私は現在アラフォーのサブエガランナーですが、コーヒーがとにかく好きです。
コーヒーの香りや味も好きですが、コーヒー機器やドリップの所作も好きだったりします。
そんなコーヒーは、マラソンやランニングにおいて単なる嗜好品ではなく
「戦略的に活用できるツール」だと感じます。
僕自身、走り始めるずっと前からコーヒーが好きで、全国の喫茶店を巡りながら、それぞれの店のブレンドを飲み比べるのが趣味でした。
今でも食べログでおいしかったお店をまとめるのが趣味なくらいです。
コーヒーは朝の練習前に飲むだけで気持ちのスイッチを入れてくれて、脂質代謝が高まり、トレーニングの質を上げるのにも役立ちます。
レース前にもコーヒーを飲むことでスタミナや集中力に変化が出るのを何度も体感してきました。
この記事では、
・なぜマラソンランナーがコーヒーを飲むのか
・コーヒーが科学的にもたらすメリット
・コーヒーの効果を最大限発揮するカフェイン断ちについて
・コーヒーを飲むベストタイミング
・ランナーにおすすめのコーヒー
について解説して行こうと思います。
ランナー視点と食品開発者としての視点の両面から、できる限り分かりやすく解説していきます。
また、以下の動画でも解説しておりますので参考にしてみてください。
マラソンとコーヒーの相性が良い理由
ランニングとコーヒーの相性が良い理由は、大きく分けて4つあります。
・脂質燃焼が高まり、長く走れるようになる
・疲労感が軽減され、同じ強度でもラクに感じる
・気分が上がり、朝練の「よし行こう」が生まれる
・痛みやキツさが和らぐ
といったところです。
ここからは科学的な根拠と、実際に僕自身が日々の練習やレースで感じているリアルな体感の両方を交えながら解説します。
理由①脂質燃焼が高まり、長く走れるようになる
コーヒーに含まれるカフェインはアドレナリン分泌を促し、体脂肪をエネルギーとして使いやすい状態にしてくれます。
つまり血中に体脂肪を放出して、体脂肪を使いやすい状態にしてくれるのです。
朝練は低血糖で走り出すことが多く、もともと脂質代謝に入りやすいのですが、ここにコーヒーの効果をプラスすることで脂質燃焼がさらに促進されるというわけです。
私自身朝起きてすぐコーヒーを1杯飲んでから走りに出ることが多いのですが、これをやると序盤の動きが軽く、呼吸も落ち着きやすいと感じます。
特にロング走やEペースの練習では後半の粘りに影響が出ると感じています。
レース時も同様で、スタートの30〜60分前にコーヒーを軽く飲んでおくと、30km以降の失速が明らかに違う。
これは体脂肪の燃焼が促進され、グリコーゲンの節約に繋がっているからだと思います。
私がSAMURAIGELにMCTオイルを配合したのも同じ理由です。
脂質代謝促進のメカニズムは若干異なりますが、脂質利用のスイッチが入ることで後半のエネルギー切れが起きにくくなります。
コーヒーとMCTの組み合わせは、実際かなり相性が良いと日々実感しています。
理由②疲労感が軽減され、同じ強度でも楽に感じる
次にコーヒーを飲むことで、疲労感が軽減され、同じ強度でも楽に感じるということです。
これもカフェインによる効果ですが、カフェインは脳内のアデノシン受容体に先回りして結合し、「疲れている」という信号が届きにくくなります。
特に私が効果を感じるのは閾値走やテンポ走のときです。
体重が63kgちょうどくらいまで落ちてきました。
神戸のあとも食事を整えてきた甲斐があります。その影響か、今日の昼休みの変化走も少しラップが良くなりました。
防府まであと少しですが、できれば61kgまで落としていきたいところです。今日は久しぶりにヴェイパーの炎の駅伝モデルを使用。… pic.twitter.com/Ag8Ky8ruKT
— ヒロ|マウンテンランニング研究所 (@AC71592310) November 20, 2025
これらの練習は強度が高く、計継続時間も長いので負荷は高いです。
そんな時にカフェインを入れておくと、同じ設定ペースでも体感が軽い状態で入れることが多いです。
ポイントは「疲れてから飲む」ではなく「元気なうちに飲む」ことです。
これを理解してからは、僕はポイント練習前に必ず一杯飲むようにしました。
ただし、僕はカフェインに敏感で、摂りすぎるとすぐトイレに行きたくなるので、あくまで「自分が快適に動ける量」に調整しています。
カフェインを効果的に使うのであればこうした体質の違いを把握しながら使うことが大切だと思います。
理由③気分が上がり、朝練の「よし行こう」が生まれる
次にコーヒーを飲むことで気持ちを上げるのに役立つということです。
これは科学というより、僕の実体験に近い部分ですが、朝のコーヒーは完全にスイッチです。
特に冬の朝なんかがそうです。
布団の中で「今日は無理かも……」と思っていても、ドリップしたコーヒーの香りを吸い込むと自然と気持ちが上向いていくのを感じます。
これはコーヒーが好きな方は分かるかと思います。
香りが高いコーヒーは中枢神経を刺激し、ドーパミンの分泌を促すので、気分が前向きになる。
これは本当に体感として強いです。
