今回はランニングとコーヒーの深い関係の話です。
ちょっとマニアックな話ですが、
・ランニングとコーヒーの関係について知りたい
・コーヒーに含まれる成分について知りたい
・コーヒーは走る前後どちらで取ればいい?
・ランニングにおけるコーヒーの効果やメリットについて知りたい
・ランニングにおけるコーヒーのデメリットについて知りたい
といった方には役立つ内容かと思います。
以下記事で解説していきます。
コーヒーの成分
コーヒーの成分について解説します。
具体的に含まれる物質として
・カフェイン
・クロロゲン酸
・カフェイン酸
・トリゴネリン
・ニコチン酸
・ミネラル
以下で解説して行きます。
コーヒーの成分①カフェイン
まず最初の成分、カフェインです。
コーヒーと言えばカフェイン、カフェインと言えばコーヒーというイメージではないでしょうか?
カフェインは、コーヒーに含まれる最もよく知られた成分の一つです。
具体的な効果としては、
・覚醒作用
・代謝促進
・利尿効果
等があります。
カフェインの覚醒作用としては中枢神経系に作用し、覚醒作用や注意力の向上、反応時間の短縮などの効果をもたらします。
これにより、眠気の軽減や集中力の向上が期待できます。
これはカフェインの代表的な効果ですよね!
また、代謝促進の効果もあります。
コーヒーダイエットなんて言葉もありますが、コーヒーがそう言われる理由には代謝を促進する効果があるからです。
脂肪酸の分解を刺激し、血中の遊離脂肪酸量を増やします。その結果エネルギー消費を増やす効果があります。
このため、一部の人々はカフェインを利用して、運動のパフォーマンス向上や脂肪燃焼をサポートする効果があり、私もマラソンレースでこの恩恵を受けております。
次に利尿効果です。
排尿を促進し、体内の余分な水分や老廃物を排出する助けとなります。
カフェインは刺激作用があるため、過剰摂取や敏感な個人では不眠や神経過敏などの副作用が現れることがありますのでこの点は注意が必要です。
レース前なんかは特に注意したいですよね。
コーヒーの成分②クロロゲン酸
次はコーヒーに含まれるクロロゲン酸です。
クロロゲン酸は、コーヒーに含まれる主要なポリフェノールの一種であり、コーヒーの特徴的な風味や健康効果に関与しています。
クロロゲン酸は、カフェインと並んでコーヒー豆に多く含まれる成分。
一般的に、未焙煎の生豆により高い濃度で存在しており、焙煎の過程で一部が分解されることが知られています。
コーヒーの成分③カフェ酸
カフェ酸(Caffeic acid)は、コーヒーに含まれるポリフェノールの一種です。
こちらもアンチエイジングに関わる効果が多く報告されています。
カフェ酸はコーヒーだけでなく、フルーツや野菜など他の食品にも含まれています。しかし、カフェ酸の含有量は食品や品種によって異なるため、コーヒーからの摂取量はコーヒーの条件により左右されます。
コーヒーの成分④トリゴネリン
コーヒーの成分で抗酸化作用を持ち、血液中の酸化ストレスを軽減する効果があります。
脳の老化に効果的だと言われており、タコやウニなどの魚介類に含まれていますが、コーヒーにも多く含まれています。
コーヒーの成分⑤ニコチン酸
コーヒーには微量のニコチン酸(ニコチンアミドまたはナイアシンとも呼ばれる)が含まれています。
ニコチン酸はビタミンB3の一種であり、ビタミンB群に分類されます。ビタミンB群は、エネルギー産生や細胞の正常な機能に必要な栄養素です。
またニコチン酸は、炭水化物、脂肪、タンパク質の代謝に重要な役割を果たします。
特に、食物から摂取された栄養素をエネルギーに変換する過程で重要な補酵素として働きます。
ニコチンといえば悪いイメージがありますが、コーヒーから摂取されるニコチン酸の量はごくわずかであり、通常の摂取量では身体に問題ありません。
ニコチン酸の過剰摂取はまれであり、特に食品から摂取する場合は心配する必要はありません。ただし、高用量のニコチン酸サプリメントを摂取する場合には、注意が必要です。
コーヒーの成分⑥ミネラル
コーヒーには様々なミネラルが含まれており、これらのミネラルは体内の機能や健康維持に重要な役割を果たします。
適切なカリウム摂取は、心血管機能や血圧の調整にも重要です。
マグネシウム、マンガン、リン、ナトリウム、これらのミネラルはコーヒー以外の食品や飲み物にも含まれており、バランスの取れた食事を通じて摂取することが推奨されます。
以上で解説したコーヒーの成分は豆の種類、焙煎度、淹れ方などによって異なる場合があります。
カフェイン含有量はコーヒーにより異なるのか?
