サブ4→サブ3達成の鍵は夏にあり!走力別マラソントレーニング戦略

マラソントレーニング 夏

    夏は暑くて練習が思うようにできない——

    そんな悩みを抱えているランナーは少なくありません。特に、サブ4やサブ3を目指すランナーにとっては冬の本命レースで記録を狙うためにも、

    秋口のレースである程度仕上げておくことが重要になります。

    それについては以下の記事でも解説してきました。

    【夏のトレーニングで意識すべきこと】アラフォー×サブエガランナーの夏トレーニング

    そのためには夏のトレーニングが欠かせないのですが、この夏場の練習というのが非常に難しい。私自身、これまでにさまざまなトレーニング方法を試してきましたが、結果的に遠回りしてしまった経験があります。

    その経験を通じて気づいたのが、「走力別に夏のトレーニング課題に取り組むべきだ」ということです。記録更新を阻む要因は人それぞれ異なりますが、自分にとっての弱点を見極め、それに対して適切にアプローチすることが最も効果的だと実感しました。

    本記事では、そうした走力別の視点から、夏に取り組むべきマラソントレーニング戦略を具体的に解説していきます。

    なぜ走力別に戦略を変えるべきなのか?

    走力別に戦略を変えるべき理由は、自分の記録更新を妨げている本当の課題に向き合えていないと、目標達成から遠ざかってしまうからです。

    これは、かつての私自身にも当てはまりました。サブ4前後の走力だった頃、私はひたすらインターバルトレーニングばかりを行っていた時期がありました。心肺機能はそこそこ備わっていたため、ショートインターバル程度であればある程度こなせてしまっていたのです。

    しかし、当時の私が本当に克服すべき課題はそこではありませんでした。

    レース中に脚が止まり、歩いてしまうことが原因で記録が伸びなかったのです。

    つまり、足りていなかったのは筋持久力でした。

    もちろん、インターバルトレーニングにも効果はあります。しかし、私のようにレースを完走しきる体力に課題があるランナーにとっては、まず持久力を強化することの方が、記録更新には直結するのです。

    この経験から私が得た教訓は、「心肺機能が弱いのか、筋持久力が足りないのか——自分の課題を正しく見極め、それに合ったトレーニングを行わなければ、どれだけ努力しても思うように伸びていかない」ということでした。

    サブ4~サブ3.5ランナー向けの夏トレーニング

    サブ4〜サブ3.5を目指すランナーは、すでに「走る習慣」がしっかり身についており、これから本格的に記録を伸ばしていく最も楽しい時期に差し掛かっています。

    この走力帯のランナーは、大きく2つのタイプに分かれると感じています。

    それは、

    ・筋持久力不足タイプ

    ・心肺機能不足タイプ

    です。

    それぞれで課題や効果的なアプローチが異なるため、自分がどちらのタイプかを見極めることが、夏のトレーニングを効果的に進める鍵になります。

    筋持久力不足タイプにオススメな夏トレーニング

    まず筋持久力不足タイプです。かつての私がこのタイプでした。

    このタイプのランナーにもっとも効果的なのは、

    Eペースでのトレーニング量を増やすことです。

    心肺機能はある程度仕上がっているものの、Eペース(余裕のあるペース)で長く走るとキツくなる——そんな人は、筋持久力が不足している可能性があります。

    マラソントレーニング 夏

    心肺に余裕がある分、あとは走れる距離を徐々に伸ばしていくことで、マラソンを最後まで走り切るための筋持久力が養われていきます。

    Eペースでのランニングは低強度ジョグに比べて着地時の衝撃が大きく、足腰への刺激も強くなります。もちろん、ジョグにも一定の効果はありますが、Eペースのような中強度の刺激は、マラソン終盤で粘るための強靭な脚を作るうえで不可欠です。

    その分、着地衝撃による疲労も大きくなるため、日々のケアも重要になります。

    また、Eペースは筋持久力だけでなく心肺機能の強化にもつながるため、トータルで見ても非常におすすめできるトレーニングです。

    夏場は暑さの影響で、いきなりEペースで走り出すのが難しい日もあります。そんなときは、まず低強度のジョグからスタートし、後半に調子が上がってきたらEペースに切り替える、といった工夫も有効です。

    その中でも徐々にEペースでの時間帯を伸ばしていくイメージです。

    心肺機能不足タイプのランナーにオススメな夏トレーニング

    続いて、心肺機能がやや不足しているタイプのランナーに向けた夏のトレーニング戦略です。

    このタイプは、ある程度きつめのペースでもマラソンを走り切れてしまう傾向があります。たとえば、トレイルランニングからロードマラソンに転向したようなランナーに多く見られるタイプです。筋持久力はすでに十分に備わっており、記録を伸ばすためには「速い動き」を体に覚え込ませていくことが課題となります。

    マラソントレーニング 夏

    このようなランナーにおすすめなのが、大きな動きで走るトレーニングを少しずつ取り入れていくことです。動きのダイナミズムが増すことで、可動域が広がり、効率の良い走りにつながります。

