トレイルランニングを始めたいと思っても、
「初心者はどんな練習をすればいい?」
「いきなり山を走った方がいい?」
「ロードランニングでもトレイルの練習になる?」
と疑問に感じる人も多いと思います。
トレイルランニングでは登りや下り、不整地を走るため、ロードランニングとは身体の使い方が異なります。
しかし、初心者だからといって最初から毎週のように山を走る必要はありません。
私自身、トレイルランニングを始めた頃はフルマラソンを3時間30分程度で走っていましたが、
最初に山を走ったときにはロードとの違いを大きく感じました。
現在ではトレイルランニングの大会でトップ10に入ることもありますが、その経験からも、初心者のうちはロードランニングで基礎的な走力をつけながら、少しずつ山を走る時間を増やしていくことが大切だと考えています。
この記事では、ランニング経験がほとんどない人からロードを5km程度走れる人まで、現在の走力に合わせたトレイルランニングの練習方法を解説します。
さらに、
・初心者は週何回練習すればいいのか
・最初は何km程度のトレイルを走ればいいのか
・ロードランニングをどう取り入れるのか
・初心者でも走りやすい練習コースの選び方
についても、実際の経験をもとに紹介します。
これからトレイルランニングを始めたい人は、現在の走力に合ったところから少しずつ取り入れてみてください。
| 著者:千坂 充宏(SAMURAIGEL開発者) マラソンと並行してトレイルランニングに取り組み、ショートからロングレースまで幅広く出場しています。 主なレース実績 ・比叡山インターナショナルトレイルラン 50mile 6位 ・富士登山競走 山頂コース 3時間21分 ・各務原アルプストレイルランニングレース 優勝 ・別府大分毎日マラソン 2時間46分48秒 YouTube|マウンテンランニング研究所 |
トレイルランニング初心者は何から練習すればいい?
トレイルランニングを始めたいと思っても、「まずは山をたくさん走った方がいいのか」「ロードランニングでも練習になるのか」と迷う人も多いと思います。
結論からいうと、トレイルランニング初心者だからといって、最初から頻繁に山を走る必要はありません。
トレイルランニングでは登りや下り、不整地などを走るため、ロードランニングとは身体の使い方が異なります。そのため、実際にトレイルを走って山特有の動きに慣れることは必要です。
一方で、長時間動き続けるための持久力や心肺機能など、トレイルランニングの土台となる基礎的な走力はロードランニングでも十分に養成できます。
私自身、トレイルランニングを始めた頃にはすでにフルマラソンを走っており、3時間30分前後で完走できる程度の走力がありました。
それでも初めてトレイルを走ったときには、登りや下り、不整地での足運びなど、
ロードランニングとは身体の使い方が大きく異なると感じました。
だからといって、トレイルランニングのために毎週のように山へ行く必要があるとは考えていません。

初心者のうちは、普段はロードランニングで基礎的な走力をつけ、月に1回程度トレイルを走って山特有の動きに慣れていく方法でも十分です。
ロードを5km程度走れるようになれば、短い距離のトレイルランニングにも挑戦できます。
最初から長い距離や累積標高の大きなコースを選ぶのではなく、現在の走力に合わせて少しずつトレイルを取り入れていくことが大切です。
次からは、現在どのくらい走れるかを基準に、トレイルランニング初心者におすすめの練習方法を走力別に解説します。
トレイルランニング初心者の練習方法【走力別】
トレイルランニングを始めるときに必要な練習は、現在の走力によって異なります。
普段ほとんど運動をしていない人と、すでにロードで5km、10kmと走れる人では、トレイルランニングを始めるまでの準備や、実際に山で走れる距離も変わります。
ただし、トレイルランニングだからといって、最初から山の中をすべて走る必要はありません。
ランニング経験がほとんどない人であれば山を歩くことから始めてもよく、ある程度ロードを走れる人なら、登りでは歩きながらトレイルを楽しむこともできます。
ここでは現在の走力を目安に、初心者におすすめの練習方法を段階別に解説します。
ランニング経験がほとんどない人
これまでランニングをほとんどしていない場合でも、トレイルランニングに興味があれば、まずは山を歩くことから始めても問題ありません。
トレイルランニングというと「山の中をずっと走らなければならない」と思うかもしれませんが、最初から走り続ける必要はありません。
歩くだけでもけっこうな運動になりますし、ここで「山を歩くのは楽しい!」と思えることが継続のコツです。
まずはアップダウンの少ない歩きやすいコースを選び、30~60分程度、山の中を歩いてみることから始めてみましょう。

ウォーキングであれば運動強度を抑えやすいため、ランニング経験がほとんどない人でも取り組みやすくなります。
