2025年に購入したOakleyのスポーツサングラス「Stunt Devil」。
このサングラスを使用してマラソンをすでに数本走りましたが、実際に使用してみると、最も印象的だったのは「視界の広さ」でも「軽さ」でもありませんでした。
私が驚いたのは、
走っていることを忘れるほどの保持力です。
別府大分毎日マラソンや東京マラソンなどのレースでも実際に着用しましたが、エイドで給水を取るときや下り坂を走るときでもサングラスを直す動作がほとんどありませんでした。
気付けば「掛けていることを忘れていた」というのが率直な感想です。
しかし、Stunt Devilの魅力は、単に「ズレないサングラス」というだけではありません。
Oakleyはこれまで、M Frameでは視界、Radarシリーズでは軽量性、Katoでは顔との一体感と、その時代ごとにスポーツサングラスの課題を解決してきました。
そしてStunt Devilでは、新たに「Retention(保持力)」というテーマへ挑戦しています。
この記事では、実際にランナーとして使用したレビューに加え、Oakleyがなぜ保持力を追求したのか、その開発思想やHyperGrip Technologyの特徴、さらにStunt Wingとの違いについても詳しく解説します。
単なる使用レビューではなく、Oakleyの歴史の中でStunt Devilがどのような位置付けのモデルなのかという視点からも掘り下げていきます。
またこのサングラスについては以下の動画でも解説しております。
Oakley Stunt Devilとは?
Oakley Stunt Devilは、2025年に登場したスポーツサングラス「Stuntシリーズ」の一つです。
従来のOakleyは、「広い視界」や「軽量性」、そして「顔との一体感」といったテーマでスポーツサングラスを進化させてきました。
一方、Stunt Devilでは新たに「Retention(保持力)」という考え方を開発テーマに掲げています。
ランニングやロードバイク、トレイルランニングなど、長時間にわたって身体を動かすスポーツでは、サングラスがわずかにズレるだけでもストレスになります。
エイドステーションで給水を取る瞬間、下り坂で身体に大きな衝撃が加わる場面、大量の汗をかいた状況など、スポーツサングラスには「ズレないこと」が求められます。
Stunt Devilは、こうした実際の競技シーンを想定し、Oakley独自のHyperGrip Technologyを採用することで、高い保持力を実現したモデルです。
Eペースというと、
・ゆっくりジョグ
・疲労抜きというイメージを持っている方も多いと思います。
ですが、ダニエルズのランニングフォーミュラにおけるEペースは、単なる疲労抜きジョグではありません。… pic.twitter.com/lIwBvpEUXm
— ヒロ|マウンテンランニング研究所 (@AC71592310) June 5, 2026
また、レンズにはPrizmレンズを採用し、スポーツシーンでの視認性を確保。さらに大型レンズによる広い視界と軽量なフレームを組み合わせることで、快適な装着感も追求しています。
私自身も別府大分毎日マラソンや東京マラソンで実際に着用しましたが、最も印象に残ったのは「視界」や「軽さ」ではなく、走っている間にサングラスの存在を忘れてしまうほどの保持力でした。
そのため、Stunt Devilは単なる新しいスポーツサングラスではなく、Oakleyが新たな開発テーマとして掲げた「保持力」を体現するモデルと言えるでしょう。
Oakleyが目指した「保持力」という挑戦
Oakleyのスポーツサングラスは、時代ごとに一つの課題を解決しながら進化してきました。
例えば、1990年代に登場したM Frameは、一枚レンズを採用することで、それまでのスポーツサングラスでは得られなかった広い視界を実現しました。競技中にフレームが視界へ入りにくくなり、多くのアスリートから支持を集めた名作です。
その後、Radarシリーズでは軽量化とフィット感をさらに向上させ、ランニングやサイクルスポーツなど幅広い競技で定番モデルとなりました。
さらにKatoでは、従来のノーズブリッジの概念を見直し、レンズを顔へ近づけることで、より一体感のあるフィットを実現しています。
このようにOakleyは、その時代ごとにスポーツサングラスの課題を解決する製品を生み出してきました。
では、次にOakleyが着目した課題は何だったのでしょうか。
それが「Retention(保持力)」です。
近年のスポーツサングラスは、大型レンズの採用や軽量化が進み、視界や装着感は非常に高いレベルまで進化しています。
しかし、ランニングやロードバイク、トレイルランニングのような激しく身体を動かすスポーツでは、汗や振動によってサングラスが少しずつズレてしまうことがあります。
競技中に何度もサングラスを掛け直す動作は、小さなことのようでいて、集中力を妨げる要因にもなります。
そこでOakleyが新たに挑戦したのが、「ズレないこと」を追求するという考え方でした。
Stunt Devilには、単にテンプルのグリップを強くするのではなく、頭部全体で支えるという新しい発想が取り入れられています。
私は実際に使用してみて、「サングラスを掛けていることを忘れる」という感覚を初めて経験しました。
もちろん、保持力の感じ方には顔の形や使用環境による個人差があります。
しかし、実際のレースで使用した印象からも、Stunt DevilはこれまでのOakleyとは異なるアプローチで「保持力」という課題に挑戦したモデルであると感じています。
HyperGrip Technologyとは?
