今回はクロストレーニングについて解説しようと思います。
クロストレーニングという言葉は、スポーツで高いパフォーマンスを出したい方は、一度は聞いたことのある言葉だと思います。
しかし、実際に以下の悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか?
・クロストレーニングにはどの様なメリットがあるのか?
・どの様な組み合わせでクロストレーニングをすべきか分からない
以下記事で解説していきます。
クロストレーニングとは?
クロストレーニングとは、専門とする種目以外のトレーニング要素を入れることで、トレーニングの相乗効果を狙ったものです。
ランニングのパフォーマンスの向上を狙っていたとした場合、まず思い浮かぶのがランニングをすることです。これは当たり前のことですね。
しかし、練習をランニングだけにするとどうなるでしょうか?
確かにランニングに必要な筋肉は付きますが、ランニングに必要な筋肉はつかなくなってしまいます。
ランニングは全身運動なので、ランニングで使用するメインの筋肉を動かすために様々な細かい筋肉が動員されます。
しかしランニングのみを行うことで、それらの筋肉を使うことは出来ても強化することは出来ないのです。
これがバランスの悪い身体ということです。
では、全身をボディービルダーの様に均等に大きな筋肉をつけるべきかというとそうではありません。
クロストレーニングとは、メインの種目のパフォーマンスアップに繋がる筋肉を適度に鍛えることなのです。
クロストレーニングにより得られるメリット(効果)
次にクロストレーニングにより得られるメリットや効果について解説します。
具体的なメリットには以下のものがあります。
・有酸素性持久力の向上
・筋力・筋持久力の向上
・身体の柔軟性向上
以下で解説して行きます。
メリット①有酸素性持久力の向上
クロストレーニングのメリットとして、有酸素持久力の向上があります。
有酸素運動にはランニング以外に、水泳、クロスカントリースキーなどが挙げられます。
これらは同じ有酸素運動でも異なった骨格筋を使う有酸素運動です。
異なる有酸素運動を組み合わせることで、活動中の筋肉に十分な酸素を供給する能力が上がるのです。
ランニング、水泳、自転車、クロスカントリースキーでは異なる骨格筋を使うので、異なる有酸素運動を組み合わせることで、メインの種目では動員しない骨格筋へ酸素を送る能力が高まり、その結果有酸素持久力が向上するのです。
マラソンの元世界記録保持者、ハイレ・ゲブルセラシエ選手がメインの陸上競技以外に室内でのエアロバイクをトレーニングとして導入していたことは非常に有名です。
TOYOTAの服部選手も、テレビでエアロバイクによるエルゴインターバルを導入していたシーンが紹介されていましたし、トップ選手の中でもクロストレーニングが導入されていることは明らかです。
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最近では低酸素ジムなどの特殊な環境でクロストレーニングを行うことも一般的になってきました。
メリット②筋力・筋持久力の向上
クロストレーニングのメリットとして、筋力や筋持久力の向上が挙げられます。
筋力や筋持久力はあらゆるスポーツ種目で必要とされる能力で、特に素早い瞬発的な動きが必要とされる時には最も重要な要素です。
メインで取り組む種目以外に補助的に筋肉に負荷を与えることで、単発でその種目に取り組む以上のトレーニング効果を得ることが出来るのです。
クロストレーニングの一環としてウエイトトレーニングなど負荷の高い筋力トレーニングを行うことがおすすめです。
筋力トレーニングにより、筋肉に一定水準以上の負荷がかかり、専門とするスポーツ種目だけではトレーニングできない筋力の増大を可能にします。
マラソンやトレイルランの選手が、筋トレを補助的に入れるのはその為です。
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また、筋力トレーニングは筋肉だけではなく、筋持久力の向上にも効果的です。
筋持久力とは一定の負荷がかかった状態で長時間繰り返し筋収縮がなされる体力要素であり、漕艇、器械体操、長距離走、レスリング、水泳などのスポーツ種目に必要とされるものです。
筋力が向上すると筋持久力も向上する傾向があるため、筋力トレーニングをすることによって動きをより多く繰り返す能力も付くと言うわけです。
筋トレについては以下記事で解説しておりますので参考にしてみてください。
メリット③身体の柔軟性向上
クロストレーニングのメリットとして身体の柔軟性の向上が挙げられます。
柔軟性はほとんどのスポーツ種目で必要な体力要素です。
関節を広い範囲で動かすヨガ、体操、ストレッチ等とのクロストレーニングによって柔軟性を高めることができます。
またこれらの柔軟性を高める運動は激しい運動によるストレスが原因で起こる関節の痛み、炎症を緩和する効果もあります。
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最近は練習前はあまり筋肉を伸ばさず、練習後にしっかりストレッチすることが一般的になってきましたよね。
どのくらいの負荷でクロストレーニングを入れるべきか?
