今回はファストパッキングやデイリーユースに使える山と道ブランドのザック、MINI2の紹介です。
本記事では以下の方を対象にしています。
・山と道ってどういうメーカー?
・山と道のザック、MINI2の使い勝手について知りたい
・山と道のザック、MINI2は登山以外でも使えるのか?
・山と道のザック、MINI2のサイズ感は?
以下記事で解説していきます。
山と道のザック「MINI2」の特徴
山と道のザック、MINI2の特徴について解説します。MINI2は大きく分けて以下の特徴があります。
・背面についた大型のメッシュポケット
・背負いやすい抜群の荷重バランス
・洗練されたデザイン
以下で解説して行きます。
背面についた大型メッシュポケット
何といってもMINI2のポイントとしてはザック背面についた大型のメッシュポケットでしょう。実際にアルプスに行ったときに非常に便利でした。
製作者の意図としては、ビバークやテント泊などをした後に、全てのパッキングを済ませてから、シェルターやテントを最後に収納する様なイメージで作ったとのことです。まさに最後に朝露でぬれたシェルターなどの野営具を収納するにはピッタリの空間です。
山で機動力を確保するには荷物は可能な限り少なくする必要がありますし、濡れた荷物は濡れたままザックに戻すことは好ましくありません。山で長距離縦走するには荷物の重さは山での機動力・行動時間に直結します。つまりミニマリストになるには持参したウエアーを一度着たものも汗を乾燥させながら再度着まわすような工夫が必要になり、このメッシュポケットはそういった時にも活躍するのです。
また、このメッシュポケットにはすぐに取り出したいものを入れておくにも最適です。例えばヘルメットやレインウエアー、ヘッドライト、行動中の血糖値維持のために定期的に食べる携行食などです。
濡れたウエアーでありながら、またすぐに使用するものであれば早く乾かす必要がありますし、濡れたウエアーほど頻繁に使うものだったりします。そういったものを背面に入れておくことで自宅から山に持参する着替えを減らし、軽量化することができるのです。
背負いやすい抜群の荷重バランス
MINI2は抜群の荷重バランスで、背負っていて疲労が少ないのも特徴です。MINI2は8㎏までのパックウエイトに対応してデザインされており、肩甲骨から胸骨にかけての上半身で荷重を無理なく分散するように設計されています。
なので腰に荷重が来ない様に身体の上部で背負うことを意識するといいでしょう。
以下の写真は実際にMINI2でアルプスの縦走をした時ですが、背中の上部でMINI2を背負うことで終始楽に行動することが出来ました。
素材
MINI2の素材についてですが、まず山と道のロゴが入っているザック底部ですが、ここには耐久性のある「X-PAC VX21」という生地が使われています。本体の薄手の生地とは異なりザックに入れた荷物をしっかり受け止めてくれる心臓部とも言える部位です。
MINI2の本体部分はかなり薄手の生地が使われており、これが市販の登山ザックとMINI2の外観を全く異なる正確に見せているのだと感じます。記事は30デニールのナイロン生地をベースにシリコンとウレタンをコーティングしたスカイライトという素材が使用されています。
スカイライト生地がこれだけ柔らかいので荷物が少ない時も多い時もベストなサイズのザックとして活躍してくれるわけですし、市販の登山ザックよりもコンパクトに見える上に軽量化も実現出来ているわけです。
ただしその分弱点もあり、防水素材ではないということがあります。その為にザックカバーなどは別途購入しておく必要があります。私の場合はザックの内側にスタッフサックなどを入れて、中の荷物が水濡れするのを防いでいます。
次にMINI2の大きなポイントであるメッシュのフロントポケットです。このポケットに使用されてるハードメッシュは見た目以上にと頑丈で、ヘルメットなどを入れてもシッカリホールどしてくれます。実際にアルプスに行った時はこのポケットに思い切って大事なものをけっこう入れていましたが、それだけ安心感があったからです。
ハイカーによる洗練されたデザイン
