志賀高原100は、長野県の志賀高原を舞台に開催されるトレイルランニングレースです。
100kmをはじめ複数のカテゴリーが用意されており、2026年大会では40kmの部に出場してきました。
志賀高原100への出場を考えている人の中には、
「40kmはどのくらいの難易度なのか?」
「累積標高はどれくらいあるのか?」
「実際のコースは走りやすいのか?」
「どんな装備や補給を準備すればいいのか?」
と気になっている人も多いと思います。
今回の40kmは、スタートからフィニッシュまで雨が降り続き、トレイルの路面もかなり荒れたコンディションとなりました。
その中で実際に40kmを走り、4時間43分でフィニッシュしています。
この記事では、志賀高原100 40kmのコースや累積標高、実際に走って感じた難易度について、2026年大会のレース内容を交えながら紹介します。
また、レースで使用したシューズや心拍センサー、実際に行った補給についても紹介していきます。
これから志賀高原100への出場を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
| 著者:千坂 充宏(SAMURAIGEL開発者) マラソンと並行してトレイルランニングに取り組み、ショートからロングレースまで幅広く出場しています。 主なレース実績 ・比叡山インターナショナルトレイルラン 50mile 6位 ・富士登山競走 山頂コース 3時間21分 ・各務原アルプストレイルランニングレース 優勝 ・別府大分毎日マラソン 2時間46分48秒 YouTube|マウンテンランニング研究所 |
志賀高原100とは?
志賀高原100は、長野県山ノ内町の志賀高原を舞台に開催されるトレイルランニングレースです。
2022年まで開催されていた「志賀高原マウンテントレイル」が、2023年に100kmのコースを加えて「志賀高原100」としてリニューアルされました。
2026年大会では、100km・40km・18kmの3カテゴリーが開催されています。
それぞれの距離と累積標高、制限時間は以下の通りです。

今回私が出場したのは、この中の40kmの部です。
8月末でも比較的涼しい志賀高原
志賀高原100が開催されるのは8月末です。
「8月のトレイルレース」と聞くと、かなり暑い中を走るレースをイメージする人も多いかもしれません。
しかし、志賀高原は標高が高く、2026年大会の発着地点となるサンバレーは標高約1,430m、コースの最高地点は約2,200mに達します。
そのため大会側も、
夏でも比較的涼しいことを志賀高原100の特徴の一つとしています。
平地ではまだ厳しい暑さが残る8月末ですが、標高の高い志賀高原では気温が大きく異なります。
一方で標高が高い分、
天候によっては気温が下がりやすく、雨や風が加わると体感温度も大きく変わります。

実際に2026年大会では雨の中を走ることになり、暑さよりも雨による路面状況の変化や身体を冷やさないことを意識するコンディションとなりました。
志賀高原100 40kmのコースと累積標高
志賀高原100の40kmは、公式では距離約40km・累積標高約1,690mとされているコースです。
ただし、実際に走ってみるとGPS上では42km近い距離がありました。

また、私のGARMINで計測した累積標高は1,776m。GPSウォッチによる計測なので多少の誤差はありますが、公式値よりもやや大きな数値となっています。
さらに私の場合、レース終盤にミスコースをしてしまい、約1.8km余計に走っています。そのため最終的な走行距離は44km近くになりました。
つまり「40kmの部」という名称ではありますが、
実際に出場する場合は40kmを少し超える距離を走ることを想定しておいた方がよいと思います。
コースは急な登りや下りだけが続くというより、比較的しっかり走れる区間が多い印象でした。
そのため、単純な登坂力だけではなく、アップダウンのあるトレイルで走り続ける力が求められるコースだと感じます。
一方、2026年大会はスタートからフィニッシュまで雨が降り続き、路面はかなり荒れていました。通常であれば走りやすいと思われる区間でも泥濘によってスピードを出しにくく、天候によって難易度は大きく変わります。
志賀高原100 40kmの難易度
志賀高原100 40kmは、公式では約40km・累積標高約1,690mのコースです。
数字だけを見ると、40kmクラスのトレイルランニングレースとして極端に累積標高が大きいわけではありません。
しかし、実際に走ってみると前半から思っていた以上に脚を使わされるコースという印象でした。
前半18kmまでのペース配分が重要
特にポイントになると感じたのが、スタートから18km付近までです。
この区間は登りでしっかり脚を使わされる一方、平坦な区間や林道ではある程度のペースで走ることができます。