このコーヒーに含まれる代表的な成分であるカフェインですが、含有量は条件により異なります。
具体的にはコーヒーの種類や焙煎度、淹れ方によって異なります。
一般的に、エスプレッソや濃いコーヒーにはより多くのカフェインが含まれる傾向があります。
注意点として、カフェインは中毒性があり、過剰摂取や依存症のリスクがあることに注意が必要です。
健康な範囲内での摂取や、個人の感受性と健康状態に応じた適切な摂取量の調整が重要です。
ランニングにおけるコーヒーのメリット
ではランニングとコーヒーの親和性が高いのは何故なのでしょうか?
それは大きく
・疲労感の軽減
・脂質代謝への切替
・紫外線による肌へのダメージを防ぐ
以上の3つに分類されます。
以下で解説していきます。
メリット①疲労感の軽減
まず最初のメリットとして疲労感の軽減です。
これはコーヒーに含まれるカフェインによりもたらされるもので、これが疲労を感じにくくする作用をもたらします。
人間が疲労を感じるのは、アデノシンという物質が受容体に結合することで発生します。
これは過度な運動や状態から身体を守るための仕組みで、疲労を感じることにより倦怠感が発生して身体を休めようとするものです。
そのアデノシンに形状が似ているのがこのカフェインなのです。
形状が似ているのでカフェインは受容体に結合し、アデノシンが結合する場所を与えないのです。
その結果、疲れを感じにくくするというわけです。
マラソンやトレイルランニングの補給食(ジェル)にカフェインが配合されているのはその為です。
ただし、このカフェインの効果を最大限に発揮する為には摂取のタイミングが重要です。
その辺りについては以下の動画で解説しておりますので参考にしてみてください。
メリット②脂質代謝への切替
次にコーヒーの脂質代謝への切替効果によるメリットについて解説します。
コーヒーを摂取すると血中の遊離脂肪酸の量が増えることが分かっています。
これはマラソンにおいて極めて大きなメリットで、血中の遊離脂肪酸が増えることで、脂質優位の代謝に切り替わることになります。
ランニングは基本的に糖質が中心に代謝されますが、マラソンやウルトラトレイルなど長い距離のレースになれば糖質だけではどうしても不足です。
理由は、骨格筋や感動に貯蔵できるグリコーゲン(糖質)量には限りがあるからです。
そこで必要なのが脂質を代謝する能力です。
脂質はエネルギー効率が糖質よりも高いにもかかわらず、なかなか運動中に使われることがありません。
脂質を代謝できるようにするには運動負荷を調節する必要があり、その運動負荷の指標は心拍数などで管理すると良いでしょう。
ただ、コーヒーを飲んでから走ることで、体に貯蔵されている脂質が血中に移動して脂質優位の代謝になるのです。
コーヒーがダイエットに最適だと言われるのはここにあります。
遊離脂肪酸量の増加についてはMCTオイルを摂取することでも同じ効果が得られ、脂質代謝を優位に運びたいマラソンの最中には最適と言えます。
メリット③紫外線による肌へのダメージを防ぐ
次のメリットとして、紫外線による肌へのダメージを防ぐという事です。
コーヒーに含まれるポリフェノールは紫外線から肌を守る効果があります。
実はコーヒーに含まれるポリフェノール量は赤ワインに次いで多いので、いつまでも若々しい肌でいたい人にはかなりオススメできる飲み物なのです。
ランニングにおけるコーヒーのデメリット
次にランニングにおけるコーヒーのデメリットについて解説します。
・利尿作用がある
・睡眠の質が下がる
・飲み過ぎると胃が荒れる
以下で解説していきます。
デメリット①利尿作用がある
ランニングにおけるコーヒーのデメリットとして利尿作用があるという事です。
マラソンレース直前ともなると、トイレスケジュールは重要な要素となります。
コーヒーを飲むと利尿作用があるので、スタート前に行ったつもりでもスタート直前に行きたくなる可能性があります。
そういったことを逆算してギリギリまで尿意をおびき寄せてからスタートラインに立つ必要があるでしょう。
デメリット②睡眠の質が下がる
ランニングにおけるコーヒーのデメリットとして、睡眠の質が下がるということです。
これは翌日にタフなトレーニングやレースを控えている方は注意が必要です。
コーヒーにはリラクゼーション効果があることは有名ですが、かといってレース前日に睡眠の質を下げてまで取るのはオススメできません。
