マラソンで記録を伸ばしたいと思ったとき、
・何をすればいいのか分からない
・距離は踏んでいるのに伸びない
こう感じたことはないでしょうか。
私自身、サブ5(4時間58分)からスタートし、最終的に2時間46分まで走力を伸ばしました。
その中で大きな転機になったのが
ダニエルズのランニングフォーミュラという一冊です。
この記事では、この本の内容を「実体験ベース」でわかりやすく解説します。
この内容については以下の動画でも解説しております。
ダニエルズのランニングフォーミュラとは
ダニエルズのランニングフォーミュラは、ランニングのトレーニング理論を体系的にまとめた書籍です。
最大の特徴は、「感覚ではなく理論で走る」という点にあります。
本書では、
・なぜ速くなるのか
・どの強度で走るべきか
トレーニングをどのように組み立てるべきか
といった、ランニングにおける本質的な考え方が明確に整理されています。
一般的なランニング本の場合、トレーニングの考え方は書かれていても、具体的な設定まで踏み込まれていないことが多くあります。
今回の動画では、マラソン4時間58分から2時間46分まで走力を伸ばすきっかけになった一冊、
「ダニエルズのランニングフォーミュラ」について全体像を解説しました。https://t.co/w4XP39j4O8
これまでこのチャンネルではEペースやTペースといったトレーニング強度について解説してきましたが、… pic.twitter.com/LYoOEQD6Wq
— ヒロ|マウンテンランニング研究所 (@AC71592310) April 2, 2026
また、仮に練習メニューが紹介されていたとしても、それはトップランナー向けの内容であることが多く、市民ランナーがそのまま真似するのは現実的ではありません。
そもそも市民ランナーは、走力のレベルも違えば抱えている課題も異なります。
そのため、本来必要となるトレーニング内容も人それぞれであり、全員が同じメニューをこなせばいいというものではありません。
ポイント練習の強度やボリュームについても同様で、適切な負荷はランナーごとに変わってきます。
ダニエルズのランニングフォーミュラは、こうした個人差を前提としながら、自分に合ったトレーニングをどう作るかという視点を提供してくれる点に大きな価値があります。
この本は何が書かれているのか?
先にも触れましたが、ダニエルズのランニングフォーミュラは、
「自分専用のトレーニングを作るための本」
です。
本書では、トレーニングを感覚ではなく理論で組み立てるために、次のような考え方が示されています。
・走力を数値化する(VDOT)
・その数値から適切なトレーニングペースを決める
・目的別にトレーニングを分ける
この流れによって、これまで多くのランナーが行ってきた「なんとなく頑張る練習」から脱却できることが、この本の最大の価値です。
具体的には、まず自分の現在の走力がどの程度なのかを把握するところから始まります。本書ではVDOTという指標が用いられており、その数値をもとに自分のレベルを明確にします。
そのうえで、そのVDOTに応じたトレーニングの組み立て方を確認していきます。
つまり、自分にとって適切な強度やボリュームがどの程度なのかを具体的に把握できるようになります。
一方で、現在の走力から考えるだけでなく、自分が目標とするVDOTの数値を基準にして、「そのレベルに到達するためにはどのようなトレーニングが必要なのか」という視点で考えることもできます。
私の場合は、この後者の考え方で本書を活用してきました。目標とする走力から逆算してトレーニングを組み立てることで、やるべきことが明確になり、迷いなく取り組むことができました。
ただし、現実とかけ離れた高すぎるVDOTを目標に設定してしまうと、必要なトレーニング負荷も過度に高くなってしまい、継続が難しくなる可能性があります。
そのため、目標設定としては「頑張れば手が届くレベル」を基準にすることが重要です。このバランスを意識することで、無理なく走力を伸ばしていくことができます。
なぜこの本で走力が伸びたのか(実体験)
以前の私は、
・とにかく距離を踏む
・きつい練習をやる
というやり方でトレーニングを行っていました。
しかし、思うように結果は出ず、伸び悩んでいました。
今振り返ると、その原因はトレーニング負荷が高すぎたことにあり、結果としてトレーニング自体を継続できていなかったことが大きいと感じています。
マラソンのトレーニングは、単発の強い刺激で伸びるというよりも、代謝の変化によって走力が向上していく側面が大きい競技です。そのため、継続してトレーニングを積み重ねることが非常に重要になります。
初心者のうちは、ゆっくりとした低強度のジョグでも走力は伸びていきます。これは、レース本番で歩かずに走れる時間が増えるだけでも記録が向上するためです。
しかし、ある程度記録を狙う段階に入ると、低強度のジョグだけでは走力は伸び悩むようになります。
そこから先は、適切な強度のトレーニングを組み合わせていく必要があります。
現在の私は、週に3回程度のポイント練習を取り入れています。この頻度でトレーニングを継続できていること自体が走力向上の大きな要因であり、継続性こそが結果につながったと考えています。
