マラソントレーニングについて調べていると、「Eペース」という言葉を目にすることがあると思います。
Eペースは、ダニエルズのランニング・フォーミュラで示されているトレーニング強度の一つです。
ただ、実際に取り入れようとすると、
「Eペースとはどのくらいの速さ?」
「心拍数はどのくらいを目安にすればいい?」
「普通のジョギングとは何が違う?」
「何km、何分くらい走ればいい?」
など、疑問に感じることも多いのではないでしょうか。
私自身も長年Eペースでのトレーニングを取り入れており、現在はフルマラソン2時間46分台で走りますが、週末には4分30秒/km前後で30〜35kmのEペース走を行っています。
一方、普段の低強度ジョギングは6分30秒〜7分/km程度までペースを落としており、Eペースとは明確に使い分けています。
また、これまでマラソンの記録を伸ばしてきた中で感じているのが、
Eペースの重要性はランナーの走力によって変わるということです。
私の場合、サブ4から3時間15分前後まではEペース中心のトレーニングで大きく記録を伸ばしましたが、サブ3以上になるとEペースだけでは記録が伸びにくくなり、トレーニングの組み立ても変化しました。
この記事では、ダニエルズのEペースについて、効果や設定ペース、心拍数、走る距離・時間、ジョギングとの違いを解説します。
さらに私自身の経験をもとに、走力によってEペースをどのようにトレーニングへ取り入れればよいのかについても紹介します。
| 著者:千坂 充宏(SAMURAIGEL開発者) 書籍などを通じてトレーニングを独学し、初マラソン4時間58分から記録を伸ばし、40代でサブエガを達成。 主な自己ベスト YouTube|マウンテンランニング研究所 |
Eペースとは?
Eペースとは、ダニエルズのランニング・フォーミュラで示されているトレーニング強度の一つで、Eは「Easy(イージー)」を意味します。
名前の通り比較的余裕を持って走れる強度ですが、Eペースには一定の幅があり、必ずしも「ゆっくりとしたジョギング」と同じではありません。
私自身も、普段の低強度ジョギングとEペースは明確に分けています。
普段のジョギングは1kmあたり6分30秒〜7分程度で走ることが多いのに対し、Eペースは現在4分30秒/km前後を一つの目安にしています。
私にとってEペースは、楽に走れるものの、低強度のジョギングよりも速い強度という位置づけです。
また、Eペースだからといって必ずしも「楽な練習」と考えているわけではありません。
例えば、私が開催しているSAMURAI練習会では4分30秒/km前後のEペースで35km走ることがあります。
呼吸には余裕があったとしても、この強度でまとまった距離を走れば身体への負荷は大きくなります。
そのため私の場合、Eペースで行うロングランは一つのポイント練習に近い位置づけです。
以下のYouTube動画でもEペースについて解説しておりますので、参考にしてみて下さい。
Eペースには幅がある
Eペースを考えるうえでもう一つ重要なのが、設定ペースには幅があるということです。
私は以前から、自分のEペースを「マラソンレースペース+30〜40秒/km程度」と考えており、現在も基本的な考え方は変わっていません。
ただし、毎回同じペースで走るわけではありません。
週末に行う30〜35kmのロングランでは4分30秒/km前後を基準にし、ウォッチを確認しながらペースを合わせています。
一方、平日にロングランを入れ、翌日にポイント練習が控えている場合などは、Eペースの範囲内でも遅い側に設定することがあります。
翌日のポイント練習に疲労を残しすぎず、身体を動かして次の日のトレーニングにつなげるためです。
このようにEペースは「1km○分○秒で走らなければならない」という一つの数字ではなく、トレーニングの目的や前後の練習との兼ね合いによって幅を持たせて使うペースだと考えています。
Eペースで走る効果
Eペースでのランニングを継続することで、マラソンに必要な基礎的な走力を高めることができます。
私自身、長年Eペースでのトレーニングを続けていますが、特に大きく感じているのが、
・長い距離に対する不安がなくなったこと
・トレーニング後の回復力が高まったこと
です。
長い距離を走ることへの不安がなくなった
Eペースで20km、30kmとまとまった距離を繰り返し走っていると、長い距離を走ること自体が特別なものではなくなってきます。
私自身、サブ4からフルマラソン3時間15分前後まで記録を伸ばした時期は、20〜25km程度のEペース走を週1〜2回行っていました。
当時はTペースやインターバルトレーニングなどを頻繁に行っていたわけではなく、Eペースで走れる距離を増やしていくことがトレーニングの中心でした。
