【保存版】ランニングエコノミー改善でマラソン後半も失速しない!効率的に走るための練習法やコツを解説!

マラソン ランニングエコノミー

    マラソンを走っているときに、

    ・30kmまでは順調なのに、そこから急に足が動かなくなる

    ・練習では走れていたはずのペースなのに、本番では維持できない

    マラソンでこうした経験はありませんか?

    この原因、実はスタミナ不足やオーバーペースだけではないかもしれません。

    今回のテーマは「ランニングエコノミー」。

    走りの効率を改善することで、同じ体力・同じ練習量でも、後半の失速を防ぐことが可能です。

    ランニングエコノミーとは?効率的に走るための基礎知識

    ランニングエコノミーとは、一定スピードで走るときに必要な酸素消費量、つまり走りの燃費です。

    同じ4:00/kmで走っていても、ランニングエコノミーが高いランナーは酸素消費が少なく、疲労も少ないため、35km以降でもペースを落とさず走り切れるのが特徴です。

    逆にエコノミーが低いと、同じVO2maxを持っていても「燃費が悪い車」と同じで、ガソリン=エネルギーを使い切ってしまいます。

    その結果、30km以降で脚が重くなり、失速してしまうわけです。

    ここで重要なのは、VO2maxやLT(乳酸閾値)だけでは走りの効率は説明できないということ。

    マラソン ランニングエコノミー

    研究によると、VO2maxが同じランナー同士でも、

    ランニングエコノミーが10〜15%違うだけで、マラソンタイムに5〜10分以上の差が生まれるとされています。

    実際、私自身にも同じような経験があります。

    トレーニングは十分積んでいて、レース中も特にトラブルはなく、オーバーペースでもなかったのに、どこかぎこちない走りで35km手前から失速したことがありました。

    距離も踏めていたため、当時は理由が分からず悩んでいましたが、今振り返るとランニングエコノミーが不十分だったことが原因だったのではないかと感じています。

    30km以降に失速する本当の理由

    「30kmの壁」という言葉があるように、多くのランナーが35km前後でペースを落とします。
    でも、その原因は単純なエネルギー切れではありません。

    「30kmの壁」という言葉があるように、多くのランナーが35km前後でペースを落とします。

    しかし、その原因は単なるエネルギー切れではありません。

    ここで重要なのは、トレーニングで成長するVO2max(最大酸素摂取量)やLT(乳酸閾値)とは別の要素、つまり走りの効率=ランニングエコノミーが大きく関わっているということです。

    具体的には

    ・フォーム崩れ

    ・接地時間の増加

    ・SSC(腱のバネ)の定価

    ・上半身と下半身の連動不足

    この辺りが挙げられます。

    理由①フォーム崩れ

    まずはフォーム崩れです。

    マラソン後半、疲労が溜まると骨盤が後傾しやすくなります。

    骨盤が後ろに傾くことで背中が丸まり、腰が落ちたフォームになり、結果的にストライドが狭まって膝も上がりにくくなります。

    その結果、一歩あたりの推進力が低下し、ペースを維持するために大腿四頭筋やハムストリングに過剰な負担がかかり、さらに疲労が進行します。

    30kmを過ぎて「足が重くて前に出ない」と感じるのは、この骨盤後傾によるフォーム崩れが大きな原因です。

    理由②接地時間の増加

    次に接地時間の増加です。

    疲労によって膝の引き上げが弱くなると足を置きにいくような走りになり、接地時間が長くなります。

    接地が長くなると地面からの反発を効率的に使えず、推進力を筋力だけで補う必要が出てくるため、エネルギー消耗がさらに激しくなります。

    これにより、レース後半で一気に脚の疲労が加速し、ペース維持が難しくなります。

    理由③SSC(腱のバネ)の低下

    以外なのがSSC(腱のバネ)の低下です。

    ランニングでは筋肉だけでなく、腱に蓄えたエネルギーをバネのように使うSSC(ストレッチ・ショートニング・サイクル)が重要です。

    しかし、30km以降は疲労によってふくらはぎやアキレス腱の反発力が低下し、地面から得られるエネルギーを推進力に変換できなくなります。

    SSCが効率的に働いている状態では少ないエネルギーで大きな推進力を得られますが、バネが使えなくなると筋肉頼みの走りとなり、急激に脚が重くなるのです。

    理由④上半身と下半身の連動不足

    マラソン後半は脚の疲労に意識が向きがちですが、腕振りと骨盤の回旋がかみ合わなくなると走り全体のリズムが崩れます。

    腕振りが小さくなることで骨盤の動きも制限され、ストライドがさらに縮まり推進力が低下します。

    マラソン ランニングエコノミー

    さらに、上半身がブレ始めると重心が安定せず、余計な動きが増えて体幹の消耗を早めてしまいます。

    このように、フォーム崩れ、接地時間の増加、SSCの低下、上半身と下半身の連動不足といった複数の要因が重なることで、30km以降の失速は起こります。

    これらはすべて筋肉や腱、フォーム効率に関するものであり、VO2maxやLTの数値だけでは説明できません。

    いくら心肺機能を鍛えても、ランニングエコノミーが低ければ後半の失速は避けられないのです。逆に、ランニングエコノミーを高めることで、同じ能力でも35km以降を効率的に走り切れる可能性が高まります。

