ランニングやトレイルランニング、トライアスロンなど、様々な長距離競技でフィニッシュラインまでの最高のパフォーマンスを得るために必要なのがGPSウォッチです。
そこで本記事では、使用用途に分けておススメのGPSウォッチを厳選して紹介したいと思います。
結論から言いますと、
- ロードランニングではGARIMN
- トレイルランニングではSUUNTO
- 心拍を正確に測りたいならばPORAL
がおススメです。
目次
トレイルランニング用のGPSウォッチはどんなものを選べばいい?
様々な機能のあるGPSウォッチですが、トレイルランニングに使用する場合は以下の機能があると良いでしょう。
・精度の高いGPS機能
・高度計
・音楽再生機能
・心拍計
・Bluetooth接続機能
・STRAVAとの連携
以下で解説して行きます。
GPS機能は必須
トレイルランニングや登山は道迷いが致命的なスポーツと言えます。レースであればミスコースはタイムロスになりますし、登山での道迷いは命を落とすことにも繋がります。
しかしGPSがあれば使いこなすことで自分の現在地を知ることができますので、道に迷うリスクは低くなりますし、トレイルランニングではミスコースによる大幅なタイムロスを防げます。ミスコース常習者の私にとってはもうGPSは欠かせないアイテムなのです。
またGPS機能があることで自分の1㎞当たりのペースや、スタートしてからの走行距離を把握することもできます。
レースや登山での戦略を練る上で、距離や時間は補給のタイミングを決めるに当たって重要な情報ですので、必ず正確な距離を記録できるGPSウォッチを購入するようにしましょう。
具体的には位置情報を1秒おきに取得できるGPSウォッチがいいでしょう。このくらいの頻度で位置情報を拾うのであれば、ウォッチ活用中でも「パフォーマンスモード」であることが多く、つまりは最もバッテリーを消費するモードです。
重要なのはパフォーマンスモードでどれだけバッテリーを消費するのかを見ておくことです。理由はパフォーマンスモードで起動させた場合数時間しか持たないGPSウォッチであればレースや登山で使用することは難しいからです。
また正確なGPS情報があることで、自分のログをGoogleearthに表示させることも出来ますし、Reliveなどのアプリでショートムービーを作成することも可能です。
以下の写真は御嶽スカイレースという御嶽山の麓から御嶽産のおはち巡りをして降りてくるというレースですが、このようにかなりきれいに軌跡を見ることができます。

今は噴火によりなくなってしまったレースですが、相馬選手とおはち巡りで競ることができた思い出深いレースです。
レースや登山のスケジューリングをするなら高度計も必要
高度計はトレイルランニングやシリアスな登山には必須と言えるツールです。特にトレイルランニングでは高度計があることで、累積標高を把握することが出来ます。
トレイルランニングや登山では、この先の登りがどれだけ続くのかを把握することは戦略上非常に大事になります。

登りが5㎞近く続くのであれば一度補給をする必要もありますし、登りがすぐに終わることが分かっているのであれば補給せずにそのまま登り切る選択肢も出てきます。
そういった際に高度計は非常に重宝します。
またトレイルランニングでは高度計と合わせて高低図を準備しておくと戦略を練りやすいでしょう。
音楽再生機能
トレイルランニングやファストパッキングなどの登山は長時間の行動が伴います。そんな時に強い味方になるのが音楽再生機能です。これまではiPod等で音楽を聴きながら走る人が多かったと思いますが、現在はウォッチからBluetooth連携でワイヤレスイヤホンに音を飛ばせるので、コードのわずらわしさからは解放されます。
但し、山で音を完全に塞ぐことはそれなりのリスクもあるので、注意しながら使用する必要はあります。
ロングのトレイルランニングレースに出場するならば心拍計も必要
ショートのトレイルランニングレースであれば心拍計は必要ないかもしれませんが、ロングのレースであれば心拍計で自分にかかっている負荷を確認することは重要になります。
心拍数が把握できればこれまでに自分が消費してきたカロリーを計算することが出来ますし、心拍のゾーンにより自分が糖質メインかそれとも脂質メインでエネルギーを使用しているのかを把握することができます。
また明らかに無理のあるペースでは走り切れないのがウルトラトレイルなので、自己管理の意味でも心拍計を随所で確認することは重要です。
光学式心拍計のレビュー記事は以下記事を参照してみてください。
Bluetooth接続機能があると便利
GPSウォッチにも様々な機能がありますが、どのウォッチもデータをPCもしくはスマートフォンに送信する機会はあるかと思います。そんな時にBluetooth連携機能があると情報を楽に飛ばすことができます。