そのため私自身の経験に限っていえば、サブ4から3時間15分前後までは、Eペース中心のトレーニングで記録を伸ばしたといっても過言ではありません。
Eペースでまとまった距離を走ることに慣れることで、マラソン本番でも「この距離を走り切れるだろうか」という不安が小さくなりました。
Eペースのロングランで回復力が高まった
もう一つ大きく感じているのが回復力の向上です。
以前の私は、Tペースのような負荷の高いトレーニングを週に1回程度しか入れることができませんでした。
しかし現在は、週末にEペースで30〜35kmのロングランを継続しながら、週2回Tペースでのトレーニングを行えるようになっています。
もちろん、これはEペースだけの効果と断定できるものではありません。
長年さまざまなトレーニングを継続したことで、高い負荷に耐えられるようになった影響もあると思います。
それでも私自身は、現在のトレーニングを支える土台として、Eペースのロングランによって培ってきた回復力の影響は大きいと感じています。
マラソントレーニングでは、一度だけ強い練習をすることよりも、その負荷から回復して次のトレーニングを積み重ねることが重要です。
Eペースには、長い距離を走れるようにするだけではなく、その後の質の高いトレーニングを継続するための土台を作る役割もあると考えています。
レース1週間前の35km走でもコンディションが上がった
Eペースでのロングランは、私の場合、レースから離れた時期の足づくりだけに使っているわけではありません。
2026年の別府大分毎日マラソンでは、レース1週間前の土曜日に4分30秒/kmで35kmのEペース走を行いました。
一般的にはレースが近づくと走行距離を減らして疲労を抜いていくことが多いですが、私の場合はEペースでまとまった距離を走ることで身体の状態が整い、その後に速い動きを入れることでコンディションが上がる感覚があります。
実際、この別府大分毎日マラソンでは2時間46分48秒の自己ベストを記録しました。

もちろん「レース1週間前に35km走れば記録が出る」という意味ではありません。
これは長期間Eペースのロングランを継続し、35kmという距離に対する耐性ができている私自身の一例です。
普段35kmを走っていないランナーがレース1週間前に突然行えば、疲労を残す可能性があるので注意が必要です。
Eペースの設定方法|目安となるペースは?
Eペースを設定するときは、ダニエルズのVDOTを一つの目安として利用できます。
レースタイムなどからVDOTを確認することで、自分の走力に対してどの程度のEペースが適しているのかを把握できます。
私自身もVDOTの指標は確認しています。
ただし、実際のトレーニングではVDOTで示された数値だけでEペースを決めているわけではありません。
私が現在Eペースのロングランで基準としているのは、1kmあたり4分30秒前後です。
このペースにしている大きな理由は、私自身の体感として、
「負荷が軽すぎず、それでいてきつすぎない」
と感じる強度だからです。
現在のフルマラソンの自己ベストは2時間46分48秒で、レースペースは1kmあたり4分を少し切る程度です。
以前からEペースについては、マラソンレースペース+30〜40秒/km程度を一つの目安としており、現在もこの考え方は大きく変わっていません。
ただし、これはEペースの一般的な定義ではなく、私自身が長年トレーニングする中で使っている実践的な目安です。
初めてEペースを設定する場合は、まずVDOTなどから目安となる範囲を確認し、そこから自分の体感やトレーニング状況に応じて調整するのがよいと考えています。
Eペースは翌日のトレーニングまで考えて設定する
私がEペースを設定するとき、特に重視しているのが体感と翌日以降のトレーニングです。
その日のEペース走だけを見れば、もう少し速く走れることもあります。
しかし、Eペース走で必要以上に負荷をかけてしまい、翌日のポイント練習の質が落ちてしまっては、トレーニング全体として必ずしもプラスになるとは限りません。
そのため私は、
「今日どこまで速く走れるか」ではなく、
「どれだけ余裕を持ってEペースを走り、次のトレーニングにつなげられるか」
を重視しています。
例えば週末の30〜35kmロングランでは4分30秒/km前後を基準にしていますが、平日にロングランを行い、翌日にTペースなどのポイント練習を予定している場合は、Eペースの範囲内でも遅い側で走ることがあります。
Eペースには一定の幅があるため、毎回同じペースに固定する必要はありません。
VDOTで基準を知る → 実際に走る → 体感や翌日の状態を確認する → 自分に合ったEペースへ調整する
私はこのようにEペースを設定しています。
Eペースの心拍数はどのくらい?
