今回はトレイルランニングの直前の調整やトレーニング方法について解説致します。
トレイルランニングは様々な地形を走るレースですが、そういった特性があるが故に、レース直前にやるべき調整やトレーニング方法について気になる方は多いかと思います。
そこで本記事では、
・トレイルランニングレースの直前の調整方法について知りたい
・トレイルランニングレースで良いコンディションで走るにはどうすればいい
・マラソンとトレイルランニングでは調整方法はどう違うのか?
について以下で解説していきます。
トレイルランニングレースでのコンディショニングについて
マラソンや5000mなどではコンディショニング(調整方法)について様々な書籍が出ているので、その中で自分に合った調整方法を選択して実践すればベストな方法と巡り合うことは出来るかと思います。
しかしトレイルランニングについてのコンディショニングについてはあまり情報がなく、単に練習の量を落とすことで調整としてしまうことはよくあることではないでしょうか?
私もトレイルランニングについては様々なコンディショニングを試してましたが、最近ようやく自分に合った方法を見つけることが出来ました。
実力がない中でも、その調整方法に則ってレースに挑んだところ、小さなレースでは優勝できたり、世界選手権日本代表が複数出場している様な大きなレースでも1桁順位までとれるようになってきました。
特に走力が際立って高くない私のような選手でも、その領域ぐらいまでなら行けるということです。
皆さんもそのくらいで走れないはずはありません。
ただそれには効果的なトレーニングと、トレイルランニングレース当日に良いコンディションで走ることは大前提となりますので、調整をしっかりしてレースに臨みましょう。
トレイルランニングのトレーニング方法については以下記事で解説しておりますので、参考にしてみてください。
トレイルランニングレースを楽に走る為の調整ポイント
トレイルランニングレースで成果を出すには、
レースがスタートしてからいつものペースが楽に感じる状態にしておくことがポイントです。
これはマラソンでも同じ考えかと思います。
つまりマラソンのレース以上のペースで走る頻度を増やしたり、VO2MAXやLT値を増やしたり、レースペースでの動きに体を適用させる様なトレーニングを入れることでレース本番が楽になるということです。
ただ、本格的にVO2MAXやLT値を向上させる様なトレーニングは調整期に行っても身になるのはレースよりも先の時期になるので間に合いません。
ここでは同じ要素のトレーニングを「刺激」程度に入れるのです。
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トレイルランニングでも同じことは言えますが、
トレイルランニングはこの要素に加えて登りの要素や、バランス感覚の要素が登場します。
人間は記憶に支配される生き物ですので、実際のレースと同じ筋肉を同じ刺激で動員させておく必要があるのです。マラソンで3分30秒で押していこうと思た場合、1日のジョグの中に3分30秒の動きを入れるのと似ています。
特に調整期間では、登りの要素やバランス感覚の要素はレース1週間前でも入れておく必要があります。
特に登りの要素は登りをしっかり走ることに重点を置くべきで、私はレース3日前でも登りに特化したトレーニングを必ず入れます。
これは強化ではなく、「刺激」の要素と「フォーム意識づけ」の要素が大きいです。
具体的なトレイルランニングレース直前のトレーニング方法
上記でレースを楽に走る為のポイントについて解説してきましたが、次は具体的なトレーニング方法(調整方法)について解説します。
具体的には、
・登りの動きはレース1週間前でも身体に刻み込む
・酸素負荷の高い練習を「適度に」入れる
・長い距離は走らない
・身体の中心部の筋肉を動員する準備をする
・レースで使用するシューズで調整する
を行うといいでしょう。
以下で解説していきます。
方法①登りの動きはレース1週間前でも身体に刻み込む
1つ目が、登りの動きはレース1週間前でも身体に刻み込むということです。
ポイントとしては登りの強化になるまで追い込まず、登りの動きを身体に刻み込む程度でOKです。
人間は記憶に支配される動物で、登りで動員する骨格筋は頻繁に使っておいた方がレース中でも動きがスムーズです。
これには3日に1回程度登りの動きを入れておく必要があります。近くにトレイルがあるのであればトレイルを走るべきですが、トレッドミルミルでも問題ないかと思います。
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私は近くに山がないのでトレッドミルだけで登りの練習は全て完結させていますが、それでも登りに動員する腕振りや体幹の動員は十分可能です。
ポイントは疲労が残らない程度の時間で、頻度は多くです。
方法②酸素負荷の高い練習を「適度に」入れる
次のポイントとして、酸素負荷の高い練習を「適度に」入れるということです。
フルマラソンの1週間前に5000mを入れると好タイムが出たことってありませんか?それと似た発想です。
ちょっとしたインターバル的要素を入れておくことで、レース本番で同じペースでも楽に感じることが出来るのです。
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マラソンに効果的なのは3000m以上のちょっと長めの距離でのファルトレク(先に解説した5000mでも良い)ですが、トレイルランニングの場合、ロングファルトレクは必要ないように感じます。効果がないとは言えませんが、マラソン向きのトレーニングだと感じますし、ペースによっては調整の域を超えてトレーニングになってしまいます。