逆に言えば、この頻度で継続できるということは、トレーニングの強度が適切にコントロールされているということでもあります。
今日は昼休みラン🏃♂️
Eペースの中に無酸素の刺激を入れる内容。昨日の高尾山トレランがしっかり効いていて、正直動きはイマイチ、なんとなく1テンポ遅れる感覚。
それでもこの「無酸素の刺激」、
5000mに取り組む中で確実に効果を感じている練習。… pic.twitter.com/e2YHyQ9yg3— ヒロ|マウンテンランニング研究所 (@AC71592310) March 30, 2026
多くの市民ランナーを見ていると、トレーニングの設定ペースが速すぎるケースが非常に多いと感じます。特に、練習会のペースに合わせて無理に走ってしまうことが、その要因になっている場合が少なくありません。
その結果、トレーニングの負荷が高くなりすぎて継続できず、思うように走力が伸びないという状況に陥ってしまいます。
この本を読んで最も大きく変わったのは、「強度をコントロールする」という考え方です。
無駄にきつい練習を減らし、自分にとって適切な強度のトレーニングを繰り返す。この考え方に切り替えたことで、トレーニングの継続性が高まり、その結果として走力が一気に伸びていきました。
VDOTとは何か
VDOTとは簡単に言うと、
「今の自分の走力を数値化した指標」です。
ダニエルズ理論では、このVDOTの数値を基準にトレーニングを組み立てていきます。
具体的には、直近のレースタイム(5kmや10km、ハーフマラソンなど)をもとにVDOTを算出し、その数値に応じてトレーニング強度を決めます。
このVDOTを使うことで、
・どのくらいのペースで走るべきか
・どの強度のトレーニングを行うべきか
・どのくらいの距離や本数が適切か
・どの程度のリカバリーを取るべきか
といった内容を、走力ごとに具体的に設定できるようになります。
一般的にランニングでは「VO₂max(最大酸素摂取量)」という指標が使われますが、VDOTはそれだけでなく、ランニング効率やレースでのパフォーマンスも含めた「実戦的な走力」を表しているのが特徴です。
そのため、同じ体力レベルであっても、走りの効率が高い人ほどVDOTは高くなり、より速いペース設定が可能になります。
VDOTを基準にすることで、なんとなくきつい練習や他人のメニューをそのまま真似するトレーニングから脱却し、
自分にとって最適な負荷でトレーニングを行うことができるようになります。
ただしVDOTはあくまで基準であり、ランナーにはそれぞれ特性があります。
スピード型か持久型か、回復の早さなどによっても適切な負荷は変わるため、実際にはVDOTをベースにしながら、自分に合わせて微調整していくことが重要です。
この本のメリット
ここまで解説してきた通り、ダニエルズのランニングフォーミュラの最大の特徴は、トレーニングを感覚ではなく理論で組み立てられる点にあります。
私自身、それまでのトレーニングは「とにかく距離を踏む」「きつい練習をやる」といった感覚的なものでした。
しかしそのやり方では継続性が低く、結果として走力は伸び悩んでいました。
この本に出会い、VDOTという指標をもとにトレーニングを組み立てるようになってからは、「自分にとって適切な強度」が明確になり、無駄にきつい練習を減らすことができました。その結果、トレーニングの継続性が高まり、走力の向上につながっていきました。
このような実体験も踏まえると、この本のメリットは大きく3つあります。
まず1つ目は、走力に応じたトレーニングを具体的に設定できる点です。
VDOTという指標を使うことで、ペースや距離、リカバリーまで含めたトレーニング内容を明確にすることができます。これにより、自分に合わない負荷でトレーニングしてしまうリスクを減らすことができます。
2つ目は、トレーニングの継続性が高まる点です。
適切な強度でトレーニングを行うことで、無理なく継続できるようになります。マラソンは単発の強い練習ではなく、継続によって走力が伸びていく競技であるため、この点は非常に重要です。
3つ目は、単独でもトレーニングを組み立てられる点です。
私自身もそうでしたが、周囲に指導者やチームがない環境でも、この理論を理解していれば自分でトレーニングを設計することができます。これは市民ランナーにとって大きなメリットだと感じています。
また、この本は初心者から上級者まで幅広いレベルに対応している点も特徴です。走力ごとにトレーニングの基準が示されているため、自分のレベルに応じた適切な負荷で取り組むことができます。
このように、ダニエルズのランニングフォーミュラは単なるトレーニングメニューの紹介ではなく、
「自分に合ったトレーニングを作るための基準」
を与えてくれる本であるという点に、大きな価値があります。
デメリット
ここまでダニエルズのランニングフォーミュラのメリットについて解説してきましたが、もちろんデメリットもあります。
まず一つ目は、数字が多く内容が複雑に感じやすい点です。
本書ではVDOTという指標をもとにトレーニングを組み立てていくため、ペースや距離、時間など具体的な数値が多く出てきます。