Stunt Devilの最大の特徴とも言えるのが、Oakleyが新たに採用したHyperGrip Technologyです。
名前だけを見ると、滑り止め素材のような印象を受けるかもしれません。しかし実際には、単にグリップ力を強くした技術ではありません。
HyperGrip Technologyは、フレーム形状やテンプルデザイン、重量バランス、接触面積などを総合的に最適化し、激しい動きの中でもサングラスを安定して保持するための設計思想です。
従来のスポーツサングラスでは、ズレを防ぐためにノーズパッドやイヤーソックスの摩擦力を高めるアプローチが一般的でした。しかし、それだけでは汗を大量にかいた状況や長時間の競技では十分とは言えない場面もあります。
Stunt Devilでは、頭部との接触ポイントやフレーム全体の荷重バランスまで見直すことで、局所的な力に頼るのではなく、サングラス全体で保持するようなフィット感を目指しています。
そのため、締め付けが強いわけではないのに、走っていてズレにくいという独特の装着感が生まれています。
なお、似た名称としてHyperGrip ULTRAがありますが、これは別の技術です。
HyperGrip ULTRAは、Stunt Wingに採用されている柔軟なUnobtainium製テンションバンドの名称であり、HyperGrip Technologyを構成する一要素ではあるものの、同じ意味ではありません。
つまり、HyperGrip Technologyは「保持力を実現するためのシステム全体」、HyperGrip ULTRAは「その一部を担う専用パーツ」と考えると理解しやすいでしょう。
私が実際にマラソンで使用した印象では、サングラスがしっかり固定されているという感覚よりも、「存在を意識しなくなる」という感覚の方が近いものでした。
ズレを気にすることなく走り続けられることは、レースへの集中力を維持するという意味でも、大きなメリットだと感じています。
大型レンズ化で変わったスポーツサングラスの課題
近年のスポーツサングラスは、大型レンズ化が進んでいます。
レンズを大きくすることで、フレームが視界へ入りにくくなり、サングラス越しに見える視野が広がります。ランニングではGarminへ視線を落とす動作やエイドステーションでの給水、トレイルランニングでは足元の確認なども、より自然な視線移動で行えるようになりました。
しかし、その一方で新たな課題も生まれます。
レンズが大型化すると、フレーム全体が受ける風圧や振動の影響も大きくなり、激しい動きの中でサングラスを安定して保持することは、従来以上に難しくなります。
つまり、広い視界を実現するだけでは十分ではなく、その視界を競技中ずっと維持できる構造が求められるようになったのです。
Stunt Devilは、こうした近年のスポーツサングラスのトレンドを踏まえながら、Oakley独自のHyperGrip Technologyによって「広い視界」と「高い保持力」の両立を目指したモデルと言えるでしょう。
ランナー目線で実際に使用して感じたこと
私がStunt Devilを使用したのは、別府大分毎日マラソンと東京マラソンです。
どちらも長時間にわたって走り続けるレースであり、サングラスの性能が試されるには十分な環境でした。
実際に走ってみて最も印象的だったのは、「ズレなかった」ことではありません。
サングラスを掛けていることを忘れていたことです。
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— ヒロ|マウンテンランニング研究所 (@AC71592310) March 12, 2026
これまでにもさまざまなスポーツサングラスを使用してきましたが、エイドステーションで給水を取るときや、下り坂で着地の衝撃が続く場面では、無意識にサングラスへ手を添えたり、位置を直したりすることがありました。
それは決して大きなストレスではありません。しかし、42kmという長い距離を走る中では、その小さな動作が何度も積み重なります。
Stunt Devilでは、その動作がほとんどありませんでした。
締め付けが強いわけではなく、圧迫感も感じません。それでも走行中にサングラスの位置が気になることがなく、レースそのものに集中できたという印象があります。
また、大型レンズによる広い視界も好印象でした。
前方だけでなく足元や周辺視野まで自然に見渡せるため、ロードはもちろん、林道や比較的走りやすいトレイルでも安心感があります。エイドステーションで手元を確認したり、Garminの画面へ視線を落としたりする動作もスムーズで、視界が遮られるような感覚はありませんでした。
もちろん、サングラスのフィット感は顔の形との相性もあります。そのため、すべての人が同じように感じるとは限りません。
それでも、私自身の実走経験では、Stunt Devilは「視界」や「デザイン」よりも、保持力によってレースへの集中を妨げないことが最も印象に残ったモデルでした。
Stunt Wingとの違い