登りも林道のような走れる登りだけではなく、ゲレンデを上っていく斜度のきつい区間も登場します。
そのため、前半から頑張りすぎると、登りでも走れる区間でも脚を使ってしまい、後半に大きく影響します。
個人的には、18kmのエイドあたりからレースをスタートするくらいの気持ちで、前半は余裕を持って進んでもいいと感じました。
志賀高原100 40kmは、
「登りで脚を使い、走れるところでもしっかり走る」
ということを繰り返すコースです。
序盤だけでなく、後半にも比較的走りやすい林道があります。
ただし、後半の奥志賀エリアはかなり山深く、小刻みなアップダウンを繰り返しながら林道を進んでいきます。
路面が乾いていれば、こうした区間はかなりスピードを出せると思います。
一方、今回のように雨で路面が濡れていると、走れる傾斜であっても足を取られます。
こうした小さな消耗が積み重なるため、18km付近までにどれだけ余裕を残せるかが重要だと感じました。
後半には大きな登りが待っている
前半で脚を使いすぎたくないもう一つの理由が、後半のコースです。
後半には大きな登りがあり、さらにレース序盤に下ってきた標高を再び登り返す区間も残っています。
前半の走れる区間でペースを上げすぎると、この辺りから一気にきつくなってきます。
さらに、最後の大きな登りを上り切れば終わりというわけではありません。
そこからのゲレンデの下りも意外と長く、ゲレンデを下り切った後にもロード区間が続きます。
「大きな登りを越えたから、あとはすぐフィニッシュ」と思っていると、最後がかなり長く感じると思います。
累積標高だけを見るのではなく、どのタイミングで登りが配置されているのか、そして登り切った後にどれだけ走る必要があるのかまで考えてペースを組み立てることが重要です。
雨が降ると難易度はさらに上がる
2026年大会で特に影響が大きかったのが雨です。
スタートから雨が降り続いたことで、路面状況はかなり悪くなりました。
下りで滑るだけではなく、登っている最中にも足がズルッと滑るような場所があります。

また、平坦なトレイルや林道でも、着地した足が滑ることをある程度想定しながら走らなければなりません。
一歩一歩ではわずかな違いでも、それが長時間続くことで少しずつ体力を削られていきます。
私自身、レース後半はこの影響による消耗をかなり感じました。
路面が良ければもう少し速くフィニッシュできた感覚もあり、志賀高原100 40kmは天候によって難易度が大きく変わるコースだと思います。
志賀高原100 40kmは簡単なコースではない
実際に走った印象をまとめると、単純に「累積標高がそれほど大きくないから走りやすい」と考えるのは少し違います。
前半から登りで脚を使いながら、走れる区間ではしっかり走る必要があり、後半には大きな登りも残されています。
重要なのは、
・登れることに加えて、走れること
・そして、前半で脚を使いすぎないこと
この2つだと感じました。
特に雨天時は路面状況による消耗も加わるため、累積標高の数字以上にタフな40kmになるコースだと思います。
志賀高原100 40kmを実際に走ってきた
2026年の志賀高原100は、スタート前から雨。
40kmの部は朝6時30分にスタートしました。
今回はタイムや順位も意識しながら、走れる区間ではしっかり走ってレースを進めています。
当日のコースや路面状況については、実際に走った様子をYouTubeでも紹介しています。
▼ 志賀高原100 40kmのレース動画はこちら
スタート~第1エイド(約8km)
レースがスタートすると、序盤は比較的走りやすいトレイルや林道を進み、その後、西舘山の登りに入ります。
スタート直後は身体も動きやすく、周囲の選手もかなり速いペースで進んでいました。

ただ、ここで勢いに乗ってそのまま走ってしまうと、その後に待っている西舘山の登りで一気に体力を使ってしまう印象があります。
そのため今回は、序盤から無理に周囲のペースに合わせず、西舘山の登りに備えて少し抑えながら進むことを意識しました。
西舘山はかなり急な登りで、ゲレンデをそのまま逆走するようなコースです。

走って登るのは難しい斜度になるため、ここでは無理にペースを上げず、できるだけ脚を使わないように慎重に登っていきます。
志賀高原100 40kmでは、第1エイドと第3エイドが同じ一ノ瀬エイドになります。

まずはこの一ノ瀬エイドまでの約8kmを、前半で余計な体力を使わずに進めることが重要だと感じました。
この区間は、「走れるからこそ飛ばしすぎない」のがポイントだったと思います。
第1エイド~林道入口エイド(約18km)
第1エイドを通過すると、次は約18km地点にある林道入口エイドを目指します。
この区間は基本的に下り基調で、平坦な林道も多く、志賀高原100 40kmの中でも比較的スピードを出しやすい区間です。