    また、Eペースのトレーニング頻度を増やすために、VDOT指標におけるEペースの中でも、やや余裕のある(遅めの)ペース設定で走ることも有効です。そうすることで、疲労を抑えながらEペースの走行距離を増やすことができ、結果的にトレーニングの量・質の両面で効果を高められます。

    暑さがどうしても苦手というランナーであれば、

    分割走で距離を稼ぐのも非常に有効な方法です。

    夏場は気温や湿度の影響で、長時間のロングランが難しくなりがちです。そんなときは、たとえば「朝30分+夜30分」といったように、1日の走行距離を複数回に分けて走ることで、無理なく距離を確保することができます。

    大切なのは、1回の練習の長さよりも「継続すること」です。分割してでも日々走り続けることで、秋口には1回のランニングでまとまった距離を無理なくこなせる身体が出来上がっているはずです。

    サブ3ランナー向けの夏トレーニング

    サブ3を目指すには、より高い水準での筋持久力とスピード耐性が求められます。

    私自身が取り組んでいたトレーニングのイメージは以下のとおりです。

    ・Eペースランニングをベースにする

    ・可能な限りマラソンレースペースを取り入れる

    ・週1回はショートインターバルを実施する

    夏場はこうした強度の高いトレーニングが難しくなりがちなので、雨の日やトレッドミルをうまく活用して、無理のない範囲で取り組むようにしていました。

    Eペースランニングがベース

    サブ3を目指すトレーニングでは、Eペースでのランニングを中心に据えるのが基本です。

    Eペースの底上げに加えて、ある程度スピードのある動きを組み合わせることで、サブ3達成は十分可能です。ただし、この方法だけでは伸び悩むケースもあります。

    実際、私自身もこのアプローチでサブ3を達成しましたが、到達するまでにはかなり時間がかかりました。当時は、速い動きを取り入れる手段としてインターバルトレーニングしか思いつかず、トレーニング効率としては最適とは言えなかったと感じています。

    可能な限りマラソンレースペースを取り入れる

    Eペースを中心にトレーニングを進めることは基本ですが、サブ3を目指すならマラソンレースペースでのトレーニングを取り入れることも重要です。これにより、より実戦に近い、特異的なトレーニング効果が得られます。

    サブ3レベルになってくると、マラソンレースペース自体もかなりきつく感じるようになります。LT(乳酸性作業閾値)に近い領域でのトレーニングとなるため、無理にペース走を入れるよりも、マラソンレースペース走の方が実践的かつ継続しやすいと感じています。

    その理由は、ペース走に比べて負荷がやや低く設定できる分、トレーニングのボリュームを増やしやすいからです。

    私は現在、フルマラソンで2時間40分台まで記録を伸ばしていますが、このマラソンレースペースでのトレーニングを取り入れたことが、記録向上に大きく貢献したと感じています。Eペース中心の練習で限界を感じている人には、特におすすめできるメニューです。

    問題は、夏場にこのレースペース走をどう取り入れるかという点です。対策としては、気温が下がる早朝や雨の日、またはジムのランニングマシン(トレッドミル)を活用するのがよいでしょう。

    夏のトレーニング設定としては、マラソンレースペースより少し落としたペースでも構いません。私自身の例で言えば、レース本番のペースが4分弱/kmですが、夏の練習では4分10秒/km程度で走ることが多いです。

    週1回はショートインターバルを入れる

    週に1回はショートインターバルを取り入れることをおすすめします。

    その理由は、速い動きに体を慣れさせておくことが重要だからです。秋以降、マラソンレースペース走やロングインターバルといった高強度トレーニングの頻度を増やしていく必要がありますが、夏の段階からショートインターバルを継続しておくことで、そうしたトレーニングにスムーズに移行できるようになります。

    また、ショートインターバルは夏のEペーストレーニングやマラソンレースペース走の質を高めるうえでも効果的です。速い動きを定期的に入れることで、これらのペース帯が以前より楽に感じられるようになり、トレーニング全体の余裕度が向上します。

    まとめ

    今回は、サブ4からサブ3を目指すランナーに向けた夏のトレーニングについて解説しました。

    暑さが厳しい中でのトレーニングは決して楽ではありませんが、記録を伸ばすためには日々の積み重ねが何よりも大切です。そのうえで重要なのは、トレーニング負荷を無理なく調整していくこと。気温や湿度といったその日のコンディションをしっかり確認しながら、自分に合った強度と内容で継続していくことを心がけましょう。

    なお、今回の記事では夏のマラソントレーニングについての一部を取り上げましたが、さらに詳しく学びたい方は、私が4時間58分から2時間48分まで記録を伸ばす中で得た知見をまとめた教材も参考にしてみてください。

    電子書籍

    マラソンで記録を伸ばす上で、夏は非常に重要な時期です。ぜひこの機会に、効果的な夏のトレーニング方法を学んでみてください。

    いつもありがとうございます!更新の励みになりますのでクリックお願い致します↓

    にほんブログ村 その他スポーツブログ マラソンへ
    にほんブログ村

      コメントを残す

      メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

      日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)