私はSUUNTO9を愛用していますが、地図の情報をGPSウォッチに飛ばす際はMOVESCOUNTというアプリを使用して地図情報を飛ばしています。また、毎日の練習データをSTRAVAに飛ばすことが出来るのもおすすめです。
また、GPSウォッチの設定をすればわざわざアプリを開かずとも練習直後にデータを飛ばすことが出来ますので、うっかりアプリに練習データを入れ忘れることもなくなります。
STRAVA連携機能もおすすめ!
効率よくトレーニングするのであればSTRAVAの様なワークアウト専用のソーシャルネットワークもおすすめです。STRAVAをオススメする理由はユーザーが多いということと、トップ選手のトレーニングも公開されているものは垣間見ることが出来るということです。走行距離や獲得標高、心拍数などの情報も入ってくるので、どの様な練習をどの程度の余裕度で実施したのかを知ることが出来ます。
オススメのGPSウォッチ 「GARMIN(ガーミン)」

1秒を削り込むシリアスなロードランナーにオススメな「GARMIN」
GARMIN(ガーミン)と言えば優れた「精度の高いGPS機能」というイメージで
「サテライトの侍」
と恐れられているイメージがありますが、そのイメージ通りランニングGPSウォッチ市場ではNo.1を誇ります。
本社はアメリカのカンザス州にあり、ナビゲーションや通信機器に強い企業で、最近はサイクルコンピューターもGARMIN製のものをよく見かけます。
GARMINのGPSウォッチは非常に計量であり、機能も申し分ないので私自身マラソンやトライアスロンでよく使用していました。
特にロードでの記録にチャレンジするフルマラソンに関しては、軽さと操作性は非常に重要な要素となるので、GARMINはとってもおススメです。
また、新製品も頻繁に出る印象があります。
GARMINは「GARMIN Connect」という無料のインターネットコミュニィサイトでデータの管理やトレーニングの振り返りが出来るようになっており、練習の分析も非常にしやすいです。
特にここ最近の開発されたGARMINの分析で他社にない分析項目として、ランニングフォームに関するデータや、乳酸閾値の予測機能まで出してくれるということです。
これは最大心拍から計算すればわかることではあるのですが、分析内容をここまで表示してくれるのであれば解析もより楽でいいですよね。
GARMINのオススメGPSウォッチ
GARMINのオススメGPSウォッチは
・Enduro
・FENIX6
・ForeAthlete945
・ForeAthlete745
の4機種です。
Enduro
シリアスなトレイルランナー、ファストパッカーにオススメのGPSウォッチです。無駄な機能は一切省き、レースやワークアウト時のパフォーマンス測定からレース中の戦略構築に重宝する「Climb PRO」機能も進化しました。
詳細は以下記事で解説しております。
FENIX6
GARMINのGPSウォッチで、トレイルランニングだけでなく様々なスポーツに対応したものや、日々のコンデぃション管理までしたいのであれば「FENIX6」シリーズはかなりおすすめです。
FENIX6シリーズを推奨する理由は以下の通りです。
・正確なGPS機能
・バッテリー容量が大きく、バッテリー管理機能が優れている
・気圧式高度計
・「Expedition モード」により途中でログを残すことが出来る
・音楽再生機能
・電子マネー機能
・「PacePro」によりレース中のペース管理が明確になる
以下で解説していきます。
Fore Athlete945などの上位機種と同じく、高いGPSが特徴です。レースでのペース管理に役立ちます。自身が設定したタイムをウォッチに入れ込んでおくと、その設定タイムと比較して現在のペースがどの程度なのかを比較することができます。
レース中は細かいことを考えることは出来ないので、こうした機能があると非常に楽です。
バッテリー容量が大きく、GPS感度を最大にした状態でも長時間使用することができます。「バッテリー節約ウォッチモード」によりワークアウトで使用していない時にバッテリーを節約するモードも備わっていますので、レース直前までバッテリー消費を抑えたい場合には適した機能でしょう。
また、「パワーマネージャー」機能も魅力的な機能で、SUUNTO9にも備わっているもので、例えばパフォーマンスモードのようにGPS感度を最大にして使用していた時にバッテリーが少なくなったとした場合でも、「バッテリーモードを変更しますか?」と提案してくれるのです。
うっかり電池を使い果たす心配もないのでかなり重宝する機能だと言えます。
また、トレイルランニングにおいて重要な気圧式高度計も内蔵されているので、リアルタイムでの獲得標高を把握でき、補給のタイミングなどレースの戦略が練りやすくなるのも特徴です。
これらのワークアウトやレース分析に必要な機能に加えて、長時間のトレーニングに必要な音楽再生機能や、街で便利な電子マネー機能も内蔵されており、使い勝手の良いハイスペックGPSウォッチがこのFENIX6シリーズなのです。
Forathlte 945
2019年6月に発売されたGPSウォッチです。主な機能としては
・正確なGPS精度
・十分なバッテリー寿命
・気圧式高度計を内蔵
・地図表示機能
・音楽再生機能
・光学式心拍計
・電子マネー機能
があります。
トレイルランニングに必要な要素を満たしている上、地図表示の機能もあります。地図を落とし込めばナビゲートも可能ですので、行ったことのない山でもいくことが出来ます。
SUUNTO9と同等のナビゲート機能があるのがこのForeAthlete945です。
最もGPS精度(1秒取得)が高いモードでも最大32時間の連続稼働が可能であり、ランナーやトライアスリートはもちろん、ウルトラトレイルレースに参加するランナーにオススメのランニングウォッチです。
ランニング中の細かな情報(接地時間や上下動、左右のバランスなど)を計測するランニングダイナミクス機能等のパフォーマンス分析に関する機能がアップデートされています。
ForeAthlete745
ForeAthlete745は以下の特徴があります。
・正確なGPS精度
・十分なバッテリー寿命
・気圧式高度計を内蔵
・音楽再生機能
・光学式心拍計
・電子マネー機能
ForeAthlete745は945から地図機能を除いたモデルになります。
トレイルランニングで日頃の練習からガッツリ使用するのであれば地図機能のある945がオススメですが、トレイルランニングの実戦には十分使えます。
オススメのGPSウォッチ 「SUUNTO(スント)」