そのため、普段あまり数値を意識してトレーニングをしていない方にとっては、最初はとっつきにくく感じるかもしれません。
二つ目は、海外の書籍を翻訳したものであるため、表現が分かりにくい部分がある点です。
日本語として少し回りくどい言い回しになっていたり、直感的に理解しづらい箇所も見られます。
私自身も最初に読んだときは、「結局何をすればいいのか分かりにくい」と感じる部分がありました。
ただし、これらのデメリットは裏を返せば、それだけ内容が体系的かつ細かく整理されているということでもあります。
今日はなんだかんだで50㎞近く走りましたね。
私としてはけっこう走った方で足が取れそうです。
昨日の5000mもEペースで走ることでいい感じに疲労が抜けてきました。
明後日からまたテンポ速めのトレーニングを積み上げるかな。
次回のSAMURAI練習会も順次アップしていきます。… pic.twitter.com/B6GyjJ8qWd
— ヒロ|マウンテンランニング研究所 (@AC71592310) March 22, 2026
一度理解してしまえば、自分のトレーニングに落とし込める非常に強力な指針になります。
そのため、この本は最初からすべてを理解しようとするのではなく、
必要な部分から少しずつ理解していく
という読み方がおすすめです。
どんな人におすすめか
ダニエルズのランニングフォーミュラは、すべてのランナーに価値のある内容ですが、特におすすめできるのは「記録を伸ばしたい市民ランナー」です。
これまで感覚的にトレーニングを行ってきた方にとっては、自分の走力に対して適切な強度や練習内容を明確にできるという点で、大きな変化をもたらします。
特に、以下のような悩みを持っている方には強くおすすめできます。
・トレーニングをしているのに記録が伸び悩んでいる方
・練習メニューをどう組めばいいか分からない方
・練習会のペースに合わせて無理をしてしまう方
以下解説して行きます。
トレーニングをしているのに記録が伸び悩んでいる方
まず、トレーニングをしているのに記録が伸び悩んでいる方です。
頑張っているのに結果が出ない場合、その原因は努力不足ではなく「負荷設定のズレ」であることが多いです。
この本を活用することで、自分に合った強度でトレーニングを組み立てることができるようになります。
練習メニューをどう組めばいいか分からない方
次に、練習メニューをどう組めばいいか分からない方です。
特に単独でトレーニングしている方にとっては、「今日は何をやればいいのか」「どのくらいのペースで走るべきか」といった判断が難しい場面が多いと思います。
この本はそうした悩みに対して、明確な基準を与えてくれます。
練習会のペースに合わせて無理をしてしまう方
また、練習会のペースに合わせて無理をしてしまう方にもおすすめです。
多くの市民ランナーは周囲のペースに引っ張られて、本来の適正よりも速い強度で走ってしまいがちです。
その結果、トレーニングが継続できなくなったり、疲労が抜けずにパフォーマンスが落ちるケースも少なくありません。
この本を通じて自分の適正強度を理解することで、無理のない継続的なトレーニングが可能になります。
さらに、これからサブ4、サブ3といった目標を目指していく方にも非常に有効です。
走力ごとにトレーニングの基準が示されているため、自分の現在地と目標との距離を明確にしながら、段階的にレベルアップしていくことができます。
一方で、すでに経験豊富で自分のトレーニング理論が確立されているランナーにとっても、内容を整理するうえで有益です。自分のやっていることが理論的に正しいのかを確認する材料にもなります。
このように、この本は初心者から上級者まで幅広く活用できますが、特に「感覚から理論へ移行したい人」にとって、大きな価値を持つ一冊だといえます。
まとめ
ダニエルズのランニングフォーミュラは、単なるトレーニングメニュー集ではなく、
自分専用のトレーニングを作るための本です。
多くの市民ランナーが陥りがちな「なんとなく頑張るトレーニング」から脱却し、
・自分の走力を正しく把握する
・適切な強度でトレーニングを行う
・継続できる負荷で積み上げる
この流れを作ることで、走力は大きく変わっていきます。
私自身も、サブ5(4時間58分)から2時間46分まで走力を伸ばすことができたのは、この考え方に切り替えたことが大きな要因でした。
もちろん、この本は最初は読みづらく感じる部分もあります。
しかし、一度理解してしまえば、その後のトレーニングの軸となる非常に強力な理論になります。
そして重要なのは、この本の内容をそのままやることではなく、
自分に合う形で使いこなすことです。
VDOTはあくまで基準であり、ランナーごとの特性によって調整が必要になります。
そのあたりも含めて、今後はYouTubeや記事の中で、実際の使い方や調整方法についても解説していきます。
まずはこの一冊の考え方を理解することで、
「なぜそのトレーニングをやるのか」
が明確になり、トレーニングの質は大きく変わります。
ぜひ一度、自分のトレーニングに取り入れてみてください。
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