トレイルランニングの効率的な夏場の練習方法について解説!【暑熱下でのパフォーマンス変化】

長い梅雨が明けて、いよいよ夏本番になってきました!

レースがまだ開催されないですが、今回は夏場の練習方法について解説します。

走るのも嫌になる様な暑さですが、皆さんはどのようにトレーニングされていますでしょうか?

「こんな熱い中だけど頑張って山に行く」と言う方もいるかと思いますが、暑さから思ったように距離を稼げなくて困惑しているのではないでしょうか?

秋口にレースを予定されている人であれば今からでもトレーニングは積んでおきたいところ。

そこで、夏場でもトレイルランに効率的なトレーニング方法はないか模索されている方向けに本記事を作成してみました。



トレイルランニングの効率的な夏場の練習方法について解説!

結論から言いますと、夏の練習は

できるだけ涼しい環境で心拍にも骨格筋にも負荷がかかる練習をするのが効果的

ということです。

運動パフォーマンスが、暑熱下で低下する事は疑う余地はありませんが、パフォーマンスに対する熱の影響は競技種目によって実は差があります。

例えばランニングと自転車競技ではこれは全く異なります。

マラソンのタイムは、外気温が12.8℃を超えるとその後5.5℃上がるごとに1.6~3.0%パフォーマンスが低下することが研究により示されています。

そしてこの影響は速いランナーほど小さくなるのです。

オリンピックでケニア人が冬場に出した自身の持ちタイムとそう変わらない結果で走り切ってしまうのもここにあるのでしょう。

必ずしも暑い中外を走る必要はない

ただ、暑い中走るレースに参加する人以外、あまりこのトレーニングは必要ないと思います。

実際にトレイルランニングの専門書や運動生理学の本にも同じようなことが書かれています。

とはいえ、私もかつて熱い中でも走っていた時期もありました。

8月の30㎞走をよく皇居で行っていましたが、いつも終わるころには熱中症になっていました(終わってからかなり頭痛もしていたので)。

その時の設定は4分ペースでしたが、後半はそのペースで走り切るのがやっとか、少しラップを落とす感じで今一つ追い込めない様な感覚でした。

当時はトライアスロンをメインで競技生活を送っていたので、「レースは暑い中行われるのだから、外で練習しないとダメだろう」という思い込みから、しばらくは暑い中走っていました。

しかしその後に徐々に屋内での練習に切り替えて、色々と練習データをノートにまとめたり、専門書を読んでいるうちに、涼しい環境で練習する方が効果があるということが分かったのです。

暑い中外を走るメリット

暑い中走るとある程度身体で暑熱馴化が起きると言われています。

その暑熱順化には様々なメカニズムが指摘されていますが、最も広く受け入れられているのが

血流の制限を原因とする説です。

われわれは運動すると、大量の熱を生産します。

過剰になった熱を逃がす主な方法のうちの1つが汗をかくことであり、体は発汗するためにかなりの量の血液を肌へと送らなければなりません。

したがってこの分の血液が骨格筋に配分されなくなるということです。

6分/㎞ペースのジョギングでも、身体を冷やさなくてはならないので、冬場に同じペースで走るよりも心拍は早くなります。

この練習をうまく入れられれば暑い中でも動き続ける身体を近づけることは出来るはずです。

ポイントは疲労を貯め込まずに練習を終了させることでしょう。

汗をかくので、水分と一緒にミネラルやビタミンが失われるのでそれを補給する必要があります。

冷却に必要な要素が血漿であるならば、血漿量を増やすことでこの問題を解決することができないのか?と言う疑問が浮かぶと思いますが、全くもってその通りです。

血漿量が増加するとこの能力を獲得することができますが、暑さに慣れてくると血漿の増加はなんと2リットルにも及ぶことがあります。

暑い中走ることで得られるメリットはここにあるでしょう。



暑い中外を走るデメリット

冬場のマラソンやレースでの競技力向上に繋がるような練習にはつながりません。理由は心拍は上がっても暑さで骨格筋が動かなので、質の高い練習にはならないからです。

結果的にダラダラとしたジョギングになり、あまり意味がないだけではなく、危険でもあります。

暑熱下でのトレーニングで怖いのが、深部体温が上昇して中枢神経系に異常をきたすことです。

これにより脳が運動をやめなさいという信号を出した場合、疲労が長期間に渡って残ってしまうのです。

トレーニング効率としてもよくありません。

また上記で述べた暑熱下でのトレーニングは、目標とするレースの直前に行わないと効果がない(血漿量が増えない)ということです。

【結論】身体が動く環境でしっかり練習する方が効果的

以上のことから、夏場は涼しい環境でしっかり心拍にも骨格筋にも負荷のかかる練習がオススメです。

走るのであれば夜間涼しい時間や、早朝の時間にすることがオススメです。

大学の駅伝部が夏場に長野県の菅平などでトラック練習をするのは、高地トレーニングの効果を狙うだけではなく、涼しい環境でも質を意識してしっかり走った方が効果的だからです。