MINI2は見た目が非常に美しいです。美しくありながらどこか市販の完成された登山ザックとは違った味やハンドメイド感もあります。
パット見どこのメーカーかわからないことや、ロゴが目立たないのも魅力でしょう。私は山と道が好きなのですぐにわかりますが。登山を始めたばかりの人や、登山をしない人にとっては不思議な形のザックと感じることでしょう。
なぜこのザックがこんなにも使いやすく、かゆいところに手が届くのかというと、デサインをしているのがファストパッキングを専門とするハイカーだからです。
ファストパッキングは山を熟知する必要があり、山を登る前の計画から何を持ち、何を置いていくのかを突き詰める必要があります。あれもこれもと荷物を詰め込むと機動力が失われるからです。
ファストパッキングの記事は以下で解説しています。
そして厳選された荷物を取り出しやすいように、また背負った時に疲れにくい荷重を彼らはよく知っています。ハイカーだからこそできた洗練されたザックがMINI2だということです。
アルプスに行った時の山と道「MINI2」の使い方
実際にアルプスに行った時のMINI2の使用例です。
実際の行程(新穂高~黒部五郎小屋)
この時は新穂高の駐車場に13:00に到着し、東鎌尾根を経由して黒部五郎小屋まで行くスケジュールでした。寝坊したのでスタートが遅れましたが、何とか日が沈む前に黒部五郎小屋に到着できました。
持参した装備
この時に持参した装備は以下の通りです。
・ストックシェルター
・シュラフカバー
・ガス
・コッヘル
・ヘルメット
・レインウエア上下
・ハイドレーション
・GPSウォッチ
・ミニマリストパッド
・ストック
・ベースレイヤー
・ミドルレイヤー
・エマージェンシーブランケット
・ダウンジャケット
・補給食
以上をMINI2に入れましたが、全くストレスなく入れられました。
その時の野営時はこんな感じです。
夏場でも2時頃になると寒く、足をザックに突っ込んで寝る感じでした。そんな時にも形状や深さがちょうどよく快適でした。
TJAR(トランスジャパンアルプスレース)での「MINI2」使用例
過去にTJAR(トランスジャパンアルプスレース)に出場した選手がMINI2を使用した時の装備例です。TJARは日本海(富山)から北アルプス~中央アルプス~南アルプスを縦走し、最後は太平洋がゴールの約400㎞のレースです。これだけの長い距離を制限時間内である8日で走り切るには装備を切り詰めながらも必要なものは全てザックに入れる必要があります。
つまり必要なものは入れて、不必要なものは持たないの究極の選択が必要になるので、ファストパッキングの究極とも言えるレースなわけです。
この過酷なレースでMINI2はどのような使い方をされたのでしょうか?
以下はTJAR報告書に掲載されていたMINI2を使用していた選手のデータです。
MINI2に収納できたTJARの必携品
では実際にTJARで使用されたMINI2にどれだけの必携品が入ったのでしょうか?以下がTJAR報告書に記載されている必携品とされているリストです。
- ヘッドライト2個、もしくはヘッドライト1個とハンドライト1個(ライトの予備電池を含む)
- docomoの携帯電話もしくはスマートフォン(防水処理要、予備バッテリー含む)
- GPSトラッキング端末(GPS端末、防水ケース、予備バッテリーは当日配布)
- 地図/全区間(ビニール袋等に入れて防水処理要、電子デバイスでの地図のみは不可)
- コンパス
- 筆記具(黒、赤ボールペン)
- 計画書(ビニール袋等に入れて防水処理要)…TJAR2016登山計画書
- 山岳保健所(ビニール袋等に入れて防水処理要)
- 保険証(ビニール袋等に入れて防水処理要)
- 車免許証等の写し(本人確認が必要なもの、ビニール袋等に入れて防水処理要)
- ビブゼッケン&ザックゼッケン&露営具ゼッケン(受付時に配布)
- 防寒具(ビニール袋等に入れて防水処理要)
- レインウエア上下…透湿防水機能があり、シームシーリングしてあること。(ウインドブレイカー、ポンチョはNG)
- 帽子&手袋:各1
- 露営具(テント、ツェルト、シェルター等…どれか1つで良い)