一方で、第2エイドを過ぎてから第3エイドにかけては、再び標高を上げていくコースになります。
そのため、ここで走れるからといってペースを上げすぎてしまうのはおすすめできません。
私自身、この区間は1kmあたり4分20秒~4分30秒程度で走っていました。

下り基調なのでさらにペースを上げることもできましたが、ここでこれ以上速く走っていたら、その後の登りで確実に失速していたと思います。
志賀高原100 40kmは、こうした「気持ちよく走れるところで、どこまで抑えられるか」もレースを組み立てるうえで重要だと感じました。
晴れていれば非常に気持ちよく走れる林道だと思います。
山の中を走りながらスピードも出せるため、トレイルランニングの醍醐味を味わえる区間の一つと言ってもいいでしょう。
今回は雨で路面が濡れていたため、晴天時のように気持ちよく飛ばせる状況ではありませんでしたが、それでも走りやすい区間ではあります。

また、第2エイドに向かう途中でジェルを補給。

エイドでは後半の登りに備えて、できるだけ固形物も摂ることを意識しました。
ここでエネルギーを補給して、いよいよ第2エイドから先の登りに備えます。
第2エイド~第3エイド(約31km)
第2エイドを出ると、次は約31km地点にある第3エイドを目指します。
第3エイドは第1エイドと同じ一ノ瀬エイド。ここから再び一ノ瀬まで戻っていく形になります。

この区間で大きなポイントになるのが、東舘山への登りです。
ここまでの走れる区間で脚を使いすぎていると、この登りはかなり厳しくなると思います。

私自身、志賀高原100 40kmは後半がポイントになると考えていたため、前半からできるだけ脚を残してきました。
東舘山では無理にすべてを走ろうとせず、パワーウォークとランニングを使い分けながら登っていきます。
前半を抑えていたこともあり、東舘山の登り自体はある程度余裕を持って進むことができましたが、
個人的に東舘山以上にきつかったのが、その後に現れる2回ほどの小さな登りです。
標高差だけを見れば東舘山ほど大きな登りではありません。
しかし、今回は雨によって路面がかなり濡れており、登っていても足元がズルッと滑ってしまいます。
前に進もうとして地面を蹴っても足が滑るため、思うように進まず、通常の登り以上に体力を使わされる感覚がありました。
レース後半ということもあり、こうした小さなアップダウンが想像以上に効いてきます。
その後、第1エイドでも通過した一ノ瀬まで戻り、約31km地点の第3エイドへ。
ここまで来れば残りは10kmほどですが、志賀高原100 40kmはここからも簡単には終わりません。
最後には再び大きな登りが待っています。
第3エイド~フィニッシュ
約31km地点の第3エイドを出ると、いよいよフィニッシュに向けた最後の区間です。
ここまで来れば残り10kmほどですが、志賀高原100 40kmでは最後にもう一度大きな登りが待っています。
しかも、この登りはレース序盤に下ってきた分を再び登り返すような形になります。
30km以上走ってきた脚でこの登りに入るため、前半から脚を使いすぎていると、ここでかなり苦しくなると思います。
私自身も、ここを意識して前半からペースを抑えてきました。
第3エイドを過ぎてからは残っている体力を使いながら、フィニッシュに向けて登っていきます。
そしてレース終盤、残り3kmほどの地点で今回最大のミスをしてしまいました。
コースを外れて、そのまま違う方向へ走ってしまったのです。

GARMINのナビゲーション機能ではオフルートのアラームが鳴っていましたが、そのときは特に気にせず、そのまま走り続けてしまいました。
しばらくして「さすがにおかしい」と気づき、来た道を引き返します。
結果として、このミスコースによって約1.8km余計に走ることになりました。レース終盤での1.8kmはかなり大きく、タイムとしても大きなロスになりました。
今回GARMINで計測した走行距離が43.84kmとなっているのも、このミスコースが含まれているためです。
コースに復帰してからは、改めてフィニッシュを目指します。
ただし、最後の登りを終えたからといって、すぐにゴールできるわけではありません。
そこからはゲレンデを下っていく長い区間が続きます。
さらにゲレンデを下り切ってからもロード区間があり、実際に走っていると「まだゴールじゃないのか」と感じるほど、最後が長く感じました。
そして、ようやくフィニッシュ。
タイムは4時間43分でした。
今回はスタートからフィニッシュまで雨が続き、路面状況もかなり悪いコンディションでした。
さらに終盤のミスコースもありましたが、その中でも前半から大きく崩れることなく走れた点については、うまくレースを組み立てられたと思います。
一方で、終盤まで集中力を切らさず、GARMINのオフルート警告をきちんと確認することも含めてレースです。
約1.8kmの余計な距離は悔しいところですが、これも次のレースに向けた反省点となりました。
志賀高原100 40kmで使用した装備と補給
今回の志賀高原100 40kmでは、コースの特徴を考えながらシューズや計測機器を選びました。
また、40kmを超えるトレイルレースでは、装備だけでなくレース中の補給も重要になります。