でも先ほどの主張であれば、暑熱下で走らないと血漿が増えないんじゃないか?と言われそうですが、実際は

高強度でのトレーニングでも同じ効果を得ることが出来ます。

どうしても暑い中でのランニングが苦手な人は涼しい環境でしっかり追い込む練習をするのも有益だっていうのはこの理論が根拠になっています。

夏場オススメのトレイルラントレーニング

夏場は屋内と屋外の両方で練習するパターンがありますが、個人的にはジムをフル活用すべきだと思います。

また、涼しい環境であれば山でのトレーニングもオススメです。

具体的にはナイトトレイルを行ったり、日本アルプスなどの標高の高い山での練習と言ったところです。

以下で解説していきます。

ナイトトレイル

初心者の方には少しハードルが高いかと思いますが、ナイトトレイルであれば夏場でも質の高いトレーニングが行えます。

夜の山は、昼の山とは雰囲気が全く違いますので、詳細なアドバイスは以下の記事を参考にしてみてください。

ナイトトレイルランの準備と注意点について

ジムを使ったトレーニング

ジムは暑さが関係ありません。

外気を気にせずにトレーニングできるので、ランニングの動きであればトレッドミルを使って心拍にも骨格筋にも負荷をかけられるからです。

また、クロストレーニングの様にランニング以外の有酸素トレーニングを実施することも効果的です。

エアロバイク

トレイルランの登りのトレーニングに効果大です。

専門書でもエアロバイクやロードバイクでのトレーニングは推奨されており、STRAVAを見るとトレイルランのトップ選手も活用しています。

米国はコロラド州出身のDylan Bowman選手やRory Bosio選手もバイクを使ったトレーニングを取り入れています。

最初は量を意識して、エアロバイクに慣れてきたら徐々に質を意識したトレーニングを心がけてみましょう。



水泳

水泳がトレイルランにいったい何の効果があるのかと思われがちですが、全身の筋力バランスが良くなります。

また、上半身前後の筋肉がかなり発達し、腕をしっかり振って走ることが出来るようになるので、ベースのスピードアップにかなりつながります。

水泳を頑張った日に合わせて夜にランニングを入れることがありますが、腕がパンパンでなかなか腕振りできなくなるぐらいの状態になるので、かなり水泳はランニングの腕振りにも効果があることが分かります。

実際に私もトレイルランで良い成績だったころはトライアスロン競技も取り組んでいたので、クロストレーニングの成果は十分あったと思われます。

最近また水泳やエアロバイクを始めたので、また再開しようかなと考えています。

トレッドミルでの傾斜走

登りの練習であれば何といってもこの練習でしょう。

実際に山を走るよりも登りに対する力は上がります。レースで結果を出した時もこの練習でしたので、間違いないです。

トレイルの登りは登りの中にも細かな平地やちょっとした下り区間があると思いますが、トレッドミルにはそれがありません。

つまり休憩せずに登りに特化した練習ができるのです。

ただ、やはりトレイルで培われる動体視力はトレイルでしかつかないので、時間を見つけて涼しい時間帯に山に行くなり、緑地公園などの不整地に行くなり工夫をしてみましょう。

以下記事はトレッドミルで練習した時の記事です。↓

トレッドミルでの傾斜練習はトレイルランに有効なのか??

トレッドミルでのペース走

セットで行いたいのがLT値の向上です。

タイムを狙ったり、上位を狙うのであれば、傾斜走やトレイル練習だけではなく、必ずこの練習もセットで入れましょう。

先ほど述べた暑熱下の運動能力向上(血漿増加)にも効果があります。

【まとめ】トレッドミルでのペース走を定期的に入れた時の変化についてまとめてみました!

標高の高い山でのファストパッキング

あとは荷物を背負ってファストパッキングに出かけるのもよいでしょう。

かなりの累積標高を稼げますし、トレーニング効果だけでなく絶景も楽しめます。

山小屋の利用まで考えるのであれば夏場しか行けないので、今がチャンスです。

山をガッツリ楽しみたい方にオススメな「ファストパッキング」

感染症騒動で山小屋はやっていないのかなと思いきや、結構やっていますので、確認してから出かけてみましょう。

まとめ

以上夏場のトレーニングについてまとめてみました。

いつものランニング以外の動きも紹介しましたので、まずは徐々に慣らしてからトレーニングして行きましょう!

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