実際に山へ入ってみることで、土や石などの不整地を進む感覚や、登り・下りでの身体の使い方など、ロードとは違った感覚を少しずつ経験できます。
それと並行して取り入れたいのが、普段のロードでのジョギングです。
最初は30分程度から始め、疲れたら途中で歩いても構いません。速く走ることよりも、まずは継続して身体を動かす習慣をつけることを優先しましょう。
一つの目安として、ロードで5km程度を無理なく走れるようになることを目標にしてみてください。
5km程度走れる基礎体力がついてくれば、山でも歩くだけではなく、平坦な場所や緩やかな下りなど、走りやすい区間を少しずつ走れるようになります。
最初は「山を走る」ことにこだわらず、山を歩くこととロードで走ることを組み合わせながら基礎体力をつけていくのがおすすめです。
ロードを5km程度走れる人
既にランニングの習慣があり、ロードを5km程度走れるのであれば、トレイルランニングを楽しむための基礎的な体力はついてきています。
この段階では、普段のロードランニングを継続しながら、実際にトレイルランニングも取り入れてみましょう。
特におすすめしたいのは、ロードランニングの頻度を少しずつ増やしていくことです。
トレイルランニングを始めると「山へ行く回数を増やした方が上達する」と考えがちですが、初心者の段階ではロードランニングでも基礎的な持久力を十分に高めることができます。

ロードは山と比べて路面や勾配が安定しているため、身体への負荷を調整しやすく、継続して走る習慣を作るのにも向いています。
そしてロードで5km程度走れる体力があり、それを継続することで体力が徐々についてきます。
トレイルでは途中に歩きを交えることで、10km程度であれば動き続けるための基礎体力は十分にあると考えています。
なのである程度ロードランニングの習慣が付いていたら、最初のトレイルでは10km程度を一つの目安にしてみましょう。
ただし、トレイルランニングは同じ10kmでもコースによって負荷が大きく異なります。
そこで確認したいのが累積標高です。
ロードを5km程度走れる人であれば、10km前後・累積標高500~800m程度までを最初の目安として考えています。
私の場合神戸に住んでいたので、ちょうど六甲山の麓から山頂に行くまでが10㎞で累積標高が約1000mでした。
累積標高としては少し多めですが、私が六甲山を上る住吉の登山道は非常に走りやすかったのでそこまできついとは感じませんでした。
ただし、同じ累積標高でも傾斜や路面によって難易度は大きく変わるため、できるだけ走りやすいコースを選びましょう。
いきなり急な登りが続くコースや累積標高の大きなコースを選んでしまうと、想像以上に負荷が高くなります。
最初は比較的走りやすいコースを選び、登りは歩く、平坦な場所や走りやすい下りはゆっくり走る
というように、走ることと歩くことを組み合わせてみてください。
この段階では速く走る必要はありませんので、まずは10km程度のトレイルを無理なく動き続け、山の中を走ることに慣れることを目標にしましょう。
初めてトレイルランニング大会を目指す人
10km程度のトレイルを走ったり歩いたりしながら動けるようになってきたら、トレイルランニング大会への出場も視野に入れてみましょう。
初めての大会であれば、まずは10km前後のショートレースがおすすめです。
ロードランニングを継続していて、10km程度のトレイルを問題なく動けるのであれば、コースによっては20km程度の大会から挑戦することもできます。

大会を目指す段階になっても、毎週のように山を走る必要はありません。
普段はロードランニングで基礎的な走力を高めながら、月に1回程度トレイルを走る方法でも十分だと考えています。
登りや下り、不整地を走ることに不安がある場合には、月2回程度トレイルを取り入れてもよいでしょう。
大会に向けたトレイル練習では、速く走ること以上に
長い時間動き続けることを意識します。
そして、トレイルではすべての区間を走る必要はありません。
特に傾斜のきつい登りでは、無理に走るよりも歩いた方が速く進める場合もあり、体力の消耗も抑えることができます。
私自身、現在ではトレイルランニングの大会でトップ10に入ることもありますが、傾斜のきつい登りでは歩くことがあります。
重要なのは「どれだけ歩かずに走れたか」ではなく、コース全体を通して運動強度をできるだけ一定に保ち、体力を最後まで分散させることです。
登りで頑張りすぎて体力を使ってしまうよりも、きつい登りは歩き、走りやすい場所では走るというように、コースに合わせて負荷を調整した方が結果的に長く動き続けられます。
これはレース本番だけでなく、普段のトレイルランニングでも意識しておきたいポイントです。
また、初めて大会を選ぶときには、距離だけで難易度を判断しないことも重要です。
同じ10kmや20kmでも、走りやすい林道が中心のコースと、急な登りや下りが繰り返されるコースでは負荷が大きく異なります。
大会を選ぶときには、