トレイルでの強い味方!フィンランドの老舗ブランド「SUUNTO」
GPSのパフォーマンスに関してはGARMINに引けを取らず、「コンパスの申し子」として恐れられているのがSUUNTOです。
元々コンパスのメーカーからスタートしたSUUNTOは山でのナビ機能については群を抜いています。
実はワタクシ、、奥秩父でプチ遭難したことがありまして、
その時にルートナビを起動させ、ウォッチに予め入れておいたコースデータを元に正規ルートを探し出して無事リカバーしたというほろ苦い記憶があります。
SUUNTOの時計がなければ今頃
「奥秩父の屍」
と化していたことは間違いないでしょう笑
フィンランドにある精密機器メーカーであり、マラソンやランニングだけでなくトレイルラン、登山、トライアスロンに至るまで様々なスポーツ愛好家が使用しています。
AMBITシリーズからスタートしたSUNNTOのウォッチで、ロードランニングでももちろん使えるのですが、元々コンパスのメーカーなので
- 山でのルート開拓
- 高低差分析
等で力を発揮している印象があります。
私は山に特化したランナーなので断然SUUNTO派で、「AMBIT3Vertical」と「SUUNTO9」を愛用してきました。
気圧式の高度計が内蔵されていrことから若干の重量感はあるのですが、装着していて重さを感じたことはなく、フルマラソンやペース走も私はこれを使用しています。
特にSUNNTOの機能で重宝しているのがルートナビです。
※ルートナビについては以下の記事をご参照ください
GARMINはパフォーマンス分析にGARIMN Connectを使用しますが、SUUNTOはMovescountというアプリを使用して分析します。
Movescountではムービー機能もあり、Reliveの様な動画を毎回作成することが可能で結構楽しいです。
デザインもスタイリッシュなので、普段使いにもお勧めです。
SUUNTOのオススメGPSウオッチ
SUUNTOのオススメGPSウォッチは
・AMBIT3VERTICAL
・SUUNTO9
の2機種です。以下で解説して行きます。
AMBIT 3 VERTICAL
名前の通り、Vertical系のスポーツに特化したウォッチで、私が最初に購入したSUUNTOのウォッチがこれでした。
GPSの精度はSUUNTO9や7と同じく「みちびき」対応でかなり正確です。
SUUNTOの得意分野であるナビ機能(ルートナビ機能)も付いており、予めデータをウォッチに入れておけば、知らない山でもガンガン走れます。


↑AMBIT3Verticalでのナビゲート機能の様子
ルートも、予定しているコースの高低図も詳細に表示してくれます。
SUUNTO9
SUUNTO9Baroには以下の特徴があります。
・正確なGPS精度
・十分なバッテリー寿命
・気圧式高度計を内蔵
・地図表示機能
・ナビゲート機能
・光学式心拍計