カフェインには覚醒作用がありますので、レース前日はカフェインを控えるべきでしょう。
飲んだとしても午前中でやめておくべきです。
カフェイン絶ちの効果について述べましたが、レース前日にカフェイン量を落とす分には全く感受性は下がらないので問題ないでしょう。
デメリット③飲み過ぎると胃が荒れる
ランニングにおけるコーヒーのデメリットとして、飲み過ぎると胃が荒れるという事です。
これはコーヒーに限ったことではありませんが、やはりカフェインは胃にズシンときます。
マラソン用のジェルを自作する際に粉末のカフェインを入れることがありますが、やはりカフェイン入りは結構胃に来ますね。
よってカフェインを摂取すべき時にも飲み過ぎには注意しましょう。
ランニングにおけるコーヒーのベストな摂取タイミング
次にランニングにおけるコーヒーのベストな摂取タイミングです。
先に解説した血中の遊離脂肪酸量を増やして脂質代謝を促したいのであれば、運動の30分から60分までがベストでしょう。
私の場合、朝練に行く30分前にコーヒーを飲みます。
朝起きてすぐは身体が慣れないので、そのタイミングでブログを書きながらコーヒーを飲むのです。
起きてコーヒーを飲み始めて30分近く経過すると身体も目覚めるので、いい感じで朝練に行くことが出来るのです。
コーヒーを美味しく飲むには
せっかくコーヒーを飲むのであれば美味しく飲みたいですよね?正しく抽出できればコーヒーに含まれる成分もしっかり取ることができるというメリットもあります。
コーヒーを美味しく飲むには以下のポイントがあります。
・挽いた豆の粒度を揃える
・コーヒーの抽出温度に注意する
以下記事で解説していきます。
コーヒーを美味しく飲むポイント①挽いた豆の粒度を揃える
コーヒーを美味しく飲むポイントとして、挽いた豆の粒度を揃えるという事です。
ちなみに私は豆から挽いてコーヒーを飲みます。
以前まではドリップパックを購入してコーヒーを淹れていましたが、やはり挽きたての豆には適いません。
酸化を防止する目的で窒素入りのものもありますが、それも挽きたてには適いませんでした。
一度グラインダーでちゃんと挽いた豆を知るともう後には戻れませんね。
美味しくコーヒーを飲みたいのであれば避けたいのが雑味。
これはコーヒーの粒度が細かすぎることや、粒度が合っていないことで発生してしまいます。
以前はプロペラ式のミルを使用していましたが、これだとどうしても微粉が出てしまうので注意が必要でした。
プロペラ式は安価で簡易的な構造で手入れも楽なのですが、粒度が揃わないのと微粉が出るのがどうしてもデメリットなのですよね。
ちょっと長めにプロペラを回すともう細かいのが出てしまいます。
それでも煎りたてのコーヒー豆を粉砕すると無茶苦茶美味しいですけどね。
そこで私が現在使用しているのが、豆をすり潰す「グラインダー」というものです。
プロペラ式と比較するとちょっと高いですが、粒度が揃うので味は格段に向上します。
コーヒー本来の味を楽しんだり、コーヒーの有効成分を確実に摂りたい方にはグラインダーに投資することをオススメします。
これを変えただけでコーヒーが本当に美味しくなりましたし、朝一番のコーヒーが美味しくないとテンションも上がりませんからね。
私がおすすめのグラインダーについては以下記事で解説しております。
コーヒーを美味しく飲むポイント②コーヒーの抽出温度に注意する
次にコーヒーを美味しく飲むポイントとして、コーヒーの抽出温度に注意するということです。
コーヒーには豆や焙煎状況に応じてベストな抽出温度というものがあります。
私もコーヒー豆の産地や焙煎状況に応じて温度は調節しますが、大体85℃~90℃で抽出するようにしております。
コーヒー用の温度計を挿して温度を測定していますが、けっこう温度によって味が変わります。
私の場合温度計で測定していますが、これだとどうしても一度ケトルを熱源から離した際に温度が下がってしまいます。(抽出に時間はかかりますし)
実際に熱源から離して温度計を見ると80℃近くまで温度が下がっています。
そんな方には電気制御のコーヒーケトルがオススメです。
これであれば温度も確実に管理できますし、抽出時にも意図した温度のまま湯を注ぐことが可能です。
コーヒーの美味しい抽出温度については以下記事でも詳細に解説しています。
コーヒーを美味しく飲むポイント③コーヒーの抽出条件に注意する
