マラソンシーズンが始まると、毎年感じるのが「体重の管理がいかに大事か」ということです。
今年の水戸黄門マラソンでは、その重要性を痛感することになりました。
今回は、水戸黄門マラソン直後の68kgから、1か月かけて62kgまで落ちた実録をまとめます。
ランナーが
・走り始めていつから体重が落ち始めるのか?
・走ってもなぜ最初は体重が減らないのか?
という疑問にも答えながら、再現性のある方法を紹介します。
水戸黄門マラソンで太っていたことに気づく
今シーズン最初のレースは10月末の水戸黄門マラソンでした。
この水戸黄門マラソンの前に出場したトラックの5000mでPBを出していたので油断してしまい、体重計にほとんど乗らず過ごしていました。
結果、マラソンを走り終えて体重計に乗ると 67kg。
レース前はしっかりカーボローディングまでしていたので、
スタート時はおそらく68kg近くあったはずです。
デブがカーボローディングを行うという最悪の状況でスタートラインに立っていたのです。
5000mは太った状態でもなんとか走れてしまいますが、マラソンでは体重の重さが後半のピッチ維持に大きく響きます。
後半足が前に出なくなっていく感覚は、まさに重さの罰ゲーム涙。
この瞬間、これは本気で戻さないとと強く思いました。
この時のレースの模様は以下の動画でご覧になれますが、後半は一部歩いてしまっており、何とか2時間54分で完走しています。
マラソン直後はダイエットを始める最高のタイミング
水戸黄門マラソンを走り終えてデブだとわかりましたが、逆にその段階が最もダイエット開始には良い状態と言えます。
というのもレース直後は、体内のグリコーゲンが枯渇している状態です。
ここから炭水化物を調整すると、脂質代謝にスムーズに移行できます。
この状態が、ランナーにとって最も効率よく体重が落ちるタイミングといえます。
ただし注意点がひとつあります。
マラソン直後の食事は、吸収率が異常に高いので、
・損傷した筋肉が水分を抱え込んでいる
・グリコーゲン補給でさらに水を溜め込む
・炎症により「むくみ」が出る
この影響で、レース後に食べまくると一気に体重が増えます。
「マラソン走ったのに太った…」という現象は、脂肪ではなく 水分と吸収率の高さ が原因です。
1週間は体重が減ることはなく、むしろ増えるぐらいが普通です。
減量を始めると多くの人が「最初の1週間で全然減らない」と焦りますが、これは正常です。
私の場合も、開始から数日は微動だにしませんでした。
ただ水戸黄門直後から対策をしたことで、1週間後からスッと体重が動き出しました。
グリコーゲンが少なくなると体重の落ち方が変わる
1週間を過ぎてグリコーゲンが少ない状態になると、
ここからが一気に落ちるフェーズです。
この期間に入ると、見た目もスッと絞れていきます。
水戸黄門マラソンから3週間後に神戸マラソンが控えていましたが、その本番までに
約4kg減(68kg→64kg) に成功。
神戸は暑くてタフなレースでしたがそれでも 2時間51分 と、神戸マラソン自己最速で走れました。
先週の神戸マラソン。
水戸黄門漫遊マラソンから3週間で、タイムは2時間54分から2時間51分へ。
約3分ほど短縮することができました。
ポイントを改めてまとめてみました。https://t.co/USseo0mrHU… pic.twitter.com/DWyLpC1gfT— ヒロ|マウンテンランニング研究所 (@AC71592310) November 23, 2025
減量は劇的に走りを変えることになり、68kg→64kgになるだけで後半のダメージが全く違いました。
その時の神戸マラソンのレース動画はコチラ↓
現在は62kgまで落ち、練習の質が明らかに向上
記事を書いている現在は神戸マラソンから2週間近く経過し、かつ防府読売マラソンの直前ですが、
体重は62kg。
BMIは20ほどで、完全にマラソン向きの体になりつつあります。
練習の質にも明らかに変化が現れており、以前は
・週末30km走(SAMURAI練習会)
・その他平日で2回のポイント練習
をこなすとダメージを引きずっていました。
しかし今は違っており、
・ダメージが少ない
・設定ペースが上げられる
・頻度も増やせる
・疲労の上塗りにならない
同じメニューでも負荷の感じ方が全く異なり、軽くなることで練習の積み重ねが可能になります。
減量で意識したポイントは3つだけ
今回の1か月の減量で、特別なことは何もしていません。
68kgから62kgまで落とす中で、常に意識していたのは次の3つだけです。
・炭水化物の量を調整すること
・よく噛んで食べること
・脂肪を消費しやすい状態で走ること
この3つの積み重ねが、体重を動かす土台になりました。
炭水化物の量を調整する
炭水化物は完全に抜くのではなく、
トレーニング量に合わせて増減させること
がポイントになります。
ランナーが糖質を完全にカットしてしまうと、体はエネルギー不足を危険と判断して代謝を落として省エネモードに入ります。
これが脂肪を貯め込みやすい体質につながるので、むしろ逆効果になります。
私がやっていたのは、翌日の運動量を基準に炭水化物の量を調整するというとてもシンプルな方法でした。
翌日に長めの距離やポイント練習が控えている日には、ある程度糖質を摂って準備をしておきます。
つまり翌日に30㎞走を予定しているならば前日は炭水化物量を多めに取るということです。(取りすぎ注意)
https://twitter.com/AC71592310/status/1994609337235296352
逆にその日の練習が負荷の高いものであっても走った後は栄養素は必要でもエネルギーは多く必要はありませんので炭水化物を控えめにします。