スパルタンウルトラの後継機種となるモデルです。
最もGPS精度(取得頻度1秒毎)で最大25時間、ウルトラモード(GPS取得頻度120秒毎)で最大120時間のバッテリーライフ!
ランニング中にバッテリーモードを変更できるすんごいハイカラな機能もあります。
SUUNTO9の機能で更にすごいのが、
「FUSED TRACK」機能です。
これはランナーの腕の動きからGPSの誤差を修正してくれる機能で、GPS取得感覚が長いウルトラモードでもカーブが多く続く場面などが継続してリグの取得が困難な場所であっても、正確な測定を可能にしてくれます。
また画像制度も高い上に、光学心拍計も内蔵されているので、練習直後の内容分析がよりしやすくなりました。(時にAMBITから使っているのでここは強く感じます)
SUUNTO9の前はAMBIT3Verticalを使用していましたが、AMBITにもルートナビ機能は搭載されており非常に良かったのですが、SUUNTO9にしてほしい機能が一気に組み込まれたという印象です。
AMBITでネックとなっていたのは
- バッテリーがもたない
- 心拍計を胸につけないといけない
だったのですが、この2つの心配がなくなったのはかなり大きいです。

50㎞を超えるトレイルランにチャレンジしようと考えている方にはかなりオススメできます!
SUUNTO9のレビュー記事は以下になります。
オススメ競技:フルマラソン、トレイルラン
現在はSUUNTO9のさらに上をいく
SUUNTO7
も発売しているので、是非チェックしてみてください。
オススメのGPSウォッチ 「PORAL(ポラール)」
GPSウォッチと言えばどうしてもGARMINやSUUNTOにフォーカスされがちですが、ポラールもかなりオススメできます。
ポラールはSUUNTOと同じく、フィンランドのブランドです。SUUNTOはコンパスのメーカーであるのに対して、ポラールは心拍計から成長したメーカーです。GPSウォッチはGARMINかSUUNTOが人気のイメージがありますが、心拍計においては私はPOLARが最も技術が高いメーカーだと感じています。
サイクリストの友人も「心拍でしっかり負荷を分析するならPOLARだ」と言っていました。
特に心拍計です!
以下で解説して行きます。
POLARのオススメGPSウォッチ
GRIT X
ポラールが開発したモデルで登山やトレイルランニングなどの長時間のアウトドアスポーツにオススメなのがこのモデルです。
そんなPOLARの「polarprecisionprimeセンサー」は他社の光学式心拍計とは一線を画しています。
このセンサーはグリーン、レッド、オレンジを加えたLEDを10個使用することで、血管の状態をより正確に把握できることが出来ようになっており、皮膚への接触状況を把握する電極センサーや、手の動きにより発生する誤差(モーション・アーチファクト)の補正を行う3D加速度センサーも搭載されています。
これらにより、心拍数計測の精度を高めることに成功しているのです。
この新しい「Polar Precision Primeセンサー」により、正確な心拍データが計測できるわけです。
使用する機能にもよりますが、心拍計からGSP記録間隔を最大に設定した場合は40時間と長いのが特徴です。※ウルトラモードの場合は100時間
これだけのバッテリー寿命があるのであれば、ファストパッキングで1泊2日の行程の使用も視野に入ってきます。
ナビゲート機能も内蔵されており、トレイルランや登山で必須の補給をリマインドしてくれる機能もあるのがこのウォッチの大きなポイント!
「Fuelwise栄養補給リマインダー」により、トレーニング中に必要な総水分量を事前に知ることが出来るのもこのモデルのすごいところです。
2023年現在オススメな最新のGPSウォッチ
また、2023年にオススメなGPSウォッチは以下記事で解説しております。
最近はマップがカラーになったり、GNSSマルチバンドによるGPS精度向上など技術の進歩が目覚ましいです。
用途別に解説しておりますので参考にしてみてください。
まとめ
今回はトレイルランニングにおすすめのGPSウォッチについて紹介しました。
GPSウォッチはトレーニング後の分析にもかなり使えます。機種によって機能は様々ですが、購入するのであれば思い切って上位機種を購入してしまった方が断然コスパが良いですし、山でのリスク回避にもなります。
最初はどんなウォッチを選べばいいのかわからないと思いますが、本記事がウォッチ選択の手助けになれば幸いです。
またGPSウォッチの活用方法についての記事もありますので参考にして頂けると光栄です。
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