ダニエルズのEペースでは、心拍数も強度を確認する一つの指標になります。
以下は先日実施した35㎞走のデータです。

私の場合、4分30秒/km前後でEペースのロングランを行うと、心拍数はおおむね130〜140bpmで推移します。

ただし、Eペースで走る際に心拍数を細かく確認しながら強度を調整しているわけではありません。
実際のトレーニングでは、心拍数よりもペースと体感を重視しています。
心拍数は、その日の疲労や気温、湿度、睡眠などさまざまな要因によって変化するからです。
そのため「心拍数を○○bpmに合わせる」というより、まず自分にとって余裕を持って走れるEペースを設定し、心拍数はその強度が適切だったかを確認する一つの指標として考えています。
夏でもEペースは4分30秒/kmで走っている
夏場は気温や湿度が高くなるため、同じペースで走っても心拍数が高くなりやすくなります。
私の場合、夏だからといって4分30秒/kmという設定自体を大きく変えることはありません。
その代わりに、走る環境を変えます。
例えば夏のロングランでは朝4時30分頃から走り始めるなど、できるだけ気温の低い時間帯を選びます。
設定ペースを維持できる環境を作ったうえでトレーニングする、というのが私の方法です。
ただし、暑い環境でも無理に4分30秒/kmを維持するという意味ではありません。
気温や体調によって同じペースでも負荷は変化するため、自分の体感を確認することが重要です。
夏場のEペースやロングランの考え方については、以下の記事で詳しく解説しています。
Eペースは何km・何分走ればいい?
Eペースで走る距離や時間は、すべてのランナーで同じにする必要はありません。
特に重要なのは、現在の走力に応じてEペースで走る距離や時間を段階的に伸ばしていくことです。
私自身は現在、4分30秒/km前後のEペースで30〜35kmのロングランを行っています。
しかし、ランニングを始めたばかりの人が、いきなりEペースで長時間走る必要はありません。
初心者は無理にEペースで走らなくてもいい
ランニングを始めたばかりの段階であれば、私はEペースよりも、まず低強度のランニングでまとまった時間を走れるようになることを優先します。
LSDのようなゆっくりとしたペースでも構いません。
初心者がフルマラソンでタイムを落とす大きな要因の一つが、後半に走り続けられなくなり、歩く時間が増えてしまうことです。
速いペースで走れるようになることよりも、まずは低い強度でも長時間動き続けられるようになることが重要です。
それだけでもレース後半に歩く時間が減り、結果としてマラソンタイムの短縮につながります。
さらに、低強度で長時間走るトレーニングを継続することで脚の筋持久力が高まり、その後にEペースでまとまった距離を走るための土台にもなります。
そのため私は、
低強度で長時間走れるようになる→ Eペースを取り入れる→ Eペースで走れる距離を伸ばす
という順番で考えています。
サブ4〜サブ3.5では2時間のEペース走を目標にする
ある程度長い時間を走れるようになり、サブ4〜サブ3.5を目指す段階では、Eペースでまとまった時間を走るトレーニングの重要性が高くなります。
ダニエルズのVDOTによるEペースの範囲を参考にしながら、私なら次のくらいを一つの基準にします。

これはEペースの範囲の中でも、無理なく継続しやすい強度を意識した設定です。
最初からこのペースで2時間走る必要はありません。
まずは無理なく走れる距離から始め、徐々に距離や時間を伸ばしていきます。
最終的には、このEペースで2時間程度走れることを一つの目標にするとよいでしょう。
2時間のEペース走を継続できるようになることで、脚の筋持久力や循環器系の能力が高まり、マラソンという長時間の運動に耐えられる身体に近づいていきます。
また、走力によって同じ2時間でも走れる距離は異なります。
そのため、特にサブ4〜サブ3.5を目指す段階では、
「Eペースで○km走る」よりも、
「Eペースである程度まとまった時間を走れるようになる」
という考え方も重要です。
私自身も3時間15分前後で走っていた頃は、20〜25km程度のEペース走を週1〜2回取り入れていました。
現在は走力が上がり、4分30秒/km前後で30〜35km走ることが多くなっていますが、基本的な考え方は同じです。
まず低強度で土台を作り、その後Eペースで走れる時間を伸ばしていく。
この積み重ねが、マラソンを最後まで走り切るための土台になると考えています。
Eペースとジョグの違い
Eペースについてよくある疑問の一つが、「普段のジョギングと何が違うのか?」ということです。
どちらも余裕を持って走れる強度なので同じように考えられがちですが、私は明確に使い分けています。
