以前にマラソンサブスリー30㎞走についての記事を書きました。
その記事を書いておきながら今回30㎞走などの長めの距離走について改めて書こうと思ったのは、自分を含めてポイントを外してしまっている人があまりにも多かったからです。
本記事ではマラソンにおける30㎞走のポイントについて改めて解説してみようと思います。
・マラソントレーニングの30㎞走の設定について知りたい
・30㎞走を行う際の注意点は?
・30㎞走におすすめのコースについて知りたい
・30㎞走とジョグペースの境目が分からない場合はどうすればいい?
という方にはお役に立てるかと思います。
サブスリーを目指す方向への30㎞走のポイントについては以下記事で解説しております。
サブスリー目標以外の方でも走力向上に役立つ記事だと思います。
マラソンに効果的な30㎞走のやりかたについて
まずマラソンに効果的な30㎞走の効果的なやり方についてです。
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ポイントとしては確実にこなせるように体調、シューズ、ペース、気象コンディションなど入念に準備するということです。
食事をしっかりとって、確実にこなせる走りやすい時間に行うと良いです。
食事をしっかり摂取する理由は無理なく30㎞走を行うためです。目的は長時間マラソンを意識したペースで長距離を走り続けることですので、低血糖に陥っている場合ではありません。
夏場の暑熱化で行うと運動負荷が高くなってしまうのでせっかくペースを設定しても無駄になってしまいます。
確実に走れる気候で実施するのがオススメで、気象コンディションが悪ければ日を改めましょう。
ペースについては確実に設定を守りたいところ、ここかなり重要です。
筋持久力を向上させることが目的ですのでペースについては速すぎたらダメで、速い練習はむしろ20㎞以下のトレーニングで行うべきなのです。
シューズについては勝負靴は履かずに行うのがオススメです。
レースが近くなってきたら慣れる意味で実際にレースで履くシューズを使用することもアリです。
私の場合レース本番はヴェイパーフライネクスト%2で走りますが、30㎞~40㎞走を入れる場合はターサージャパンで行っています。
30㎞走を入れる頻度について
次に30㎞走を入れる頻度についてです。
これはレース3週間前までは毎週末行うイメージでいいでしょう。
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サブスリーを目指すランナーであれば既に長い距離には慣れてきて、心肺機能の強化にも体力を割ける方が多いかと思います。
えっ!毎週!?と思うかもしれませんが、逆にそのくらいの負荷で行うべきだということです。
レース1ヵ月前辺りからレースを意識したトレーニングが優先になるので、30㎞走の頻度は減らすべきですが、それより前であれば30㎞~40㎞走は週1ペースで行うと体がマラソンの距離に慣れてくるのでかなりおすすめです。
30㎞走のダメージはどのくらい?
次に30㎞走のダメージの目安についてですが、上記で解説した30㎞走の方法であればダメージはそこまでないかと思います。
といいますか30㎞走でダメージがあってはむしろダメです。
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あくまで30㎞走を行う目的はフルマラソンを走り切る筋持久力をつける為です。
レース2週間前からは距離を落として実践的なペースでのトレーニングに切り替える必要がありますが、それまでは足づくりだと考えて頻繁に入れていきましょう。
頻繁に30㎞走以上の距離走を入れることで、マラソン本番に行きは大丈夫だけど身体が動かない。。という事態は避けられるのです。
30㎞走を行う際の注意点
次に30㎞走時に注意する点です。
トレーニング効果だけでなく、次のトレーニングに疲労を残さないことやトレーニング中の安全性も
重要な要素です。
・車に注意する
・給水はしっかりとる
・ペース管理は確実に行う
・他の練習への余力を残す
・走り続ける時間が重要だと考える
以上に注意すべきでしょう、以下でその内容について解説していきます。
注意点①車に注意する
注意点の1つ目として、車に注意するということです。
これは車が入ってこれない様な場所で30㎞走を行うことで解決することですが、そういった場所を選んでトレーニングしましょう。
ちょっと手間ですが、週末などにそういった場所に出向いて行うのが良いでしょう。
また、車に気を付ける際には足元にも注意しなくてはなりません。
車はよけられても、段差やアスファルトの波に足を取られて捻挫なんてことも避けたいですよね。
最近では厚底シューズを履かれる方は多いかと思いますので、特に足元は不安定になります。
私も段差で捻挫はたまにやってしまいます。
トレイルだと捻挫に元々注意しているのですが、逆にアスファルトだと気を緩めてしまうので注意が必要ですね。