ここでは、実際に使用したシューズや心拍センサー、レース中に行った補給について紹介します。
シューズ HOKA Rocket X Trail(ロケットXトレイル)
今回シューズには、HOKAのRocket X Trail(ロケットXトレイル)を使用しました。
志賀高原100 40kmは、急な登りや下りだけではなく、林道など比較的スピードを出しやすい区間も多くあります。
そのため今回は、こうした走れるトレイルでの走行性能を考えてRocket X Trailを選択しました。
実際にレースでも、林道などの走れる区間ではこのシューズの特徴を活かしやすかったと感じています。
一方、今回は雨によって路面がかなり悪化しており、泥濘や滑りやすい登り・下りも多くありました。
Rocket X Trailについては、実際にトレイルで使用した感想や、どのようなコースに向いているのかを以下で詳しくレビューしています。
心拍センサー COROS腕装着型心拍センサー
心拍数の計測には、COROSの腕装着型心拍センサーを使用しました。
腕に装着するタイプの光学式心拍センサーで、これまでも1500mのレースやトレイルランニングのトレーニングなどで使用しています。
今回はさらに、40kmを超えるトレイルレースで使用したデータを取ることができました。
トレイルランニングの場合、運動強度を管理しながら走る必要があるので、より正確な心拍データが取れるこちらのCOROS(カロス)の心拍センサーを着用しました。
トレイルでは登りと下りで運動強度が大きく変化するため、心拍数を確認すると実際にどの区間で身体への負荷が高くなっていたのかも分かります。
COROS心拍センサーについては、GARMINの腕時計で計測した心拍数との違いなども含めて、以下の記事で詳しく比較しています。
志賀高原100 40kmで行った補給
今回の志賀高原100 40kmでは、レース中も定期的にエネルギーを補給することを意識しました。
基本的には、普段のトレイルランニングやレースと同じように、ジェルを一定間隔で摂りながら、エイドでは固形物も補給するという方法です。
今回使用したジェルがSAMURAIGEL(サムライジェル)です。
走りながらジェルを補給し、第2エイドなどでは後半の登りに備えて固形物も摂るようにしました。
特に志賀高原100 40kmは、前半に走れる区間が多い一方で、後半には東舘山をはじめとした登りが残っています。
そのため、空腹を感じてから補給するのではなく、後半にエネルギーを残すことを考えて前半から定期的に補給しておくことを意識しました。
トレイルランニングでは競技時間が長くなるほど、ジェルだけでなくエイドの食べ物などを含めて補給を組み立てることも重要になります。
実際に私が行っている補給方法については、以下の記事でも詳しく紹介しています。
また、トレイルランニングで使いやすい補給食については、こちらの記事でまとめています。
まとめ
今回は2026年の志賀高原100 40kmに出場しました。
公式では約40km・累積標高約1,690mとなっていますが、実際に走ってみると、累積標高の数字だけでは分からない難しさのあるコースでした。
特に重要だと感じたのが、前半で脚を使いすぎないことです。
序盤から林道などの走れる区間がある一方、西舘山の急な登りも登場します。その後も走れる区間と登りを繰り返し、後半には東舘山や大きな登りが残っています。
個人的には、18km地点の第2エイドから本格的にレースを始めるくらいの感覚で前半を進めてもいいと思います。
また、今回はスタートからフィニッシュまで雨が降り続きました。
登りでも足が滑り、走れる林道でも着地するたびに足を取られるような状況だったため、晴天時と比べてかなり体力を使いました。
志賀高原100 40kmは走れる区間が多いからこそ、登る力だけではなく、後半まで走り続けられる脚を作っておくことも重要だと感じます。
志賀高原100 40kmへの出場を考えている方は、コースの累積標高だけではなく、前半のペース配分、後半の登り、そして天候による路面状況の変化まで考えて準備しておくことをおすすめします。
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