現在、私が普段行っている低強度のジョギングは1kmあたり6分30秒〜7分程度です。
一方、Eペースは4分30秒/km前後を基準にしています。
約2分/kmもの差がありますが、重要なのは速さそのものではありません。
それぞれのトレーニングに求めている役割が違います。
低強度ジョグは回復、Eペースは持久力を高める
普段の低強度ジョギングでは、速く走ることを目的としていません。
ポイント練習などで受けた負荷から回復し、次の質の高いトレーニングにつなげるために、あえて6分30秒〜7分/km程度までペースを落としています。
本日の朝練。
今回もやや長めの内容。
一般的にはレース前は走行距離を落とすことが多いが、現時点の自分にとっては、この方がレース本番の再現性が高いと感じている。
昨日まで無酸素系の刺激を入れてきたため、今日はそこからガラッと切り替え低強度域での持続走を実施。… pic.twitter.com/ZgPGV0zcHO
— ヒロ|マウンテンランニング研究所 (@AC71592310) January 30, 2026
一方、Eペースは楽に走れる強度ではあるものの、私の場合は30〜35kmなどまとまった距離を走ることが多くなります。
4分30秒/kmで35km走れば、呼吸に余裕があったとしても身体には十分な負荷がかかります。
そのため、私の中では、
低強度ジョグ=回復するためのトレーニング
Eペース=マラソンに必要な持久力を高めるトレーニング
というように役割を分けています。
Eペースを「少し速いジョギング」と考えるのではなく、何を目的としてその強度で走るのかを考えることが重要です。
Eペースがきついときはペースを落としていい?
Eペースには一定の幅があるため、設定したペースがきついと感じた場合は、その範囲内でペースを調整して問題ないと考えています。
私の場合、通常のEペースは4分30秒/km前後です。
走り始めて身体が重いと感じた場合は多少ペースを落とすこともありますが、基本的には4分40秒/km程度までにして、Eペースの範囲内でトレーニングを継続します。
そもそもEペースでのロングランはある程度コンディションを整えた状態で行うため、私の場合は大きく設定ペースを外れることはそれほど多くありません。
ただし、重要なのはその日のEペース走だけを成功させることではなく、トレーニング全体で何を優先するかです。
他に優先したいトレーニングがあれば低強度ジョグに変更する
疲労が強い場合には、Eペース走そのものをやめて、6分30秒〜7分/km程度の低強度ジョギングに変更することもあります。
判断基準になるのが、その時期に何の走力を伸ばしたいのかです。
例えば、マラソンのないシーズンに5000mの記録向上を狙っているのであれば、EペースのロングランよりもTペースなどの質の高いトレーニングを優先することがあります。
Eペースを無理に行ったことで疲労が残り、翌日のTペース走ができなくなるのであれば、私はEペースを低強度ジョギングへ変更します。
反対に、マラソンに向けて筋持久力を高めたい時期であれば、Eペースのロングランの優先順位は高くなります。
「今日はEペースの日だから絶対にやる」のではなく、今のトレーニングで何を伸ばしたいのかを考えて調整することが重要です。
Eペースがきつくなる原因は前日のトレーニングも大きい
私の場合、いつものEペースがきつく感じる原因として大きいのが、前日のトレーニングによる疲労です。
夏場は暑さによって同じペースでも負荷が高くなりますが、私は朝4時30分から走り始めるなど、できるだけ涼しい時間帯を選んでいます。
そのため、夏だから設定を大きく外すというよりも、Eペースで走れる環境を作ることを意識しています。
VDOTのEペースにこだわりすぎる必要はない
ダニエルズのVDOTから算出されるEペースは、トレーニング強度を決めるうえで非常に参考になります。
ただし、私は「VDOTでこのペースだから、必ずこの数字で走らなければならない」とは考えていません。
Eペースにはもともと幅があります。
その範囲内であれば、体調や前後のトレーニングに合わせて多少ペースを変動させても問題ないと考えています。
私がEペースで重視しているのは、設定された数字をピッタリ守ることより、その強度帯でまとまった時間を継続して走ることです。
Eペースはマラソンレースペースよりも遅い強度で、私の場合は特に、マラソンを長時間走り続けるための実戦的な筋持久力を養う目的で取り入れています。
一方、マラソンレースペースそのものを引き上げるためには、Tペースやインターバルトレーニングなど、より速い強度のトレーニングもあります。