注意点②給水はしっかりとる
30㎞を行う際の注意点として、給水は確実に摂るということです。
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給水は脱水対策でもありますが、糖質の補給も目的の内に入っています。
スポーツドリンクなどの電解質を摂取することも長く体を動かすうえで効果的でしょう。
よくエネルギージェルは必要か?ということを聞かれますが、そこまでは必要ないかと思います。
ただマラソンレース本番ではエネルギージェルは必要ですので、自分の相性と合うジェルを探す目的でエネルギージェルを試すのはアリでしょう。
電解質を含んだ給水やジェルを摂取した方が30km走のダメージは少なくなるのでオススメです。
注意点③ペース管理は確実に行う
30㎞を行う際の注意点として、30㎞はペース管理を確実に行うということです。
これ最も重要なんじゃないですかね。
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少しでも早くなるとトレーニング要素が変わってしまいます。
長い距離を走ってマラソンという長距離走に耐えられる筋肉を作ることが目的ですので、ペースが速くて20㎞までしか持たなかったなどいう事態は避けたいところです。
マラソンレースペース以上であれば、20㎞までで十分かと思います。30kmまでやる必要はありません。
30㎞~40㎞を行うのであれば、レースペースよりも遅くて十分でしょう。
かといってLSDでは効果がないので、マラソンペースを意識したペースで走るのがポイントです。
この辺りは以下の動画で詳細に解説しております。
また、サブスリーなど本格的にマラソンの記録を伸ばしたいのであれば距離走だけでは記録は伸び悩みます。
一時期30㎞走を4分ペースで走るトレーニングをひたすら行っていたのですが、それだとマラソンをそのまま押すのが難しいんですよね。
インターバルやロングファルトレクなど様々なトレーニングを組み合わせないと記録は伸びていかないんです。
注意点④他の練習への余力も残す
30㎞を行う際の注意点として、他の練習への余力も残すということです。
マラソンのタイム向上に必要なトレーニングは30㎞走だけではありません。
30㎞走はあくまで筋持久力を向上させるトレーニングで、それ以外にも必要なトレーニングはあります。
マラソンは様々な用途のトレーニングを満遍なく行うことがポイントですので、30㎞で燃え尽きている場合ではありません。
30㎞走だけではある程度までしか記録は伸びないので、やらなくてはならないトレーニングは他にもあるのです。
他のトレーニングもキッチリ出来るように余力を残して終わるべきなのです。
私の例を紹介すると、
日:30㎞~40㎞走
月:60分
火:120分(200*5)
水:60分(3000m~5000m×1)
木:60分(200*5)
金:12000mペース走
土:60分
日:30㎞~40㎞走
といった感じです。
最もボリュームのあるトレーニング週でこんな感じですね。
注意点⑤30㎞走は走り続ける「時間」が重要であると考える
30㎞を行う際の注意点として、走り続ける「時間」が重要だと考えるということです。
多くの人が抱く30㎞走の目的は、30㎞のタイムでマラソンレース本番のペースを把握するということかと思います。
確かに30㎞走ればあと12.195㎞ですので、マラソンレースでの結果も見えてくるかと思います。
そういう目的での30㎞走は確かにアリですが、ここで解説する30㎞走は筋持久力の向上が目的です。
となるとなるべく速く走ろうとする30㎞ではなく、長時間走ることがポイントとなります。
ジャックダニエルズ博士のランニングフォーミュラでも、この点に対して解説されています。
「35㎞走か2時間30分の長い方」と記述されています。つまりマラソン本番を意識したペースで走り続ける時間が重要だということです。
なので30㎞走では息切れする様なペースで走るのではなく、しっかり土台作りができる様なペースで走りましょう。
心肺を追い込むのは別のトレーニングですればいいのです。
注意点⑥しっかりリカバリーする
30㎞走直後に補給することも重要です。
血糖値が低い状態が長く継続すると、身体は筋肉を分解してエネルギーを得ようとします、ランニングや補強でせっかく身に付けた筋肉ですからこれは避けたいところです。
糖質を含んだもので身体の構築に役立つものがオススメです。
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私の場合、直後に野菜ジュースやプロテインを摂取して、帰宅した後にグルタミンなどを補助的に摂取するようにしています。
この辺りのリカバリー系サプリメントについては以下記事で詳しく解説しておりますので参考にしてみてください。
30㎞走ペースとジョグの境目がなくなってしまう場合にはどうすればいいか?