クロストレーニングでパフォーマンスを上げたい場合に、どの程度の負荷で行うか迷う方は多いと思います。
これはトレーニングの目的により負荷を使い分けることがおすすめで、具体的には
・パフォーマンスアップが目的の場合
・リカバリーが目的の場合
でクロストレーニングの負荷が分けられます。
以下で解説して行きます。
パフォーマンスアップが目的なら高い負荷でクロストレーニングを行う
パフォーマンスアップを目的とするならば、メインとするスポーツと同じくらいの負荷でクロストレーニングを行うのが効果的です。
例えば、陸上で2日以上連続のインターバル要素のトレーニングを入れることは難しいですが、2日目のインターバル要素がエアロバイクならこなすことができます。
身体に悪い負荷を掛けずに目的とした負荷を掛けるには、別の運動要素でもしっかり追い込む必要があるのです。
最近ですとZWIFTはオススメですね!これまで退屈だった室内のバイクトレーニングを一気に面白くしてくれたツールです。
ZWIFTについては以下で解説しています。
リカバリーが目的ならば低い負荷でクロストレーニングを行う
リカバリーを目的とするならば、低い負荷でクロストレーニングを行うのが効果的です。
私の場合はランニングのポイント練習の翌日に、以前は完全休養を入れていました。
しかし、回復効率を考慮するのであればクロストレーニングを入れた方がいいのではないかと思い、エアロバイクを導入したり、クロスバイクでの移動を増やしたところ、リカバリー効率が上がりました。
詳細は以下記事で解説しております。
その他のクロストレーニングの活用方法
クロストレーニングのメリットについて解説してきましたが、これはトレーニングの相乗効果についてでした。
しかし、クロストレーニングにはその他の活用方法もあります。
具体的には
・ウォーミングアップやクーリングダウン
・怪我からの復帰リハビリ
・心理的休息
が挙げられます。
以下で解説していきます。
活用方法①ウォーミングアップやクーリングダウンとして活用する
クロストレーニングの活用方法として、ウォーミングアップとクーリングダウンに利用することが挙げられます。
ウォーミングアップはトレーニング時に最大能力を発揮するために、運動の前に行われる体の準備運動です。
また、クーリングダウンは長い激しい練習から徐々に心拍数を下げることにより、効果的な回復を図ったり、スポーツ障害や痛みを予防する目的で行われます。
これらにおいてもクロストレーニングを利用すると効果的です。
つまりメインとする種目以外に取り組むことでウォーミングアップやクーリングダウンを行うのです。
実際私も本練習であるトレッドミルでのペース走を行う前は、1キロほど水泳を行ったりすることでスムーズに練習に入ることができます。
ペース走の直前はランニングによるウォーミングアップの方が効果的だとこれまで思っていましたが、意外と別の種目を入れる方が調子が良かったりします。
水泳もオススメですが、最近導入して良かったと感じているのが「クロスバイク」です。
私の場合、マラソンやトレイルランニングのポイント練習(きつい練習)にはジムでのトレッドミルやトラックでの追い込み練習を行いますが、その際の移動手段にクロスバイクを使っています。
歩きや車で練習拠点に向かう以上に、クロスバイクという別の運動要素を入れることで効率的にトレーニングに入ることが出来ます。
また、クロスバイクは練習が終わった後の疲労回復にも最適です。
クロスバイクの良いところは、ママチャリと比較してランニングに使用する筋肉の割合が多いということと、ロードバイク程窮屈でないにも関わらずスイスイ進めるということです。
長時間乗っても疲れないのです。
例えばペース走や距離走など負荷の強いトレーニングを行った後は、1時間程度サイクリングしてから家路につく方が、気分転換にもなりますし、身体に蓄積した乳酸も効率的に除去することが出来ます。
クロスバイクの詳細は以下記事で解説しています。
活用方法②怪我からの復帰リハビリとして活用する
クロストレーニングの活用方法として、怪我からのリハビリがあります。
スポーツ障害が原因で専門とするスポーツの練習に参加できない場合でも、クロストレーニングを続けることによって裏トレーニングの影響を少なくすることができます。
よってクロストレーニングはリハビリにも有効となります。
怪我のために腕や足の1部を動かすことができない時、筋力や柔軟性のトレーニングが別の部位に重点が置かれる場合があるのです。
活用方法③心理的休息として活用する
クロストレーニングの活用方法として、心理的休息があります。
スポーツで高いパフォーマンスを求めるほど、「トレーニングをもっとしなくては」という気持ちになります。
トレーニングを多く入れることは重要なのですが、やり過ぎればオーバーワークになってしまい、肉体的にも精神的にもダメージが刻まれます。
そういった事態を防ぐのにクロストレーニングは最適です。
理由は完全休養ではなく別の要素の刺激を入れるので心も体もリフレッシュすることが出来るからです。
私の場合、これまでポイント練習以外はダラダラとジョギングをしてしまうことがありました。
しかしダラダラとジョギングをするのであれば、別の種目で思い切ってランニングから離れることが効果的だということに気が付いたのです。
あと先に解説したクロスバイクも心理的休息にはおすすめです。
まとめ
本記事ではクロストレーニングについて、定義やメリットについて解説していきました。
自分の慣れた動き以外を取り入れるのはなかなか抵抗があるかと思いますが、実際にクロストレーニングを行うことで得られるメリットは大きいです。
月間走行距離に縛られているランナーは、思い切って距離を気にするのではなくクロストレーニングで質を追い求めてみては如何でしょうか?
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