今回は山での道迷い遭難対策についての話です。
一昔前とは違い、最近はマウンテンギアの進歩が目覚ましいです。
GPSウォッチも正確さだけではなく、バッテリー容量から色々と進化を重ねてきました。
しかし、そんな便利な機能を持つGPSでも、使いこなせていない人は多いかと思います。
そこで本記事では、道迷い対策のGPSウォッチのひょっとした使い方について解説したいと思います。
つい最近まではレース中にバッテリーが持たないなんてことはザラでしたが、最近はレース中や練習中にバッテリーを気にすることもありません。
そんなGPSを利用した遭難対策について解説しようと思います。
日頃から山に行き慣れており、GPSの使い方なんて当然知っているという方であれば読む必要はないかと思いますが、登山やトレイルランニングの初心者の方は読んでおいて損はないかと思います。
この記事は以下の方を対象にしています。
・つい最近、GPSやGPSウォッチを購入したが使い方を習得していない
・登山中現在地が分からなくなることがある
・これから登山やトレイルランニングを始めたい
・トレイルランを始めたいが陸上競技出身者である
以下で解説して行きます。
山岳遭難の4割は道迷い
山での遭難は年間約3000人近く発生しており、その中でも特に多いのが道迷い遭難です。実に遭難事故全体で40%という数字です。
これは1日換算すると3~4人は遭難していることになります。
そう考えると結構遭難事故ってけっこう多いですよね。
アウトドアギアも以前より一般的になり、スペックの良いもを持っている方は多いかと思いますが、この様な事態になっていることから、その機能を使いこなせている人が少ないのではないのでしょうか?
道迷い遭難はどんな時に起きるのか?
では山での道迷いはどんな時に発生するのか?ということですが、理由は様々。
道が分かりにくい場所で霧が多かった時や、近道のつもりで入った旧道が思っていた以上に分かりづらかった時、地図を持たずに獣道などに入ってしまった場合などが挙げられるでしょう。
特に旧道や電力会社のメンテナンス用の道は分かりにくいにも関わらず地図に道として載っているものが多いです(点線でルートが記載されていたりする)。
具体的には以下の写真の様な場所です。
実際そういう道に入ると分かるかと思うのですが、明らかに道が分かりにくいです。
最初は草木が分けられていてちょっとした道の様な雰囲気はあるのですが、先に進めば進むほどわかりにくくなります。
しかも藪などが多い場合は自分の現在地はおろか、どこから来たのかも分からなくなってしまうこともあるのです。
こうなったときに現在地の分かるような地図アプリやGPSがなかったりすると更にヤバいです。
実際にプチ遭難して分かったこと
私も実際に道に迷ったことはあります。
その時はGPSを持っていたので問題なかったのですが、もしなかったらと思うとヒヤッとします。
道に迷った時に感じたのは、自分の現在地と来た道が分からなくなった時が危険だということです。
よく道迷い対策として、「来た道を戻れ」ということが言われますが、山に行く人はおそらくその辺りは分かっているはずです。
分かっていながら道迷い遭難がこれだけ多いのは、迷った本人が自分の現在地はおろか、どこから来たのかも分からなくなっているからだと思います。
私が実際に迷った時の状況としては、山と高原地図アプリは起動させ、自分の現在地もわかる状態でした。バッテリーも残量は多く、予備のバッテリーもしっかり持っていました。
その上GPSウォッチも起動させていました。
山と高原地図アプリがあったので、自分のざっくりとした現在地は分かるのですが、詳細な現在地と来た道が分からなかったのです。
その時の道は写真の様な完全なやぶの中です。
周辺の景色も分からないので自分がどの方向から来たのかも分からなくなります。
そして気が付いたら滝が姿を現したのです。。汗
すぐさまGPSの自分が辿った経路がわかる画面を起動させて何とか戻ることが出来ましたが、もしGPSがなかったら山と高原地図アプリだけであのやぶの中を進むのは難しかったと思います。
遭難した場合、山と高原地図アプリも使えない場合がある
この様に、山と高原地図アプリがあっても道に迷うことはあります。
このアプリはアインシュタインも驚く大発明と秘かに思っているくらい便利なのですが、それでも分からない様な場所ではGPSが頼りです。
特に先に解説したいような、1m未満でも進むと訳が分からなくなるような道ではあまり役に立ちません。