    ランニングエコノミーを高める3つのポイント

    ここからは、ランニングエコノミーを効率よく改善するための具体的な方法を解説します。
    ポイントは

    ・速い動き

    ・SSC強化

    ・Mペース走

    の3つです。

    Mペース以上の速い動きを取り入れる

    ランニングエコノミーを改善するためには、「Mペース(マラソンペース)」よりも速い動きを取り入れることが不可欠です。

    速いスピードで走ると、神経系が刺激され、フォームの最適化が自然と進みます。

    これは単に心肺機能を鍛えるためではなく、「効率的に速く走るための技術練習」という位置づけです。

    例えば、100〜150m程度の流しはフォーム改善に非常に効果的です。接地時間を短く、上下動を抑えて、できるだけリラックスした走りを意識することで効率的な身体の使い方が身につきます。

    マラソン ランニングエコノミー

    200〜400mのレペティションでは心肺機能だけでなく、速いペースでのフォーム安定性を鍛えられます。ここで大切なのは、ただ全力で走るのではなく、骨盤を安定させてブレを抑え、腕振りと脚の連動を意識することです。

    さらに10〜15秒の坂道ダッシュは、地面を強く蹴る感覚を養うのに最適です。地面反発を効率よく推進力に変換するための神経系トレーニングとして非常に効果があります。

    特に流しやレペティションは、「骨盤の安定」、「上下動の抑制」、「推進力の最適化」に直結します。「スピード練習=心肺強化」というイメージが強いかもしれませんが、実際には効率改善のための重要な要素であり、ランニングエコノミーを高める基礎づくりとなるのです。

    筋出力とSSC(ストレッチ・ショートニング・サイクル)の強化

    効率よく速く走るためには、地面からの反発力を効率的に推進力へ変える能力が欠かせません。

    そのカギとなるのが、腱と筋肉のバネの働きである SSC(Stretch Shortening Cycle:ストレッチ・ショートニング・サイクル) です。

    SSCは、着地時に腱や筋肉を素早く伸ばしてエネルギーをため込み、そのエネルギーを反発として走りに活かす仕組みです。

    SSCがうまく働くことで、余計な筋力を使わずに効率的な推進力を得ることができます。

    しかし、疲労が溜まってバネの働きが弱まると、エネルギーをうまく使えず、筋肉頼みの走りになり、一気に消耗してしまいます。

    このSSCを鍛えるにはプライオメトリクストレーニングが効果的です。

    ホッピングやデプスジャンプ、片足ジャンプなどの動きは腱の伸展性を高め、弾むようなランニングフォームにつながります。

    また、坂道を10秒ほど全力で駆け上がるヒルトレーニングは、SSCだけでなく筋出力そのものを強化するのに有効です。

    さらに、A skipやB skipといったスプリントドリルもおすすめです。正しい接地位置や効率的な前進力を身体に覚えさせることができ、フォーム改善にもつながります。

    私自身、週1回坂道ダッシュを取り入れていた時期は、ハムストリングやふくらはぎ、アキレス腱周りをしっかり使っている感覚がありました。

    その結果、翌週のロングランやMペース走が驚くほど楽に感じた経験があります。

    これは、SSCの働きが強化され、より効率的な動きが身についていた証拠だと今では実感しています。

    Mペース走でエネルギー効率を最適化する

    最後に重要なのが、Mペース走です。

    Mペース走は、マラソンで実際に走るペースに近い速度で一定距離を走るトレーニングで、効率的なエネルギーの使い方を身につけるために不可欠です。

    Mペース走を行うことで、実際のレースペースでフォームを安定させる練習ができ、グリコーゲンの節約能力も高まります。

    マラソン ランニングエコノミー

    また、呼吸のリズムや腕振り、骨盤の安定など、レースで必要な身体の使い方を習得できます。

    ただし、Mペース走だけではランニングエコノミーの大きな改善は難しいのも事実です。

    フォームの効率を高めるためには、先に紹介した「速い動き」や「SSC強化」と組み合わせることが重要です。

    例えば、週のトレーニングの中で流しやレペティションを入れ、別の日に坂道ダッシュなどを取り入れたうえで、週末にMペース走を行うと、効率的なトレーニングサイクルになります。

    特にサブ3やサブエガを狙うランナーにとって、Mペース走は「基盤づくり」ではなく「実戦力を高めるための最終調整」です。

    Mペース走単体ではなく、スピード系とSSC強化を絡めてバランスよく取り入れることで、より少ないエネルギーで効率的に走れる身体が出来上がります。

    まとめ:ランニングエコノミーを鍛えてマラソン後半も失速しない!

    ランニングエコノミーとは、いわば走りの燃費です。

    VO2maxやLTだけを鍛えても、効率が悪ければ後半の失速を防ぐことはできません。

    今回紹介した「速い動き」「SSC強化」「Mペース走」をバランスよく取り入れることで、フォームが安定し、少ないエネルギーで長く走ることが可能になります。効率を改善することが、記録更新への近道です。

    今回の内容は、YouTube動画でも詳しく解説しています。実際のフォームやトレーニングドリルを映像で見たい方は、ぜひ動画もチェックしてください。

    また、こうしたランニングエコノミー改善のポイントは、私が主催している練習会でもお伝えしています。

    基本はロングランを中心としたトレーニングですが、長距離を走ることで得られることは非常に多く、実践的なフォーム改善にもつながります。

    さらに、参加者にはSAMURAIGELを2本プレゼントしていますので、コストパフォーマンスも高いと思います。

    興味のある方はぜひご参加ください。一緒に効率的な走りを身につけ、後半も失速しないマラソンを目指しましょう!

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