むしろ効果的なのは短めの動きで、私個人的には200mの流しを5本入れることが現在のところ最も調整としては適切なトレーニングではないかと感じています。
この疾走距離が200mという点にもポイントがあり、200mだと心拍もちゃんと上がるんですよね。100mだと心拍が上がる前に疾走区間が終わってしまうので、心肺にあまり刺激が入らないのですが、
200mならちゃんと負荷が入るんです。
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しかも400mほどきつくもないので、それを5本入れることで疲労を残さず心肺機能に刺激が入るわけです。
日頃のジョグの最後に入れると全く違いますので参考にしてみてください。
方法③長い距離は走らない
レース直前は長い距離を走らないこともポイントです。
これはマラソンに向けた調整と同じで、必要な刺激が体に入れば無理に多く走ることは逆効果です。
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調整時期はコンディションが上がってくるので、どうしても気分が良くなって走ってしまうことがありますが、
その気持ちはレースでぶつけましょう。
方法④身体の中心部の筋肉を動員する準備をする
身体の中心部の筋肉を動員する準備をすることもポイントです。
これは先に解説した、トレッドミルでの登りトレーニングや、200m×5の動きの中で体得できるものです。
つまりゆっくりジョギンしているだけでは身体の中心部の筋肉は動員されません。
ある程度スピードや登りを速く登ろうとしないとこの体幹の筋肉群は動員されないのです。
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スプリントの選手をおみればわかるかと思いますが、身体の中心部の筋肉を使っていますよね?これはキロ6分のジョギングで使う筋肉とは全く異なります。
日本選手権の5000mなどでも同じ様に速いペースで走る際には身体の中心部の筋肉を動員していることが分かります。
なのでやり過ぎない程度に登りを速く走る為の動きや、200m×5などを入れていきましょう。
この辺りについては以下記事でも解説しているので、参考にしてみてください。
方法⑤レースで使用するシューズで調整する
以上の練習をレースで使用するシューズで行うことでより実戦に則した調整になります。
マラソン用のシューズはカーボンプレートシューズの台頭により様々な使用感に分かれてきましたが、トレイルランニングシューズはそれ以上に特徴が異なります。
例えば私の場合、SALOMONのS-LABSENSEやONのクラウドウルトラ、HOKAのChallengerATRなどは出場するレースの路面や特徴などにより使い分けています。
自分が使う予定のシューズで以上の調整を行うことでそのシューズの特性に合った動きを覚え込ませる必要があるのです。
例えばHOKAのシューズとSALOMONのシューズではアウトソールの大きさや幅がかなり異なります。
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HOKAのシューズのように大きめのアウトソールがあれば、テクニカルな路面での着地も自信を持っていけますが、逆にSALOMONの様なロードランニングシューズに近い巾であれば着地はある程度慎重に行う必要があります。
逆にスピードを出して走るのであればHOKAよりも足幅の狭いSALOMONの方がグッと力が入るのでスピードは出しやすいですよね。
そうなると同じトレーニングやコンディショニングでもベストなフォームが変わってきます。
よって、実際にコンディショニングに入る際には、レースで使用するシューズを使うと良いでしょう。
リカバリーにも気を配る
ここまでトレイルランニングレース直前についてのコンディショニングについて解説してきましたが、食事やリカバリー食を利用して調子を向上させることも重要です。
身体に老廃物が蓄積していたり、必要な栄養素が身体に不足していると、せっかく調整をしてもその効果がレース本番に現れません。
以下記事ではトレイルランニングレースで使用するリカバリー食について解説していますが、元々これらはスポーツに必要な栄養素を競技中に補給することを目的としたものですので、レース直前の調整期にもオススメできます。
栄養素を摂取しすぎて問題になることを心配されるかたもいるかもしれませんが、基本的に摂り過ぎた分は排出されます。
コンディショニングの参考にしてみて下さい。
まとめ
今回はトレイルランニングレース直前のトレーニング(調整)方法について解説してみました。
レース前はただ練習を落とすよりも、レース本番でより楽に感じる練習刺激を入れた方が効果的です。
これといって特に走る才能もない私であっても、大きなレースである程度結果を出すことが出来たのは、トレーニングについて深く考えたり、コンディショニングの匙加減が的確だったからだと感じています。
また自分のトレーニングがレースで意図したとおりに出た時に記録しておくことも結果を出すには近道です。
上記を実践する中で自分に合ったコンディショニング方法が見つかれば幸いです!
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