だからこそEペースでは数秒の違いにこだわりすぎるのではなく、
「この強度でどれだけ余裕を持って、まとまった時間を走れるか」
を重視しています。
走力によってEペースの重要性は変わる
ここまでEペースについて解説してきましたが、私が特に重要だと考えているのが、Eペースの優先度はランナーの走力によって変わるということです。
私自身、サブ4から現在の2時間46分台まで走力を伸ばしてきましたが、その過程でEペースの位置づけは大きく変わりました。
大まかに整理すると次のようになります。

つまり、走力が上がるほどEペースの重要性も上がり続けるわけではありません。
私自身の経験では、ある段階で重要性がピークを迎え、その後はEペースの役割が変化しました。
初心者はEペースより低強度のランニングを優先する
ランニングを始めたばかりの段階では、無理にEペースで走る必要はないと考えています。
この段階でフルマラソンのタイムを大きく落とす原因になりやすいのが、後半に走り続けられなくなり、歩く時間が増えてしまうことです。
そのため、まずはLSDなどの低強度ランニングによって、1時間、2時間と長く動き続けられる身体を作ることを優先します。
低強度でも最後まで走れるようになれば、それだけでもマラソンタイムは大きく変わります。
さらに、ここで脚の筋持久力を作っておくことが、その後Eペースでまとまった距離を走るための土台にもなります。
サブ4〜3時間15分前後ではEペースの優先度が高くなる
ある程度長時間走れるようになったら、Eペースの重要性が一気に高くなります。
私自身、サブ4から3時間15分前後までは、Eペース中心のトレーニングで記録を伸ばしたといっても過言ではありません。
当時は20〜25km程度のEペース走を週1〜2回取り入れていました。
Eペースでまとまった距離を走れるようになることで、脚の筋持久力や循環器系の能力が高まり、マラソン後半まで走り続けられる身体に近づいていきました。
また、余裕があればEペース走の後半をビルドアップさせ、マラソンレースペースに近い強度まで上げることもできます。
そのため、この走力帯の私にとってEペースは「楽なジョギング」ではなく、マラソンの走力を伸ばすためのポイント練習に近い位置づけでした。
サブ3以上ではEペースの優先度を下げた
ところが、サブ3を達成したあたりからEペース中心のトレーニングだけでは記録が伸びにくくなりました。
Eペースによってマラソンを走り切るための土台はできていても、マラソンレースペースそのものをさらに引き上げる刺激が不足していたからです。
現在の私はフルマラソンを2時間46分台で走りますが、Eペースは週末の30〜35kmロングランを中心に取り入れています。
その一方で、
・マラソンレースペース
・Tペース
・5000mレースペースなど、さらに速い強度
も組み合わせています。
そして、それらのトレーニングをしっかり行うために、つなぎの日は6分30秒〜7分/km程度までペースを落とします。
つまり、Eペースをやめたのではありません。
Eペースの役割を「走力向上の中心」から「持久力を支える土台」へ変えたということです。
現在は、
Eペースで持久力を維持する→ 低強度ジョグでしっかり回復する→ M・Tペースなど速いトレーニングではしっかり負荷をかける
というメリハリを重視しています。
Eペース中心で記録が伸びている段階と、Eペース以外の刺激を増やした方がよい段階では、同じEペースでもトレーニングの中での役割が変わってくるのです。
まとめ|Eペースは走力に合わせて使い分ける
今回は、ダニエルズのEペースについて、設定ペースや心拍数、距離、ジョギングとの違いなどを解説しました。
Eペースは、マラソンを走るための持久力を高めるうえで重要なトレーニングです。
ただし、今回最も伝えたいのは、Eペースの重要性は走力によって変わるということです。
ランニングを始めたばかりであれば、まずは低強度のジョギングやLSDで長時間走れる身体を作る。
サブ4〜3時間15分前後を目指す段階では、Eペースでまとまった距離を走り、マラソンに必要な持久力を高める。
そしてサブ3以上になり、さらに記録を狙うのであれば、Eペースを持久力の土台として残しながら、MペースやTペースなど速いトレーニングを組み合わせていく。
私自身も、このように走力の向上とともにEペースの役割を変えてきました。
VDOTで自分のEペースを確認することは大切ですが、その数字だけにこだわる必要はありません。
自分の体感や前後のトレーニング、その時期に伸ばしたい能力まで考えながら、Eペースをうまく取り入れてみてください。
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