これからフルマラソンにチャレンジしようとされる方であれば、まだ30㎞走と言われてもピンとこないかもしれません。
マラソンの目標タイムも4時間や5時間からまず始めてみようとされる方にとって、30㎞走をしろと言われれば、通常のジョギングペースと変わらないペースになってしまうかと思います。
そうなるとLSDと30㎞走の区分けが分からなくなってくるかと思います。
そういった場合はまず2時間近くジョギングすることから始めてみましょう。
2時間や3時間ジョギング出来れば土台は出来てきますし、土台が出来てくれば質の高いトレーニングも入れられる様になってきます。
そうしてジョギングのペースを徐々にアップ出来たら30㎞走のペース設定について改めて考えればよいのです。
LSDのトレーニングだけでも3時間30分ではマラソンを走り切ることは出来ると思いますので、まずは3時間30分までタイムを伸ばすことからやってみましょう。
30㎞走にオススメのコース
次に30㎞走にオススメのコースについて解説します。
30㎞走は徐々に体が動かなくなるトレーニングで、トレーニング後半では呼吸は楽でも身体がしんどくなってしまう方はいるかと思います。
そんな時に気を付けたいのが車やロードバイクなどとの接触です。
トレーニング中に怪我したくないですからね、そこで日本国内でも車が入ってこない場所、車通りが少ない場所を紹介致します。
・HAT神戸
・六甲アイランド
・長居公園
・皇居
・渡良瀬遊水地
・城沼公園
以下で解説して行きます。
30㎞走におすすめのコース①HAT神戸
兵庫県の三宮・元町近くにあるコースです。
車が入ってこれないのでここでちょっとしたマラソン大会が開催される程走りやすい場所です。
私はここで3㎞のファルトレクや30㎞走などをよくやっていました。
敷地内に「なぎさの湯」という銭湯もありますので、走った後にそのまま入浴することもできます。
走る前にもランナー用の着替えスペースやロッカーもあるので、電車で利用する人にもオススメな場所です。
ジョグで行ける距離に「みなとの森公園」という450mのちょっと特殊な形のトラックもありますので、ランナーにはかなり良い場所ですね。
30㎞走におすすめのコース②六甲アイランド
社会の授業で習ったあの工業地帯です。
九州行の大型客船「サンフラワー号」が停泊する港にもなるくらい広大なコンビナートです。
平日は貨物トラックなどがきますが、週末などは殆ど車がきません。
道幅も広いので、距離走なども精神的に楽にこなせるコースかと思います。
難点としては、六甲山からの六甲おろしが吹くとペースがたちまち上げられなくなります。
給水を道端に置いておいてもそもそも人が通らないので安心です。
近くに住んでいる人でないならば、車で来る必要があるかと思います。
私はここではとにかく50㎞や60㎞などのウルトラに向けたトレーニングをしていました。
30㎞走におすすめのコース③長居公園
大阪のヤンマー陸上競技場を中心とする周回コースです。
車が入ってこないので、距離走にはかなり向いているコースです。
週末には人がかなりいるので、ファルトレクなどペースの速いトレーニングにはあまり向かないかもしれません。
集団で練習会をしているグループが多いので、自分の力量に合った集団についてトレーニングすることもオススメできますね。
30㎞走におすすめのコース⑤皇居
30km走におすすめのコースとして皇居があります。
皇居と言えばランナーの聖地として有名です。しかしコースの特徴としてはアップダウンが多いのでここで30㎞をするのは上級者向けと言えるでしょう。
仮に皇居でトレーニングを行うのであれば他の場所よりも少し設定を落としても良いと思います。
車も入ってこれないのでトレーニングしやすいですが、自転車が逆走していることもあるのでここは注意が必要です。
また様々なペースで走っている人がいるので声を掛け合って走る必要があります。
竹橋駅付近と千鳥ヶ淵公園あたりはコースも狭まるので、注意が必要です。
一気に登ってダラッと下るので、非常にペース管理が難しいコースと言えるでしょう。
また皇居の特徴として、シャワー付きのロッカーがあるということです。
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他にもヴェイパーフライやアルファフライなど厚底シューズの貸し出しなども行われているので、高額なシューズを購入する前に試し履きすることも可能です。
私はヴェイパーフライ購入する前にあまりにも高額だったので買うべきか悩んでいましたが、ここで実際に試すことができたのが購入の決め手でした。
30㎞走におすすめのコース⑥渡良瀬遊水地
茨城県、栃木県、埼玉県の県境にある巨大な遊水地です。
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台風などで利根川が氾濫しないのはこの遊水地に水か溜まるからで、2019年の台風では大活躍した遊水地です。
1周8㎞k弱の距離があり、車も入ってくることが出来ないので、思う存分走ることが出来ます。
そんな場所ですからロードバイクの選手にとっても「聖地」と呼ばれており、都内から車にバイクを載せてくる人もいるくらいです。
スカイダイビングや気球の大会でも利用されていることからその広大さはイメージして頂けるかと思います。
30㎞走におすすめのコース⑦城沼公園
群馬県館林市にある公園です。
1周7㎞弱のコースがあり、車も入ってくることが出来ないのでオススメのコースです。
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全て舗装はされていませんが、極めて走りやすいコースですね。
自販機などもあるので、給水なども問題なく出来るかと思います。
サブスリーを目指す方には
次にサブスリーを目指す方向けの情報です。そうでない方はスルーしちゃってください。
ここまではレベルを問わずの解説でしたが、この先にサブスリーを目指そうとされている方は以下記事でトレーニング方法について詳細に解説しております。
マラソントレーニングは効率を謳ったものが多いですが、ある程度のトレーニング量はどうしても必要です。その中でも効率を求めずに愚直に行うべきトレーニングや、必要のないトレーニングについて解説しています。
本気でサブスリーを目指す方は参考にしてみてください。
私の具体的なトレーニングメニューも解説しております。
まとめ
今回は30㎞走の効果や設定、ポイントについて解説してみました。
マラソントレーニングは点ではなく線で考えるべきものです。
この練習をしたからサブスリー達成!というわけではなく、様々なトレーニング要素が組み合わさってパフォーマンス向上に繋がってくるのです。
そんなトレーニングの1つとして30㎞走を捉えて頂ければと思いますので、一緒にトレーニング頑張っていきましょう!
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