箱根駅伝を見ていると厚底シューズが目立ちましたね。時にナイキの黄色のシューズはテレビを見ている方にもかなり印象的だったと思います。そこで本記事では2021年の箱根駅伝で履かれていたシューズの話題を中心に解説していきたいと思います。
本記事では以下の方を対象にしています。
・箱根駅伝で履かれているシューズは何?
・ナイキの厚底シューズの特徴は?
・ナイキの厚底シューズを前年モデルと使い分けていたのはなぜ?
・ナイキ以外の厚底シューズについても知りたい
以下記事で解説していきます。
箱根駅伝2021で使用されたシューズはNIKEがダントツ!
2021年の箱根駅伝は210人のうち201人がナイキのシューズを履く結果となり、まさにナイキ一色と言っても過言ではありませんでした。
箱根駅伝の前哨戦である全日本大学駅伝でもその傾向はあり、ナイキのシューズを選ぶ選手は非常に多く、逆にナイキのシューズ以外を履く選手の方が目立っていたぐらいです。
実業団でもナイキの着用率は高く、ナイキが大多数を占める中で少数派としてアディダスの新型厚底シューズであるADIOS PROやアシックスのメタレーサー、HOKAやニューバランスを履く選手が少数いるといった状況でした。
ショッキングだったのは、箱根駅伝の使用率が高かったアシックスが使用ゼロだったということです。
これまでの箱根駅伝は、ソーティージャパンやソーティーマジック、ウエーブエキデン等が当たり前の様に履かれていたのですが、最近はレースで使用されているところをまったく見なくなってしまいました。
新型のアルファフライネクストか?昨年のヴェイパーフライか?
2020年までの箱根駅伝と異なる点は、ナイキの厚底シューズも使い分けされているという点です。
昨年までは「ヴェイパーフライネクスト%」1択だったのですが、今年の箱根駅伝からはナイキの厚底シューズも2極化しました。
エリウド・キプチョゲ選手がフルマラソン2時間切りにチャレンジしたイベントで履いていた「アルファフライ ネクスト%」が選択肢に上がり、アルファフライとヴェイパーフライのどちらかを履く選手が多かったのです。
かつて箱根駅伝でアシックスが群を抜いて履かれていた時代には、反発で走るソーティーマジックか、回転で走るソーティージャパンのどちらかが使い分けられていました。
一方ナイキの厚底シューズの使い分けは、上記のアシックスの例とはまた少し違い、コースの特徴にや自分の走りの適性に合わせて選択されている様に感じます。
以下でアルファフライとヴェイパーフライの特徴を比較したいと思います。
アルファフライ ネクスト%
アルファフライネクスト%はフルマラソンで2時間切りを狙う「INEOS 1:59 Challenge」というイベントで、エリウド・キプチョゲ選手が履いていて見事2時間切りを達成した時のシューズです。
キプチョゲ選手はエチオピアのハイレ・ゲブルセラシエ選手やケネニサ・ベケレ選手と同じ時期にトラックで活躍した選手でしたが、ここ最近はフルマラソンで活躍する選手です。フルマラソンで2時間を切ったのは彼自身の実力ももちろんですが、シューズによるタイム短縮も十分に考えられます。
アルファフライネクスト%を最初に見たときは、そのランニングシューズらしからぬ見た目に驚きました。これまでランニングシューズにカジュアルシューズのAIR MAXに見られるような「エアーゾーン」をもつランニングシューズはなかったからです。見た目もヴェイパーフライネクスト%よりも大きいので、どんなシューズなのかと思いましたが、ヴェイパーフライで感じられるようなパフォーマンスも健在で、ナイキの技術力の高さはさすがだなと感じました。
距離の短いトラックレースのように、体幹でなんとか押し切れる距離であればアルファフライの推進力はアリでしょうし、このシューズの強い反発を長い距離でも生かせる方であればマラソンでもかなりの武器となるでしょう。
ヴェイパーフライ ネクスト%
2020年からトップ選手の中で使用が増えたのがこのヴェイパーフライネクスト%です。
ヴェイパーフライネクスト%は、シリーズで最初に市場に出たヴェイパーフライニットと比較して低ドロップに改善されたのが特徴です。前身となるヴェイパーフライニットは、つま先側に重心が乗る構造のシューズでしたが、ヴェイパーフライネクストからは低ドロップ差の構造からその点は改良されています。一度走り始めると、しっかりと推進力に代わる方向にシューズが跳ねてくれるので、非常に楽に走ることができますし、足首にかかる負担も少ないので長距離向けのシューズと言えるでしょう。
なので、最初にヴェイパーフライを購入して、これまでにない身体の部分に痛みが発生して足に合わないと使用を辞めてしまったランナーの方にもヴァイパーフライネクスト%やその後に発売されたアルファフライネクスト%はかなりおすすめです。
最初のマラソン2時間切りチャレンジである「BREKING2」で、キプチョゲ選手、タデッセ選手、デシサ選手が履いていたのがヴェイパーフライニットでしたが、このシューズのドロップ差を低くしたものとしてヴェイパーフライネクスト%が発売され、箱根駅伝の選手や国内・海外のメジャーマラソンで履かれるようになりました。2020年の箱根駅伝で左右色が対象のナイキのシューズを見た方は多いかと思います。