・距離
・累積標高
・コースの走りやすさ
を確認しておきましょう。
特に初めての大会では、距離が短くても累積標高が極端に大きいコースは避けるのがおすすめです。
まずはタイムや順位を意識するよりも、最後まで無理なく動き続けられるコースを選び、トレイルランニングの大会を楽しむことを目標にしてみてください。
トレイルランニング初心者の1週間の練習メニュー
ここまで走力別の練習方法を紹介しましたが、「実際に1週間でどのように練習すればいいの?」という人もいると思います。
トレイルランニング初心者の場合、まずはロードランニングを中心に週2~3回程度走ることから始めるのがおすすめです。
私もトレイルまでは自宅から距離があるので、頻度としてはそう多く行っていません。
例えば、以下のような練習メニューから始めてみましょう。

ランニング経験がほとんどない場合は、最初から週3回走る必要はありません。
まずは週1~2回から始め、身体が慣れてきたら週2~3回へ増やしていきましょう。
まずはロードランニングの時間を少しずつ伸ばす
週2~3回走ることに慣れてきたら、次は1回に走る時間を少しずつ伸ばしていくことを意識します。
例えば30分程度走れるようになったら、週末のランニングを40分、50分、60分と少しずつ長くしていきます。
このとき、毎日走って練習量を増やそうとする必要はありません。
初心者の場合は特に、走る日と休む日を分けてメリハリをつけることも大切です。
しっかり休養を取り、身体が回復した状態で次の練習を行った方が、1回のランニングで走れる距離や時間を伸ばしやすくなります。
これがトレーニング量を増やすコツです。
長い時間走れるようになることで、心肺機能だけでなく、長時間身体を動かし続けるための筋持久力も少しずつ高まっていきます。
トレイルランニングではロード以上に長時間動き続けることも多いため、まずロードで長く走れる身体を作っておくことが、トレイルランニングの基礎作りにつながります。
次の段階ではトレイルランニングの時間を伸ばす
ロードで60分程度を無理なく走れるようになってきたら、次はトレイルで動く時間も少しずつ伸ばしていきます。
最初は10km程度のトレイルから始め、慣れてきたら距離だけではなく「何時間動き続けられたか」にも注目してみましょう。
例えば、
1時間 → 1時間30分 → 2時間
というように、少しずつトレイルでの行動時間を伸ばしていきます。
トレイルでは登りを歩くこともあるため、すべての時間を走り続ける必要はありません。
走る・歩くを組み合わせながら長時間動き続けること自体が、トレイルランニングの練習になります。
ロードランニングで基礎的な走力と筋持久力をつけ、そこからトレイルで動く時間を伸ばしていく。
この順番で練習量を増やしていけば、身体への負担を抑えながら、より長い距離のトレイルランニングやレースにも対応できる身体を作っていくことができます。
トレイルランニングの練習はロードでもできる
トレイルランニングの練習というと山を走ることをイメージしますが、基礎的な走力はロードランニングでも十分に養成できます。
ロードはトレイルと比べて路面や勾配が安定しているため、運動強度や練習時間を調整しやすく、持久力や筋持久力を高めるのに適しています。
私自身、トレイルランニングを始めた頃にはフルマラソンを3時間30分程度で走れる走力がありました。
実際に山へ入るとロードとは身体の使い方が違うと感じましたが、ロードで身につけた基礎的な走力は大きく役立ちました。
初心者のうちは、ロードで基礎的な走力を高めながら、月1回程度トレイルを走って山特有の動きに慣れるという考え方でよいでしょう。
より走力を高めるためのロード練習や坂道、登り・下りのトレーニングについては、以下の記事で詳しく解説しています。
トレイルランニング初心者の練習コースの選び方
初心者がトレイルランニングの練習をするときには、距離や累積標高だけでなく、途中でトラブルがあったときに練習を切り上げやすいコースを選ぶことも大切です。
ロードランニングであれば、疲れたら歩いたり、近くの駅やコンビニに立ち寄ったりできます。
しかし山の中では、疲れたからといってすぐに練習を終了できるとは限りません。
特にトレイルランニングを始めたばかりの頃は、自分が山の中でどの程度動けるのかも分からないため、最初から山深いコースを選ぶ必要はありません。
初心者であれば、
・途中で下山できるエスケープルートが分かっている
・コンビニや自動販売機など補給できる場所がある
・駅や駐車場などへ戻りやすい
・登山道や分岐が分かりやすい
といったコースがおすすめです。
特に重要なのが、エスケープルートを事前に確認しておくことです。
予定していた距離を走り切ることだけを考えるのではなく、疲労や体調不良、天候の変化などがあったときに「ここから下山できる」という場所をあらかじめ把握しておけば、状況に応じて練習を切り上げることができます。
