ランナーの方であれば一度は聞いたことのある練習「LSD」。
今回はこのLSDについて解説しようと思います。
とてもゆっくり走ることから、自分の成長があまり感じられないトレーニングで、私も最初に取り組んでいた頃は正直やる意味があるのか極めて懐疑的でした。
よって、
・LSDの効果について知りたい
・LSDは誰にでも効果的なのか?
・LSDを行う際のポイントについて知りたい
といった方向けに記事を作成してみました。
以下で解説していきます。
LSDとは何か?
LSDとはロングスローディスタンス(Long Slow Distance)のことで、長い距離をゆっくり走る練習を指します。
よくLSDと言いながら4㎞/分ペースで走る人がいますが、これは速すぎです。1㎞4分ペースってケニアの早朝のロングランのペースですからね。
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私もロングランの時にはトレーニングの目的がそもそもLSDとは異なるので、長い距離をそこそこのペースで走りますが、LSDで必要とされるペースとは程遠いペースです。
私がいた大学でもLSDは行われていましたが、このトレーニングは「Last Super Dash」を意味していました。
最初は確かにゆっくりなペースなので、確かにLSDとしての意味はなしていたと今考えれば思いますが、最後はちょっとペース上げ過ぎです。
心肺的には楽なペースなので気持ち的には楽なのですが、私のいた部では「Last Super Dash」でしたので、かなり練習前からビビっていた記憶があります。
LSDの効果について
次にLSDの効果について解説します。
LSDの効果として一番言われるのは毛細血管の発達を促すというものです。
つまり長時間足を地面に叩きつけることで、その刺激で毛細血管が発達して長時間走っても疲労しない体になるということです。
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ランニングは骨格筋を使いますが、その骨格筋に栄養素を血液を介して運搬するのは毛細血管です。その毛細血管が多く発達しているというのはランナーとしては大きなメリットになります。
また、代謝経路を刺激するにも効果的です。
LSDはゆっくり走るランニングですので、当然ながら低い心拍を長時間継続することになります。
低い心拍では乳酸の産生量も少ないですし、代謝経路としては脂質代謝が優位に進みます。
この脂質代謝経路は有酸素能力の開発の為に定期的に刺激する必要がありますが、ランニング時はどうしても皆さん速くなりたいという気持ちが強いので、強度の高いトレーニングに固執しがちです。
つまりゆっくり走ろうと意識しないと高い心拍でのランニングがメインになってしまうのです。
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また、走っていて徐々に気分が良くなることも特徴です。
低い運動負荷ですので、気持ち的にもゆとりがあり、ランニングですので血液は循環し、老廃物の除去にも効果的です。
そういった意味でLSDはリカバリーやコンディションを向上させるには良いトレーニングですので、ポイント練習前のコンディショニングには最適です。
そもそもLSDはやる意味があるのか?
そもそもLSDは必要あるのか?というランナーの皆さんが疑問に思っていることでしょう笑。
これは選手によってLSDの必要性や活用方法は異なります。
LSDは既にマラソンで3時間を切るような選手ではあまり必要ないと言えますし、まだ走り始めたばかりの選手であれば最も重要なトレーニングとなります。
よってランナーのレベル別でペース設定が重要になります。
各レベル別でのLSD設定については以下で解説して行きます。
レベル別LSDのペース設定について
次にLSDのペース設定についてですが、これは選手の力量によってペース設定は変わってきます。
そこで
・ランニングに慣れているサブスリーレベルの選手
・走り始めたばかりの選手
以上で比較してみたいと思います。
レベル①サブスリーレベルの選手のLSD設定
まずサブスリーレベルの選手のLSD設定ですが、1㎞あたり6分から7分のペースが良いでしょう。
ゆっくりであればそれ以上遅くても問題ありません。
ポイントはトレーニングの要素が変わってしまうような負荷で走らないことですので、むしろ早すぎないように注意すべきです。
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レベル②走り始めたばかりの選手のLSD設定
次に走り始めたばかりの選手のLSD設定ですが、2時間近く継続して楽に走れるペースです。
フルマラソンが5時間近くかかる選手は1㎞あたり6分ペースでもLSDにはならないので、注意が必要です。
そういった場合はウォーキング程度のペースでのランニングでも十分効果があるでしょうから、まずはじっくり歩くことから始めるべきです。
LSDを行う際のポイント
次にLSDを行う際のポイントについて解説します。
トレーニングにおいてコントロールすべきことは
・運動負荷
・ピッチ
以上の2つです。