ざっくりとした道を把握する時に使用するには適していますが、数センチ単位でトラッキングできるGPSにはかないません。
しかも、山と高原地図アプリは、現在地の表示が時々正確でないこともあります。
あくまで目安として持つべきアイテムなのです。
遭難してから地図を見ても遅い
登山を始めたての時は、道迷い対策で地図やコンパス、もしくは先に紹介したような地図アプリがあれば万全と思われがちですが、そうではありません。
まず地図とコンパスだけの場合はかなりの上級者でないと迷った時に地図を使いこなすのは難しいでしょう。(地図読みが出来るような人はそもそも迷うリスクのある場所に入り込むことはないかと思いますが)
実際に地図とコンパスが役立つのは目印になる様なものが見える様な眺望の良い場合に限ります。
道迷いする様なジャングルの様な場所や、急峻な斜面ではまず役に立ちません。
つまり迷ってからだと地図やコンパスを持っていても遅く、自分の現在地もどこから来たのかも割り出すことができないのです。
こうした時に遭難は発生します。
遭難してしまった時に活躍するのがGPSである
そこで活躍するのがGPSウォッチなのです。
ウォッチでなくとも、スマートフォンのGPSでもいいのですが、道迷いに役立つ条件として正確に自分が歩いてきた軌跡をトラッキングできるということです。
そして精度は出来るだけ正確なものでなくてはなりません。
GPSデータを時間を空けて取得するものであるとどうしても正確な現在地を割り出すことはできません。
数センチ単位で表示してくれるGPSを使うようにしておきましょう。
その為にも最も正確なGPSトラッキングモードで長時間バッテリーが持つものを準備しておく必要があるのです。
遭難対策として、GPSを購入したら使いこなしてから山に入ろう
重要なのはGPSウォッチやGPS端末を購入したら、使いこなしてから山に入るようにするということです。GPSは結構いろんな機能があります。
私もSUUNTO9というGPSウォッチを使用していますが、最初はどうしても日頃のランニングなどでしか使いません。
ロードであれば使用するモードは自分のペースが表示されることと、インターバル等のトレーニングモード程度でしょう。
トレイルランであれば同じようにペースと走行距離、心拍数、獲得標高程度しか最初のうちは使いませんでした。
それだけ使えればレースでもかなり重宝しますが、道迷いや始めて行く山で重宝する機能は結構あります。
GPSウォッチを使いこなすにはどうすればいい?
では具体的にGPSウォッチの本格的な使い方をするにはどうやって練れていけばいいのかというと、大会のGPXデータをまず活用してみることです。
そうすることで、コースがマップ上に表示されて自分の走った軌跡の感覚もつかめます。
以前まで私はこのコースマーキングがあるからGPSウォッチはタイムとペース、累積標高だけ見ておけばいいかと思っていましたが、しかし集団でない時にミスコースすることがよくあったんです。
ギリギリの状態で走っていると、見るのは足元や分岐点を一瞬見るくらいの注意力になりがちです。
トレイルランは転倒のリスクがあるので足元には注意を払わなくてはならないので、どうしても一心不乱に走ってしまう傾向にあり、気が付くとエイドがあるといった状態です。
また登山道は分岐が多く、間違えた後に道がなくなればいいのですが、そうでない場合は迷ったことに気が付くのが遅くなりがちです。
その結果大幅なタイムロスに繋がるのです。
特にスパトレイルでは2位を走っていましたが、そこでミスコースして3.8㎞ほどロスして8位まで後退、その後に盛り返したが3位だったほろ苦いレースです。
そこでこの道迷いを何とかなくして走りに集中したいと思い、GPXデータをウォッチに入れることにしました。
レース前にGPXデータ入れてみて感じるのは、走りに集中できる上、レースの戦略も極めて立てやすいので今では重宝しています。
最初は面倒だなと思いましたが、これがあると全く道迷いの心配がなくなります。
非常に便利です。
以下記事でその具体的な活用方法について解説しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
道迷いってかなりヒヤッとしますが、ツールがあれば回避することが出来ます。
しかし、ツールがあってもそれを適切に使えないと意味がありません。
今回はそんな道迷い対策としてGPSウォッチを紹介しました。
以下でおすすめのGPSウォッチを紹介しております。
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