- シュラフ、シュラフカバー、レスキューシート等…どれか1つでよい
- 鈴(クマ除け用)
- 水…1ℓ以上(複数の容器に入れること)
- 非常食…カロリーメイト、パワーバー等
- 服装…手首、足首まで覆うことが出来る服装が準備されていること。(防寒具や雨具での兼用はNG、Tシャツ短パンのみはNGで、アームカバー、レッグカバーは可、但し肌が露出しないこと。)
- クライミングヘルメット(EN12492もしくはUIAA106適合品に限る)
- 赤色点滅燈(行動用ライトとの併用不可)
- ファーストエイド(大会中に起こりうるアクシデントを想定したもの、緊急時に対応できるもの等)
以上がTJARの必携品リストです。選手自身が寒さに強ければルールの範囲内で薄手の装備に変更することも可能ですが、そうでなければ重量を覚悟してそれなりの装備を準備する必要があります。
山と道のザック、「MINI2」はサコッシュとの併用がおすすめ
MINI2に限らず山と道のザックは、前側で荷物を裁くようなデザインにはなっていないということです。トレイルランになれた人であればこれに不自由を感じる方は多いかと思います。(あえてこういうデザインにしているのだと思いますが、私としては胸元にポケットが付いている方が好きです。)
そこで登場するのがMINI2とサコッシュとの併用です。サコッシュがあれば頻繁に使用する小物はザックを降ろさずに前側でさばくことができますし、貴重品など落としたくないものを管理するにも最適です。
山と道のザック、「MINI2」のサイズ感
次に山と道のザック、MINI2のサイズ感についてです。
Mサイズ:25L~35L(340g)
Lサイズ:28L~38L(380g)
になります。
あまり大きいとこのザックの良さが発揮されないので、男性でも173㎝くらいの標準の方でしたらMサイズがちょうどいいかと思います。
ザックは遊びが多くて使用中に動くと疲れるので、なるべくジャストサイズで使用することをおすすめします。容量もかなり調節できるので、予想よりも荷物が多くなった場合でも対応できます。私は現在173㎝62㎏ですが、Mサイズでちょうどよいです。
トレイルランニングザックか?「MINI2」か?
シェルターや小型のテントを使用する様な縦走の場合はMINI2を使用し、宿泊でも小屋を利用する場合は少し大きめのトレイルランニングザック、つまり100マイルレースの必携品もすべて入れられる様なザックを使用します。小屋泊では私の場合、Ultraspireのザイゴスを使用することが多いです。
MINI2は登山以外でも使える!
MINI2はその高い汎用性の為、登山以外でも十分活躍してくれます。私の場合、スポーツジムに行く時にも重宝しています。
スポーツジムに行く時って意外と荷物がありますよね?私の場合はジムで有酸素と筋トレ両方やるので、ウエアーも2パターン持っていきますし、シューズも必要です。以下がジムに持参するものです。
・ウエアー上下
・シューズ
・タオル
・バスタオル
・iPod
・ウォークマン(水泳時)
・プロテイン
・ヘッドライト(クロスバイクで行くため)
ざっとこんな感じです。ランニングのリカバリー時に水泳とバイクのセット練習も行うので、その場合はウエアー類がさらに増えます。
パッキングするとこんな感じ。登山に比べるとかなり荷物が少ないので、そういう時はザックの紐で調節すればこんなにもコンパクトに出来ます。
そしてクロスバイクでジムに向かうと言った感じです。ちなみにクロスバイクもかなり使える上、トレーニングにもなるのでかなりオススメです。以下にその関連のリンクも貼っておきます。
まとめ
今回は山と道のザック、MINI2について解説してみました。職人がオーダーを受けてからの手作りなので、手に入れるのに時間がかかってしまいますので、急いで購入したい方はメルカリなどで探した方が良いです。
その中でどうしても気に入った色がなければ、多少待つことにもなりますが自分の好きな色をオーダーするのも良いでしょう。
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