4月になると陽射しの強い日が少しずつ増えてきますね!
そんな日が増える頃にいつも感じるのが「今年は熱い中でも走れる身体を作らなくては」ということです。
ここ数年夏場のレースに何度かチャレンジしていますが、ほとんどまともに走れたことがありません。そこで本記事では夏場のトレイルランニングに必要不可欠な暑熱順化について解説したいと思います。
本記事は以下の方を対象にしています。
・暑さの中のレースに弱い
・暑熱順化の具体的な対策について知りたい
以下記事で解説していきます。
トレイルランニングでは暑熱順化トレーニングは必須
トレイルランニングでも5月~7月に低山で開催されるレースについては暑さ対策が必要になります。特に5月の連休明けとか一時的に35℃など夏場ばりに気温が上がることがあるので、レースやトレーニングに出かける際には覚悟が必要です。
かくいう私もいつも暑さの覚悟はしているのですが、幼少のころから暑さに弱く、パフォーマンスが一気に落ちて走るどころの話ではなくなるくらいダメ野郎になります。
特に顕著だったのが比叡山インターナショナルトレイルランの50マイルレースがそうでした。最初に参戦して総合6位に滑り込んだ時にはスタート時に雨。少し肌寒いくらいだったのですがこれが完走に繋がりました。
かと思えば別の年に参加した同じレースでは気温が35℃まで向上して50マイル完走どころか20㎞でリタイアという何ともしょっぱいレースを喫してしまったのです。
もうね、10㎞地点あたりで全然身体が動かなくなり根本中堂に到着する頃には完全に腐っていたのを記憶しています。
マイルで参るとはまさにこのことでしょう。
そんなリタイアした自分を責めながらも、暑い中でも冬場と同じようなタイムで走れる選手も当然いるわけで、そういう人たちと自分は何が違うのか非常に気になっていました。あいつら宇宙人じゃないのか。。?と思うわけです。
これまでは自分は暑さに弱いことは分かっていたので、熱い中でのレースは避けるようにしていましたが、レースでは途中から急に暑くなることはこの先もあることなので、暑熱順化は必要になります。
記事でその方法について解説していきます。
暑さに強い(暑熱順化できている)とはどういうことなのか?
トレイルランニングで暑さに強いというのは、つまりトレイルランニングウをしても熱中症にならないということです。熱中症になる要因は様々ですが、まず熱中症の原因となる熱は様々なものがあり、
・外気温
・湿度
・空気の流れ(風)
・直射日光
・深部体温の上昇(筋肉による発熱)
・放熱効率
などがあります。
これに水分補給方法や吸収効率などの要素も関連してきます。これだけみてもかなり多くの要素がありますよね。
私たちがコントロールできるものには、
・放熱効率を上げる
・深部体温の上昇を抑える
・水分補給効率
以上があります。これらの能力を後天的に高める必要があり、それが暑熱順化ということです。具体的にどうすればいいのでしょうか?
暑熱順化トレーニングの具体的な方法
ではどういうトレーニングをしたら暑熱順化できるのか?ということですが、具体的なトレーニング例は以下の通りになります。
・暑熱下での有酸素運動
・涼しい環境でのハードなトレーニング
・サウナ
が挙げられます。
以下で解説していきます。
暑熱順化のトレーニング方法①暑熱下での有酸素運動
暑熱順化のトレーニング方法として、暑熱下の有酸素運動が挙げられます。
まず暑熱下で90分近く走るということですが、これには後述するサウナと同じ効果を狙ったものです。
直射日光の中走るのはあまりお勧めできませんが、夏場にウエアーを着て夜間走ることでも十分効果があります。
トレイルランニングの専門書などにもこの方法は推奨されていますが、負荷を間違えるとダメージも大きいのであまりオススメはできません。
試しにこの方法でトレーニングを入れてみて、もしハマるのであればルーチンに取り入れてみてください。
暑熱順化のトレーニング方法②涼しい環境でのハードなトレーニング
涼しい環境でハードなトレーニングを行うことも暑熱順化には有効です。
夏場に質の高い練習なんて出来ないよ!という気持ちはよくわかります、なので追い込むトレーニングは室内でやりましょうって話です。
もしくは涼しい夜の時間でも効果があります。大事なのは万全の環境で質の高い練習を行うことなのでむしろ暑くない環境の方が良いのです。
質の高いトレーニングを行うと血漿量が増加し、暑い中でも高いパフォーマンスを発揮できる体になるのです。
詳細は以下記事で解説していますので参考にしてみてください。
また、サブエガを達成して時の夏は、ロングランは以下記事の様に工夫していましたね。
暑熱順化のトレーニング方法③サウナ
