先日金沢マラソンを走った友人から、「トレーニングをしているのに春先と同じペースでしかマラソンを走れなかった。」という報告がありました。
当の本人はトレーニングをしたにもかかわらず進歩がなかったことに非常に不安を感じた様です。
たしかにその気持ちも分かります。だって進歩がないとトレーニングの意味がないですもんね。どうせトレーニングするならば「維持」よりも「進歩」したいものです。
私の友人の様なこんな壁にぶつかっている方は実際に多いのではないでしょうか?
そこで友人のトレーニング方法で今回の余裕がなかった理由について模索していたところ、ショートインターバルの頻度が少なかったことが要因の1つではないかと思ったので本記事を書くことにしました。
本記事では以下の方を対象にしています。
・ショートインターバルの効果について知りたい
・ショートインターバルにより身体に起きること
・マラソンが速くなりたい
・マラソン30㎞地点から余裕がなくなる
以下で解説していきます。
マラソンで30㎞地点で余裕がなくなる理由
友人のレース展開からヒアリングして行くと、30㎞地点で余裕がなくなってきたそうです。
この投稿をInstagramで見る
本人の感覚序盤は余裕があるつもりでも実際のところ余裕がなかったということだったな。。と回想しています。
1㎞を4分ペースで走っていたとのことですので、そのまま走ればサブエガを狙えるペースです。
春先の彼のマラソンが2時間51分という結果から、今回のレースではサブエガは確実に狙いたいところ。そう考えると今回の1㎞あたり4分ペースというのは無理のないペースのはずですし、彼もそう思って練習してきたはずです。
しかし結果は30㎞辺りで余裕が無くなってきて失速。
他に足が痛いや腹痛が来たなどの要素がなかったとのことなので、これはひとえに余裕がないことが理由だと感じます。
少し頑張らないと4分に達しない感じが序盤からしていたとのことでしたので、間違いないと思います。
つまり今回のマラソンスタート時には、彼は4分ペースでマラソンを押す力量がなかったという事です。
ではどうすれば良かったのでしょうか?具体的な対策を以下で解説して行きます。
マラソンを楽に走るのに必要な2つの要素
ここでマラソンを楽に走るのに必要な2つの要素について解説しておこうと思います。
簡単に分類すると以下の要素です。
・マラソンペースを楽に感じること
・マラソンペースを効率よく走ること
以上の2点について留意してトレーニングを行う必要があります。
以下で解説していきます。
要素①マラソンペースを楽に感じること
まず重要な要素として、いつものマラソンペースを楽に感じることです。
これは簡単に言うと、
例えば2時間48分を目指すのであれば、4分ペースで走った時に楽に感じる必要があります。
この投稿をInstagramで見る
マラソンで楽に感じるってことですから、これは30㎞まで走っても全然周りの選手とコミュニケーション取れちゃうレベル。マラソンで4分ペースが楽というのはこういうことです。
今回の友人のケースだと、4分で走っていたけれども結果的にそのペースで30㎞までは走ったものの、そこできつくなったということはそれが余裕を持てていなかったということです。
この状態を打破するには身体を強くするトレーニング、つまり大きなフォームで速いペースで走っても走り続けられる身体を作る必要があるということです。
要素②マラソンペースを効率よく走ること
次に重要な要素として、マラソンペースを走った際に無駄な力が入らない様に効率よくランニングするということです。
これはいつもよりも設定を落とした練習を行う際に感じたことのある方は多いのではないでしょうか?
時分にとってゆとりのあるペースで走り続ける時って、身体の細部にまで気が回るくらい余裕がありませんか?ちょっとしたペースアップにも軽い気持ちで対応できますよね。
この時に私たちはかなり効率的なランニングが出来ているわけです。つまり力まず美しい無駄のないフォームで走れているということ。
この投稿をInstagramで見る
これを身に付けるのがロングインターバルです。
インターバルという言葉が付くとイメージが変わるかと思いますが、ロングインターバルはどちらかというと心肺を追い込むトレーニングというよりかはマラソンに必要なランニングフォームの改善など「技術的」な要素が大きいです。
このロングインターバルもマラソンの走力向上には極めて重要な要素になります。
マラソンペースを楽に感じさせるためには?
ではこれまでの自分自身のマラソンペースを楽に感じさせるためにはどうすればいいのでしょうか?