Stunt Devilと同じタイミングで発表されたモデルに、Stunt Wingがあります。
どちらもStuntシリーズに属するモデルですが、実際にはコンセプトが異なります。
私の解釈では、Stunt WingはOakleyが新たな保持力技術を提案するためのフラッグシップモデルであり、Stunt Devilはその思想をより多くのアスリートが実際の競技で使いやすい形へ落とし込んだモデルという位置付けです。
特に大きな違いとなるのが、Stunt Wingに採用されているHyperGrip ULTRAです。
これは柔軟性のあるUnobtainium製テンションバンドで、後頭部側からサングラスを支えることで、激しい動きの中でも高い保持力を発揮する仕組みとなっています。
一方のStunt Devilには、このテンションバンドは採用されていません。
しかし、それは保持力を妥協したという意味ではありません。
フレーム形状や重量バランス、テンプルの設計などを最適化したHyperGrip Technologyによって、高い保持力を実現しています。
実際に私が使用した限りでは、フルマラソンのような長時間のランニングにおいて保持力に不満を感じる場面はありませんでした。
もちろん、競技特性によって求められる性能は異なります。
例えば、アメリカンフットボールやマウンテンバイクのように、急激な方向転換や接触、強い衝撃が繰り返される競技では、Stunt Wingのような構造がより大きなメリットを発揮する可能性があります。
一方で、ロードランニングやロードバイク、トライアスロンなどでは、Stunt Devilの軽快な装着感と十分な保持力のバランスは、多くのアスリートにとって扱いやすい選択肢になるでしょう。
どちらが優れているというよりも、同じ「保持力」というテーマに対して、異なるアプローチで応えた2つのモデルと考えると、その違いが理解しやすいのではないでしょうか。
Stunt Devilはどんな人におすすめか
Stunt Devilは、単に「Oakleyの新しいスポーツサングラス」というだけではありません。
私が実際に使用して感じたのは、競技中にサングラスの存在を意識したくない人にこそおすすめしたいモデルだということです。
例えば、ランニング中にサングラスが少しずつズレてしまい、何度も掛け直している人。汗をかくとフィット感が変わり、レース終盤になるほど気になってしまう人。そんな経験がある方には、一度試してみる価値があると思います。
先日の別府大分毎日マラソンで、
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その中でも効果のあったロングランの取り組み にフォーカスしてお話ししています。https://t.co/X8cTP8PZRV一般的には
「ロングラン=距離を踏む練習」… pic.twitter.com/LgbLaq6WFb— ヒロ|マウンテンランニング研究所 (@AC71592310) February 6, 2026
また、フルマラソンやトレイルランニング、ロードバイク、トライアスロンのように長時間にわたって身体を動かす競技では、小さなストレスの積み重ねがパフォーマンスにも影響します。
Stunt Devilは、その「小さなストレス」を減らすことを目指して設計されたモデルだと感じました。
もちろん、サングラスは顔の形との相性が大きく影響するため、すべての人に最適とは言えません。可能であれば実際に試着し、自分の顔に合うかを確認することをおすすめします。
それでも、もしあなたが「視界」や「デザイン」だけでなく、競技への集中力を高めるための一本を探しているのであれば、Stunt Devilは有力な選択肢になるでしょう。
まとめ
Oakley Stunt Devilは、単なる新しいスポーツサングラスではありません。
Oakleyがこれまで培ってきた「広い視界」「軽量性」「フィット感」といった技術を受け継ぎながら、新たに**「保持力(Retention)」**というテーマへ挑戦したモデルです。
実際に別府大分毎日マラソンや東京マラソンで使用してみて、私が最も印象に残ったのは、サングラスがズレなかったことではなく、掛けていることを忘れるほど自然な装着感でした。
42.195kmという長い距離では、小さなストレスの積み重ねが集中力やパフォーマンスに影響します。その意味で、Stunt Devilは競技中にサングラスを意識する時間を減らし、走ることに集中できる環境を提供してくれるモデルだと感じています。
もちろん、サングラスは顔の形や競技によって相性があります。そのため、可能であれば実際に試着し、自分に合ったフィット感を確かめることをおすすめします。
「ズレないサングラス」ではなく、「サングラスの存在を忘れられる一本」。
それが、私が実際に使用して感じたOakley Stunt Devilの最大の魅力です。
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