これまで暑熱順化の為にサウナに入ってきました。ジムでトレーニングした後に入るのですが、体重も落ちるので非常に気分が良いです。
しかし入りながらいろいろなことを考えるのが、水分はどのタイミングで補給すべきか、最低でも何分間入るべきか?出た後はすぐに水風呂につかるべきか?ということで、それらがトレイルランニングの暑熱順化に効果のないものであったら考えを改めなくてはなりません。
サウナは暑熱順化だけでなく様々な素晴らしい効果があるのでそのあたりもまとめて解説していきます。
【暑熱順化】サウナの仕組みや効能
まずサウナで得られる効能について解説致します。
結論から言いますと
・汗をかきやすい身体ができる
・脳疲労や身体の疲労が取れる
以下で解説して行きます。
サウナに入ることで汗をかきやすい身体ができる
サウナは通常では考えられないほどの暑い環境なので、それに適応する為に多くの汗をかく必要があります。
サウナに入ることにより汗をかく体制が整うので、身体を冷却しやすい体質が出来上がるのです。
暑熱化では身体を冷却しなくてはならないので、深部体温を下げるべく人間の心拍は上昇します。
暑熱下では身体に汗をかかせるために体表の血管に血液が集まってきて、骨格筋や身体の中心部に送られる血液量は少なくなります。
酷暑の中で走っているときにも同じ現象が起き、身体の表面に汗をかかせるために、骨格や身体の中心部に行く血液量は減少するので、暑さの中走ると筋肉のパフォーマンスが大幅に下がるのはこのためです。
その為にサウナに入ることにより、熱い中でもすぐに汗をかける体質を作り上げるのです。身体が暑さに速やかに対応して汗をかければその分冷却に要する血液量は少なくて済むのです。
私が比叡山50マイルで棄権した時は本当に身体が動かなくなり、歩くのもやっとなくらいでしたがこれは身体の深部体温が上昇して心拍が上昇し、骨格筋に血流が殆どいかなくなったということでしょう。
マジきつかったです。
これがサウナなどの暑熱順化のトレーニングを継続すると、より低い心拍で対応できるようになるのです。つまり暑い中でもパフォーマンスを落とさずに活動できるということです。
消防隊員が夏の出動に向けて、消防服を着た状態でランニングするトレーニングをしていますが、あれは暑い中で体を動かすことにより、汗をかきやすい体質に変化させようとしているのです。
サウナは脳疲労や体の疲労が取れる
また、日ごろハードに使用している脳を休ませる効果もあります、
脳は特に何も考えていない状態でも絶えず働いています。しかしサウナに入ることによりその活動が生命活動の維持に強制的に集中させられるので、余計な脳疲労を締め出すことができ、それが疲労回復効果に繋がるのです。
サウナに入っているときは身体の体表に血液が集まりますが、その後に水風呂に入ることによって今度は静脈など身体の中心部に血液が集まりそれらは一気に脳や全身の臓器に送り込まれます、身体の疲労物質は血流によって流されるので、サウナに入ったとにしっかりと水風呂に入ることで脳疲労や身体の疲労を取り去ることが出来るのです。
私も週に3回近くサウナに行きますが、リカバリー効率はかなり高いと感じています。
マラソン元日本記録保持者の大迫傑選手もサウナを利用されているようで、合宿中のケニアでサウナに入っています。本人のYouTube動画を見ると暑熱順化というよりは、サウナのリラックス効果や疲労回復効果を狙って利用しているようです。
サウナの正しい入り方
目的にもよりますが、今回は暑熱順化と疲労回復を目的としたサウナ活用方法について解説します。
結論から言うと、
・身体を洗う
・サウナに入る
・安静時心拍の2倍になるまで我慢する
・汗を流して水風呂に入る
・外気浴をする
この繰り返しを3~4回繰り返します。
安静時心拍がもともと高い人はジョギング時の心拍120bpmくらいを目安に入られるといいでしょう。
私の場合サウナに入り続けた結果、安静時心拍の2倍になるまでの時間が徐々に伸びてきたり、3回が限界だったのが6回繰り返すことが出来るようになってきました。暑熱順化が出来てきたということです。
まとめ
今回は暑熱順化について解説しました。春先以降のトレイルランニングは極端な話、熱中症になりながら如何に頑張れるかのスポーツと言っても過言ではなく、その中でいかに高いパフォーマンスを発揮するかがポイントになります。
マラソンの持ちタイムが良く、冬場のトレイルランニングでは明らかに格上の選手にも暑熱順化ができていれば夏場のレースで勝つことだって十分あり得ます。
暑さ対策をすることはスポーツ以外でも様々なメリットがあるので是非取り組んでみましょう。
特にサウナはオススメです。
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