2021年もヴェイパーフライネクスト%を履く選手は多く、理由はアルファフライネクストも良いが、「反発が強すぎて上に力が逃げてしまう」という理由からヴェイパーフライネクスト%を選択する選手が出てきたのです。長い距離を少ない疲労で走るのであればヴェイパーフライネクスト%が適していることを選手も肌で感じているのでしょう。
よって、距離の長いフルマラソンやハーフマラソンではかなり使えるシューズになります。
ナイキの厚底シューズは両モデルとも購入しやすくなった
2020年は別府大分毎日マラソンが終了したあたりから感染症が蔓延し始めて、様々な大会が中止となり、外出自粛を余儀なくされました。
その中で変わったのはこれまで全くと言っていいほど手に入らなかったナイキの厚底シューズが急に手に入り始めたのです。これはナイキがこの時期に通販に力を入れ始めていたからで、かなり安く手に入れることが出来るようになりました。
これまでは、ナイキのショップに情報を聞きつけた人だけが並んで購入するという奇妙な現象が起きていたぐらい手に入りにくいシューズだったのです。
ランナーはシューズに対してある種のゲン担ぎみたいなものを強く持つので、ここでユーザーの心を掴んだのです。
私も良い走りが出来た時のシューズは、色が気に入らなくても勝負事で履くことがあります。
厚底シューズは反発も得られる上、足首への負担が圧倒的に少ない
私自身ヴェイパーフライネクストを始め、他メーカーの厚底シューズを試してきましたが、反発の違いはあるものの、共通するのが足首への負担が少ないということです。これが長い距離を走るマラソンで重要な「足を取っておく」ことに繋がっていると感じています。
トラックでもスパイクではなく厚底シューズで走る選手も!
また、国内では群馬の東京農大二校の石田選手が5000mで2度の高校記録更新時に履いていたことも特徴的でした。これまでトラックでは長距離用スパイクを履くことが常識だったからです。現在もナイキのドラゴンフライなどのスパイクを履く選手はいますが、厚底シューズもトラックレースの選択肢として十分ありうるということでしょう。
実業団は履く厚底シューズも様々
実業団選手でもナイキ使用率は非常に高いですが、他社の厚底シューズを履く選手もいます。
以下で例を仮設したいと思います。
HOKA ONEONE CARBON X
青山学院のエースで現在GMOインターネットグループに所属する一色選手HOKAを履いており、麗澤大学もHOKAのCARBBONXでレースや練習に取り組んでいます。HOKAはつい最近出てきたメーカーなので海外では馴染みがあるものの、日本では認知度は低くどちらかというとトレイルランで有名な印象があります。
私自身CARBONXは練習で愛用しており、4分前後の少しはやめのJOGはたいていこのシューズを履きます。反発はしないものの、シューズの回転を利用して走る仕組みなので、正しい位置で蹴りだす必要があるので、上半身をしっかり使って走る必要があります。上半身を使って走ることや蹴りだしの位置を意識することはランニングエコノミーの向上には欠かせないので、かなりランナーを鍛えてくれるシューズになります。また、耐久性も高く、アッパーの破れやアウトソールの減りも少ないのが嬉しいです。
以下で詳細にレビューしていますので良かったら覗いてみてください。
アシックス メタレーサー
早稲田大学の選手が昨年の箱根駅伝で履いていたことと、MGCでMHPSの井上選手が履いていたことで有名になったのがメタレーサーです。
このシューズの良いところは何といってもアシックスらしい履き心地はそのままに反発を得られるシューズであるということです。
過去にこのシューズで40㎞走を何度か入れてきましたが、足首にかかる負担がかなり少ないです。詳細は以下記事でレビューしています。
これまでのシューズはどんな使い方をされているのか?
ではこれまで履かれてきて、現在も根強い人気のあるソーティージャパンやソーティーマジック、ウエーブクルーズなどはどんな使い方をされているのかというと、トレーニングシューズとして使われています。
トレーニングシューズとしてこれらのシューズを使い、チーム内の選考レースや勝負レースに厚底シューズを履くという使い分けがされているようです。
特にトレーニングシューズとして人気なのが「ナイキフリー」で、アウトソールにプレートが使用されておらず、足の力だけでキックする必要があるので足底筋を鍛えるシューズとしては最適です。私自身ジョギングなどでよく利用しますし、実業団選手もそのような使い分けをしているのが現状です。
厚底シューズに足が慣れてしまうと最も大事な脚力が奪われてしまうのです。
まとめ
今回は箱根駅伝2021で使用されていたシューズをメインに厚底シューズを紹介させて頂きました。感染症の影響でレースがありませんが、練習で履きこなしてレースが始まったらすぐに自己ベストを出せるように準備しておきましょう!
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