ポイント①運動負荷
最初のポイントとしては運動負荷です。
先にも解説しましたが、LSDであれば運動負荷が大きいと意味がありません。慣れてくれば走りのリズムで管理できますが、最初のうちは心拍で管理すると良いでしょう。
心拍で管理するのであれば110bpm未満ぐらいが良いかと思います。
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2時間近く継続して走り続けられる運動負荷でなくてはならないので、最初から1㎞辺りのペースを設定するのはナンセンスです。
ポイント②ピッチ
次のポイントとしてはピッチです。
ピッチについては可能な限り早い方が好ましく、レース本番と同じくらいのピッチが良いでしょう。
つまり歩幅を小さくピッチは速くなのでチョコチョコした走りになります。
骨格筋は脳から指令があって、神経を介して収縮します。ピッチを速めることでその一連の流れをLSDの最中でも経験させることができるのです。
人間は記憶に左右される生き物ですので、LSDであってもそれなりのピッチで走ればレース本番のピッチにも適応することが出来ます。
自転車の選手がローラーで速いピッチで回すトレーニングを行うのは神経系を強化しているのです。
箱根駅伝に出場する選手の日頃のジョグを見たことのなる方は分かるかと思いますが、ゆっくりジョグをしている時のピッチは極めて小さいです。
あくまでチョコチョコ走る感じですね。
ここまで心拍やピッチについて解説してきましたが、それらのデータを走りながら確認するにはGPSウォッチが不可欠です。
以下でオススメのGPSウォッチを紹介しておりますので参考にしてみてください。
ちなみに私はSUUNTO 9 PEAKというウォッチを最近購入して重宝しています。マラソンにもトレイルランにもかなり使えるので参考にしてみてください。
【美しさと高い機能性】SUUNTO 9 PEAKレビュー!機能やデザイン、SUUNTO 9 BAROとの違いについて解説!
ランナー別のLSD活用方法
先に解説した内容を踏まえて、ランナーのレベル別LSD活用方法について解説します。
つまり
・ビギナーランナー
・競技者レベルランナー
でLSDの目的は異なるということです。
以下で解説していきます。
活用方法①ビギナーランナーの場合
まずビギナーランナーのLSD活用方法です。
これはもう毛細血管の発達や脂質代謝経路の開発、これからマラソンやポイント練習を行うための身体づくりを目的となるでしょう。
最初からポイント練習を入れても怪我をしがちなので、8割型の練習はLSDで良いと言えるでしょう。
活用方法②競技者レベルのランナーの場合
次に競技者レベルのランナーのLSD活用方法です。
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競技者レベルのランナーの場合、LSDは強化には必要ありません。
どちらかというと競技者レベルのランナーがLSDをするのであればコンディションを向上させる際に必要になってきます。
私も一応競技者レベルのランナーに分類されることになりますが、LSDをおこなうときは滅多にありません。
やるとしたらポイント練習間のリカバリーや、レース翌日に老廃物を回すために自転車練習を入れるかLSDを入れるかのどちらかです。
LDSで走力が向上することはないのです。
LSDに関する書籍
ここまでLSDについて解説してきましたが、LSDに関する書籍を紹介しておきます。
私がわざわざ紹介するまでもないほど有名な書籍ですが、「ゆっくり走れば速くなる」です。
ただ、この書籍で書かれているトレーニング内容はLSDだけではありません。LSDの他に補助的に入れるランニングについても言及されていますので、「LSDだけで速くなる」ということに注意すべきです。
そうでないと誰でも簡単に散り組めるLSDですから、トップアスリートが量産されることになっちゃいますからね。
LSDについてメインで書かれてはいますが、トレーニングの本としては良書だと思います。これからランニングを始めて間もなく、この先に記録を狙っていきたい人であれば読んでおきたい書籍です。
速くなりたいのであればLSD以外のトレーニングが必要
マラソンやトレイルランニングで速くなりたいのであれば、様々な負荷で走るトレーニングが不可欠です。
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例えばインターバルトレーニングであれば、疾走区間のペースや、そのペースを維持する長さなど様々な要素が必要になってきます。
トレーニングは様々な刺激の相乗効果です。特に効果的なトレーニングはロングファルトレクだと自分の中では感じていますが、
その中のトレーニングの1つとして入れるべきなのがLSDなのです。
自分の中で土台が怪しいなと思えば取り組むべきでしょう。
まとめ
今回はLSDについて解説してみました。
自分の走力に合わせて、ゆっくり長く走るLSDはリカバリーにも強化にもなり得ます。
是非活用してみてくださいね。
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