つまりエネルギーが必要な時はしっかりチャージして、逆に必要ないタイミングには必要以上に取らないということです。
ランナーにありがちな失敗は、たくさん走った日に「たくさん食べること」です。
走った直後は吸収率が高い上に、筋肉の炎症で水分を溜め込みやすく、カロリーの影響が表れやすいタイミングでもあります。
そのため、走ったから食べていいというわけではなく、むしろその日の夜は慎重にした方が体重は落ちます。
この小さな判断の積み重ねで、体重の動き方は大きく変わっていきます。
よく噛んで食べる(インスリンと太りやすさの関係)
もう一つは、食べる時にとにかくよく噛むということです。
なんだそんなことか、、と思うかもしれませんし対策として非常に地味ですが、実際に一番効果を感じた部分でもあります。
早食いをすると満腹を感じる前に量を食べてしまい、血糖値が急上昇します。
血糖値が急に上がると、体はそれを下げるためにインスリンを大量に分泌します。
インスリンは余った糖を脂肪として蓄える役割があるため、この瞬間が太りやすさの大きなポイントになります。
また血糖値が急上昇すると今度は急激に下がる反動も起きやすくなり、食後に強い眠気やだるさが出たり、短時間でまた空腹感を覚えたりします。
この流れが無駄に食べてしまう原因でもあり、脂肪を蓄積するサイクルを作り出してしまいます。
よく噛んで食べると、この流れが大きく変わります。
血糖値の上昇がゆるやかになり、インスリンも必要以上に分泌されなくなります。
さらに噛む回数が増えることで満腹中枢が刺激されやすくなり、同じ量でも満足度が大きく変わります。
結果として、自然と食べる量が減り、余計な脂肪が付きにくくなります。
ランナーは練習後に強い空腹を感じることが多く、どうしても早食いになりがちです。
だからこそ意識してゆっくり食べるだけで体重の動きが変わりやすいと実感しました。
脂肪を消費しやすい状態で走ること
次に脂肪を消費しやすい状態で走ることです。
今回の減量では、走る前の身体の状態づくりも意識していました。
減量というと食事ばかりに目が向きがちですが、実は減りやすい状態で走り始めるという工夫だけでも体重の動きが変わります。
大きなポイントとしては、
・血糖値が低い時間帯を活用すること
・脂肪が使われやすい状態にしてから走り出す
以上です。
具体的には、朝の練習をうまく使いました。
朝は自然と血糖値が低く、体内のグリコーゲンも少ない状態なので、脂質代謝が働きやすい条件が整っています。
ただのコーヒー好きなんだけど、練習前の1杯が意外と走りにプラスになってた。
週末の朝練に行う30㎞走で意外と粘れることに気が付き、なんでだろ?と思って調べたら、
カフェインの作用とランニングの組み合わせがけっこう理にかなってた。https://t.co/llRMPH3ff9… pic.twitter.com/vnNIKT9pyr— ヒロ|マウンテンランニング研究所 (@AC71592310) November 26, 2025
ここの状態で走り始めると脂肪をエネルギーとして使いやすくなり、減量の効率が上がります。
この状態でもいいのですが、それを更に加速させるために取り入れていたのが、コーヒーとMCTオイルを活用するということです。
特に朝練前のコーヒーは以前の動画でも説明しましたが、特に寒い時期は気持ちのスイッチとしても効果的でした。
コーヒーに含まれるカフェインは交感神経を刺激して体脂肪を血中に放出させ、使われやすい状態をつくってくれます。
ただ、朝いちばんの空腹状態でコーヒーを飲むのがきついという方もいると思います。
そうした場合には、私が焙煎している朝練ブレンドがちょうどいいと感じています。
空腹時でも飲みやすい軽さと香りに仕上げていて、朝の練習に入りやすいコーヒーにしています。
詳細については以下記事で解説しておりますので参考にしてみてください。
もう一つ役立ったのがMCTオイルです。
MCTオイルとはいわゆる中鎖脂肪酸のことで、天ぷら油のような重い油ではなく、吸収の早い中鎖脂肪酸で、素早くエネルギーとして使われる特性があります。
脂質代謝にスイッチが入りやすくなるため、スタミナやエネルギー持続感が長く持ちますので普段のジョグだけでなくレース中にも活用しています。
ちなみにSAMURAIGELの刀にはMCTオイルを入れているので、レースだけでなく体を絞る時にも活用できるかと思います。
こうした小さな工夫ですが、脂質代謝を使いながら走る時間が増えると、同じ運動量でも体重の落ち方が変わります。
この3つを徹底したことで、68kgから62kgまでの減量は無理なく進みました。
過度な制限や特別な食事法を使わなくても、体の仕組みに合わせて習慣を整えるだけで、ここまで自然に体重が動くということを改めて感じています。
以下の動画でもその流れについて解説しております。
ランニングでの体重コントロールに悩んでいる方は
今回解説した内容はランナー減量の一部ですが、記録を狙う目的でランニングをしているのに体重のコントロールがうまくいかない高向けに、電子書籍を書いております。
まとめ
今回は実際に私が1か月間で体重を68㎏から62㎏まで落とした流れについて解説しました。
体重は摂取カロリーと消費カロリーのバランスであることは間違いないですが、脂肪としてため込みやすい要素についても説明させて頂きました。
走ってもなかなか体重が減らないというランナーの方は是非参考にしてみてください。
軽くなるとランの世界が変わりますから笑
最後まで読んでいただきありがとうございます!更新の励みになりますのでクリックお願い致します!↓






コメントを残す