続ける時間も大きく異なります。
そのため、何km地点で摂るのかではなく、どのくらいの時間走ったら補給するのかを決めておく方が、自分の目標タイムに合わせて補給を組み立てやすくなります。
私の場合は40分に1本程度を基準にしていますが、40分ぴったりに摂る必要があると考えているわけではありません。
あくまで補給する間隔を一定にするための目安として考えています。
給水所に合わせてタイミングを調整する
実際のマラソンでは、使用するジェルによって給水所との合わせ方も変わります。
水と一緒に摂った方が飲みやすいジェルの場合は、補給予定の時間に近い給水所を確認し、その少し手前でジェルを摂る方法が使いやすいと思います。
給水所に到着してからジェルを取り出して開封すると、周囲にランナーがいる中で補給と給水を同時に行うことになります。
そのため、給水所の手前でジェルを摂り、給水所では水を取ることに集中する方がスムーズです。
一方で、すべてのジェルが水とセットでなければ摂りにくいわけではありません。
私がマラソンで使用しているSAMURAIGELは、寒天を使うことで口の中で崩れやすい食感にしており、水で流し込まなくても摂りやすいように設計しています。
そのため私自身は、ジェルを摂るためだけに給水所まで待つ必要がなく、自分で決めた補給タイミングを基準にして摂ることができます。
マラソンでは給水所が混雑することもありますし、補給したいタイミングと給水所の位置がうまく合わないこともあります。
そう考えると、水なしでも摂りやすいかどうかは、ジェルを選ぶときの一つのポイントになると思います。
使用するジェルによって適した摂り方は異なるため、本番前のロング走などで実際に使用し、水がなくても摂れるのか、水と一緒に摂った方が使いやすいのかまで確認しておくことをおすすめします。
エネルギー切れを感じる前から補給する
ジェルを摂るタイミングでもう一つ重要なのが、身体が動かなくなってから補給するのではなく、その前から計画的に摂っておくことです。
マラソン前半はまだ身体に余裕があるため、「まだジェルはいらない」と感じることもあります。
しかし、ジェルは疲れてから身体を元に戻すために摂るものではなく、長時間走り続ける中でエネルギーを供給し続けるために使うものだと私は考えています。
そのため私は、身体の感覚だけで補給するタイミングを決めるのではなく、まだ余裕がある前半から予定通り補給します。
特に後半になって疲労が大きくなると、ジェルそのものを摂ることが負担になることもあります。
だからこそ、余裕のあるうちから一定のリズムで補給を続け、後半になってから慌てて補給する状況を作らないことが重要です。
エネルギー切れを感じてから摂るのではなく、エネルギー切れを起こしにくくするために前半から摂る。
これが、私がマラソンの補給タイミングで大切にしている考え方です。
別府大分毎日マラソンでの補給例
別府大分毎日マラソンでは、SAMURAIGELの刀と鎧を組み合わせて使用しました。
実際に補給したタイミングは以下の通りです。
9km刀
13km鎧
18km刀
25km刀
33km鎧
このレースでは、刀をエネルギー補給の軸にしながら、途中に鎧を組み込む形で補給しました。
特徴的なのは、最初の鎧を13kmという比較的早い段階で摂っていることです。
この日は自己ベスト更新を狙っており、序盤からある程度攻めたラップでレースに入っていました。
同じ13km地点でも、余裕を持って走っているレースと、自己ベストを狙って高い強度で走っているレースでは身体にかかっている負荷が違います。
そのため、この日は「30kmを過ぎて疲れてから鎧を使う」という考え方ではなく、序盤から高い強度で走ることを考え、早い段階で鎧を取り入れました。
そして33kmでもう一度鎧を摂り、レース終盤に使用しています。
一方、刀は9km、18km、25kmで使用し、レースを通したエネルギー補給の中心としました。
このように私は、単純に「前半は刀、後半は鎧」と距離だけで使い分けているわけではありません。
その日の目標やレース強度、どのようなペースで走るのかまで考えながら、刀と鎧を入れるタイミングを決めています。
特に自己ベストを狙うようなレースでは、後半に疲れてから対応するのではなく、序盤から高い負荷がかかることを前提として補給を組み立てることもあります。
ジェルを何kmで摂るかだけを決めるのではなく、その日のレースプランまで含めて補給を考えておく。
これも、私がマラソンの補給で大切にしていることの一つです。
マラソン本番で使うジェルは練習で試しておく
マラソン本番で使用するジェルは、事前にトレーニングで試しておくことをおすすめします。
ジェルは商品によって味や甘さ、粘度、のど越しなどが大きく異なります。

普段の生活で飲んだときには問題なくても、20km、30kmと走った後では印象が変わることもあります。
特に確認しておきたいのが、レース後半でも無理なく摂れるかどうかです。
マラソン後半は身体の疲労だけでなく、胃腸にも余裕がなくなってきます。前半ではおいしいと感じていたジェルでも、後半になると甘さや粘度が気になり、飲みにくくなることがあります。
そのため、ジェルを試すのであれば短いジョギングだけではなく、30km走などのロング走で実際に使ってみると、本番に近い状態で確認できます。
また、ジェルそのものだけでなく、予定している補給方法まで一緒に試しておくことが重要です。
例えば本番で一定の時間間隔で補給するのであれば、ロング走でも同じ間隔で摂ってみます。複数の種類を使い分けるのであれば、本番と同じ順番で使用してみるのもいいと思います。
水と一緒に摂るジェルであれば給水との組み合わせを確認し、水なしで摂る予定であれば実際にその状態でも問題なく摂れるか確認しておきます。
さらに、携帯方法も試しておきたいポイントです。

ジェルをランニングパンツのポケットに入れるのか、ウエストポーチを使うのかによっても走りやすさは変わります。複数本を持った状態で揺れたり、取り出しにくかったりしないかも、本番前に確認しておくと安心です。
マラソンの補給は、どのジェルを選ぶかだけで完成するものではありません。
何本持つのか、どのタイミングで摂るのか、どの順番で使うのか、どのように持ち運ぶのかまで含めて一つの補給プランになります。
本番と同じ方法をトレーニングで試し、自分に合った補給パターンを事前に作っておくことが重要です。
まとめ|マラソン用ジェルは自分に合った補給方法まで考えて選ぼう
今回は、マラソンで使用するエネルギージェルについて、選び方や必要な個数、補給するタイミング、実際のレースでの使い方まで紹介しました。
マラソン用のジェルを選ぶときは、単純にカロリーの高さだけで判断するのではなく、配合されている成分や味、食感、携帯性なども確認しておくことが重要です。
特にマラソンでは、レース後半の苦しい状態でも補給しなければなりません。そのため、成分だけでなく、自分が最後まで無理なく摂り続けられるかという視点も大切になります。
また、ジェルを選んだら、何本持つのか、どのタイミングで摂るのかまで事前に決めておきましょう。
私自身は距離ではなく時間を基準として一定の間隔で補給していますが、適した補給方法は目標タイムや胃腸の強さ、使用するジェルによっても変わります。
だからこそ、本番で初めて試すのではなく、30km走などのロング走で実際に使用しておくことをおすすめします。
ジェルもシューズやウェアと同じように、マラソンを走るために準備しておくものの一つです。
どのジェルを使うのかだけではなく、いつ摂るのか、何本持つのかまで含めて、自分なりの補給パターンをレース前に作っておきましょう。
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