結論から言うのであれば、必要なのは「ショートインターバル」です。
この投稿をInstagramで見る
運動する際は脳から骨格筋に指令が行き、末端の筋群が収縮します。
この筋群の収縮を運動単位と言い、私たちはランニング時に限らず日々の生活においてはこの運動単位を交互に使用しています。
ショートインターバルの様な速いペースで走ると、動員する骨格筋の動きも大きくなります。その結果、使用する運動単位が増えるということです。
この状態を維持した状態でマラソンを走ると、多くの運動単位を動員できる状態で走ることができます。つまり運動単位の連携がスムーズにいくわけです。
これにより同じようにマラソンを4分ペースで走った際に、余裕が増えると言う訳です。
その結果30㎞通過時点でかなり余裕を持って走ることができるわけで、ゴールまで大きく崩れる可能性も低くなるのです。
その結果タイムも向上するというわけです。
ショートインターバルだけではだめなのか?
ではショートインターバルだけではだめなのか?ということですが、ショートインターバルだけだと不足と言えるでしょう、
それにはもっとマラソンペースに近い動きでのランニングやインターバルが必要です。
ここで行うのがロングインターバルや距離走というわけです。
ロングインターバルについては先に解説した為に割愛致しますが、距離走はショートインターバルとは別で必要なトレーニングです。
過去にショートインターバルと距離走だけでマラソンにチャレンジしたことはありますが、これだと適切なリズムを身体が覚えていないのでダメなんです。
ショートインターバル、ロングインターバル、距離走を組み合わせることがマラソンの走力向上には必要なのです。
ショートインターバルの設定について
次にショートインターバルの設定についてです。実際にどのくらいの設定で何本行うべきなのでしょうか?
サブエガであれば400mを80秒程度のペースで十分かと思います。
この投稿をInstagramで見る
イメージとしては5000mのレースペースかそれより少し速いペースで、本数を多めに入れることです。
本数については十分に行う必要があるので、10本以上は走りたいところです。15本から20本は入れたいところですね。
その本数から考えると5000mのレースペース前後のペースがいいというのは納得できるかと思います。
繋ぎは200mを70秒程度で走り、それが難しいのであれば疾走区間のペースをもう少し抑えてみましょう。
マラソンであればそれに加えて筋持久力も必要
マラソンの記録向上が目的であれば、ショートインターバルに加えて筋持久力も必要かと思います。
これには距離走とロングインターバルの組み合わせが不可欠となります。
距離走はレースの間持つ筋持久力を育成するもので、35㎞走もしくは2時間30分の長い方が良いと言われています。
ランナーの名著でもある「ダニエルズのランニングフォーミュラ」でも走る距離よりも時間が重要であると言っているほどですからね。
この距離走についての解説は以下の記事で詳細に行っておりますので参考にしてみてください。
ロングインターバルは先に解説したようにマラソンの走技術向上を目的としたものです。
速いペースで走っても、そのペースがバラバラで非効率的なものであればフィニッシュまでパフォーマンスを維持することは難しいでしょう。
ロングインターバルを頻繁に入れることで効率的で走り続けられるランニングフォームを手に入れましょう。
ロングインターバルの距離としては3000m~5000mくらいがいいでしょう。
この距離を速く走ると分かるかと思いますが、後半に向けて足がズンと重たくなっていくかと思います。
VO2MAXギリギリのラインでまとまった時間走るので、呼吸にも骨格筋にも同時に高負荷がかかる距離がこの3000m~5000mという距離なのです。
ただショートインターバルの様にゼーハー呼吸が乱れるほどまで追い込む必要はありません。そこまでロングインターバルで追い込むとオーバートレーニングとなってしまいますからね。
この辺りの詳細についてはマラソンと5000mの相関についてまとめた以下記事で詳細に解説しておりますので参考にしてみてください。
まとめ
今回はマラソンの走力向上に必要なショートインターバルについて解説致しました。
以下YouTube動画でも解説しておりますので、参考にしてみてください。移動中でも聞き流せるように作っております。
ショートインターバルは正直きついトレーニングで、あまり気が進まない方は多いかと思います。
でもやる目的が明確になれば頑張れますよね!?
ここで頑張ればいつものマラソンペースよりも速く走れる自分と出会えますのでぜひ頑張ってみましょう!
以下記事では私がサブスリーした際の詳細なトレーニング方法について解説しています。サブスリーだけでなくこの先にマラソンのタイムを向上させたい方は参考にしてみてください。
いつもありがとうございます!更新の励みになりますのでクリックお願いします!
コメントを残す