GPSウォッチやスマートフォンで現在地を確認できるようにする
トレイルランニングでは、分岐を間違えたり、走っているうちに自分がどこにいるのか分からなくなったりすることがあります。
そのため初心者には、現在地を確認できるGPSウォッチやスマートフォンを活用することもおすすめします。
私は普段GarminのForerunner 965を使用していますが、トレイルでは地図上で現在地と自分が通ってきた軌跡を確認できる機能を活用しています。

例えば分岐を間違えた場合でも、自分の軌跡を確認できれば「どこから予定していたルートを外れたのか」を判断しやすくなります。
GPSウォッチを持っていない場合には、スマートフォンでも構いません。
地図上に現在地を表示できる登山・地図アプリを入れておき、山へ入る前に使い方を確認しておくと安心です。
道に迷ったときに重要なのは、闇雲に進み続けるのではなく、まず自分の現在地を把握することです。
現在地と通ってきたルートが分かれば、正しいルートへ戻れるケースも多いため、初心者ほど「現在地を確認できる手段」を用意してから山へ入るようにしましょう。
また、山間部では通信できない場所もあるため、スマートフォンを利用する場合はオフラインでも地図を確認できるよう事前に準備しておくと、より安心です。
トレイルランニングに必要な装備やシューズ、基本的な走り方については、以下の記事で詳しく解説しています。
トレイルランニング初心者の練習でよくある質問
最後に、トレイルランニング初心者の練習についてよくある疑問をまとめます。
初心者は週何回練習すればいい?
ランニング経験が少ない人であれば、まずは週1~2回程度から始めてみましょう。
身体が走ることに慣れてきたら、週2~3回程度まで増やしていきます。
毎日走る必要はありません。
初心者のうちは走る日と休む日にメリハリをつけ、しっかり身体を回復させながら継続することが大切です。
週2~3回走れるようになったら、そのうち1回は少し長めに走るなど、徐々に1回あたりの走行時間を伸ばしていきましょう。
トレイルは毎週走った方がいい?
初心者だからといって、毎週トレイルを走る必要はありません。
トレイルランニングに必要な基礎的な持久力や筋持久力は、普段のロードランニングでも高めることができます。
まずはロードランニングを中心に練習し、月1回程度トレイルを取り入れるところから始めても十分です。
登りや下り、不整地での動きに不安がある場合には、月2回程度トレイルを走って山特有の動きに慣れていくのもよいでしょう。
山へ行く回数を増やすことよりも、普段のランニングを継続して基礎的な走力を高めることを優先してみてください。
初心者は何kmから始めればいい?
ランニング経験がほとんどない人であれば、最初から距離を決めて走る必要はありません。
まずは30~60分程度の山歩きから始め、山の中で動くことに慣れていきましょう。
ロードで5km程度を無理なく走れる人であれば、10km前後のトレイルが最初の目安です。
ただし、トレイルランニングでは同じ10kmでも、累積標高や路面、登り・下りの傾斜によって難易度が大きく変わります。
初めての場合は距離だけで判断せず、累積標高が極端に大きくなく、比較的走りやすいコースを選ぶことをおすすめします。
最初から長い距離を目指すのではなく、10km程度を無理なく動けるようになってから、少しずつ距離や行動時間を伸ばしていきましょう。
まとめ|トレイルランニング初心者はロードで基礎体力をつけながら山に慣れよう
トレイルランニングを始めたいからといって、最初から毎週のように山を走る必要はありません。
初心者のうちは、普段のロードランニングで基礎的な走力をつけながら、少しずつトレイルを取り入れていくのがおすすめです。
ランニング経験がほとんどなければ、まずは30~60分程度のウォーキングやジョギングから始めてみましょう。
ロードで5km程度を無理なく走れるようになれば、10km程度のトレイルにも挑戦できます。
最初は距離だけでなく累積標高やコースの走りやすさも確認し、登りでは無理に走らず、走る・歩くを組み合わせながら最後まで動き続けることを意識してみてください。
練習もいきなり増やすのではなく、
ロードで走る時間を伸ばす
↓
長時間動き続ける体力をつける
↓
トレイルで動く時間を伸ばす
という順番で進めていけば、身体への負担を調整しながらステップアップできます。
また、初めてのコースでは距離や累積標高だけでなく、エスケープルートや補給できる場所を事前に確認し、GPSウォッチやスマートフォンなどで現在地を確認できるようにしておくことも大切です。
トレイルランニングは、すべての登りを走ったり、最初から長い距離を走ったりする必要はありません。
まずは自分の走力に合ったコースから始め、山の中を走る楽しさを感じながら少しずつ走れる距離や時間を伸ばしていきましょう。
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