また、コーヒーを美味しく飲むポイントとして、コーヒーの抽出条件に注意するということです。
これは実に様々な要素があるのですが、具体的には
・抽出器具
・抽出温度
・豆の焙煎状態、経過時間
・挽いた豆の粒度
等様々な要素があります。
これはここで解説すると長くなりますので、以下記事で詳細に解説しております。
コーヒーの美味しい抽出方法については以下記事でも詳細に解説しています。
美味しいコーヒーを飲むには豆の鮮度が重要
美味しいコーヒーを飲むには豆の鮮度が重要です。
この鮮度というのは、コーヒー豆が焙煎されてからの時間を指します。
コーヒー豆は焙煎されてから2週間はポジティブな変化を起こし、そこから先は劣化していく傾向にあります。
そのため、豆は焙煎所から焙煎したてを購入してから2週間以内に飲み切るのが美味しく飲むためのポイントです。
なので近くに焙煎所がある方は少量を定期的に購入すると良いでしょう。
近くに焙煎所がなく、あまり頻繁に豆を購入できない方には、コーヒー豆のサブスクリプションがおすすめです。
数あるサブスクリプションの中でもよりコーヒーを美味しく楽しく飲むには「ポストコーヒー」がおすすめです。
最初に行う「コーヒー診断」により、15万種類のコーヒーから自分に合ったコーヒーを選んでくれるサービスです。
ポストにコーヒー豆を入れておいてくれるので、欲しい時に確実にコーヒー豆を手に入れることが出来ますので個人的にはかなりおすすめです。
ポストコーヒーのコーヒー診断をした時の記事は以下で解説しておりますので参考にしてみてください。
コーヒー(カフェイン)絶ちは有効なのか?
次にカフェイン絶ちは有効なのか?という話ですが、個人的には有効だと考えます。
私の場合、レースの3日前にはコーヒー(カフェイン)は絶ち、レース当日まで我慢します。
毎日何杯もコーヒーを飲む方は1日1杯程度にしておきましょう。
レース当日の朝に「あぁ、コーヒー飲みたい」と思えばいい感じでしょう。
コーヒーの効果を十分に感じることが出来るかと思います。
マラソンレース前はカフェイン感受性を高めておく必要がある
次にマラソンレース前はカフェイン感受性を高めておく必要があるという事です。
補給食(ジェル)に含まれるカフェインの効果を最大限得ようと思ったら、日頃からカフェインを摂取して、カフェインが身体に入ってきた時の反応をスムーズにしておく必要があります。
この話を聞くまでは、逆かと思っていました。
つまり、カフェインを日頃飲まないからこそカフェインの感受性が高まるのかと思っていましたが、そうではないんですよね。
そうする為にも、コーヒーは日常的に楽しむ習慣があると良いでしょう。
サブスリーランナーのコーヒー活用例
次に、私が実際マラソン大会の日に活用するカフェインの方法について解説します。
水曜日からコーヒー(カフェイン)絶ちをして、レース当日を迎えます。
レース当日は、レーススタート30分前にコーヒーを飲み、レースに備えます。
ここはテンションを上げるためにも美味しいコーヒーを飲みたいところ。
最近はコンビニのコーヒーも結構おいしいのでオススメです。
コーヒーも補給食(ジェル)のカフェインもレースにおいて重要
コーヒーだけではなく、補給食(ジェル)に入っているカフェインも重要です。
レースがスタートして、終了するまでにカフェイン入りの補給食(ジェル)を計4本摂取します。
具体的には10㎞、18㎞、25㎞、33㎞です。
え?こんなに摂取するの?と思われるかもしれませんが、血糖値を維持するにあたってはこのくらい重要かと思います。
ポイントとしては、疲労を感じる前に摂取するイメージで良いでしょう。
いつも自分の身体にだるさがくるポイントを覚えておき、その直前にカフェイン入り補給食(ジェル)を摂取する様にしましょう。
マラソンにおすすめなジェルについては以下記事でも解説しております。
まとめ
今回はランニングとコーヒーの関係について解説致しました。
コーヒーはランニングになじみ深いですし、生活を豊かにしてくれるものです。
私にとってコーヒーはなくてはならないものになっていますが、健康に良いということが証明されているのであればなおさら飲みたくなります。
皆さんもコーヒーと一緒に良いランライフを!
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