「コーヒーを飲んだら走りに行く」という流れにしてしまうと、習慣化も簡単です。
私自身、朝練前に飲むコーヒーによって1日の入り方が全く変わります。
理由④痛みやキツさが和らぐ
次にコーヒーを飲むことで痛みやキツさが和らぐということです。
研究でも、カフェインは痛覚を鈍らせる働きがあると示されています。
体重1kgあたり3mgのカフェイン(60kgなら約180mg)で、同じ強度でも苦しさが5〜10%軽くなるというデータがあります。
僕の感覚では、レース後半の脚の重さや、閾値走の最後の3kmあたりで明らかに効いている印象があります。
「今日はポイント練習やりたくないな。。」という日にこそ、コーヒーの力を借りると粘れる。
練習の質を安定させたい人ほど、この効果は大きいと思います。
コーヒーの効果を最大限に発揮するカフェイン断ちについて
コーヒーを日常的に飲んでいるランナーなら、一度は聞いたことがある「カフェイン断ち」。
簡単に言うと、レース当日にカフェインの効果を最大限引き出すために、数日前からあえてカフェインを抜いておく方法です。
カフェインを毎日摂る習慣があると、体がその刺激に慣れてしまい、効果が弱くなることがあります。
僕も毎朝コーヒーを飲む生活を続けているので、これをやらないとレースでの“効き”にムラが出るのを感じます。
実際にいろいろ試した結果、僕の場合は
レース2日前(金曜)からカフェイン断ち
これが一番体感が大きく出ると感じます。
もちろんこれには個人差はあります。
3日前からが合う人もいれば、1週間前からのほうが調子が良い人もいます。
でも「これなら続けられる」と思える範囲でやればOKです。
興味深いのは、2日カフェインを抜くと僕は「コーヒー飲みたい…」という気分がピークになる。
これが逆にルーティンを壊しすぎず、当日の摂取でしっかり効果が出やすい。
レース本番でコーヒーやカフェイン入りのジェルを使っている人は、一度試してみる価値があります。
ランナーはコーヒーをいつ飲むと効果的なのか
コーヒーの効果を最大限に生かすには、「飲むタイミング」がとても重要です。
私自身、練習やレースの種類ごとに飲むタイミングを変えていて、その違いで体感が大きく変わると感じています。
具体的には、
・朝練前(スタートの20~40分前)
・ポイント練習前(30~60分前)
・レース当日(60~90分前)
私はこのあたりのタイミングを目安に飲むようにしています。
朝練前(スタートの20~40分前)
一番おすすめのタイミングは、朝練に出かける前の1杯です。
理由は
・脂質代謝へのスイッチが入りやすい
・気分が前向きになる
・走り出しが軽くなる
この3つが揃うからです。
朝起きてすぐはまだ身体も脳も半分寝ているような状態ですが、ここでドリップコーヒーを一杯飲むと一気にスイッチが入ります。
僕は冬の朝でもこれをやると自然に走りに行けるモードに切り替わるので、もはや儀式のようなものになっています。
朝練で脂質代謝を高めたい人は、スタートの20〜40分前がベストです。
ポイント練習前(30~60分前)
閾値走・テンポ走・ロングインターバルのように負荷の高い練習の日は、カフェインの「疲労感軽減」の効果を狙って、少し早めに飲みます。
私の場合はポイント練習スタートの40~60分前
が一番キツさの軽減を感じやすいです。
疲れてから飲んでも効果は弱いので、元気な状態のうちに先に飲んでおくのがコツです。
レース当日(60~90分前)
レースではより効果をしっかり出したいので、いつもより少し早めに飲んで消化の負担を減らします。
僕はスタート前60~90分前に必ずホットコーヒーを一杯飲みます。
神戸マラソンを走ってきました。
割としっかりめにタレてしまい、結果は2時間51分。
昨年よりは良いタイムでしたが、浜手バイパスがなくなったことを考えると、満足できる内容ではありませんでした。… pic.twitter.com/dqU0kF7TZG— ヒロ|マウンテンランニング研究所 (@AC71592310) November 16, 2025
というのも飲むか飲まないかで、30km以降の粘り方が本当に違うからです。
・脂質代謝の向上
・アデノシン遮断による疲労軽減
・集中力向上
この3つを全部使えるので、レース前のコーヒーは間違いなく武器になります。
コーヒーの飲みすぎは逆効果になることも
ただし、コーヒーは摂りすぎると
・胃腸トラブル
・心拍の過剰な上昇
といった逆効果もあるので注意が必要です。
私もカフェインには強くなく、摂り方によってはお腹を下すことがありますので、自分の中でちょうどいい量を見つけておくのが大切です。
朝練に最適なコーヒーとは?
ここまで飲むタイミングについて話してきましたが、実は「朝練前に飲むのに適したコーヒー」というのがあります。
私は喫茶店巡りが趣味で、全国いろいろなブレンドを飲んできました。
それぞれのお店が「ケーキに合うブレンド」「深煎り好き向け」「軽やか系」など、目的に合わせて表現しているので本当に面白いです。
ただ、ここで1つ気づいたことがありました。
朝練前、つまり“空腹状態”で飲むコーヒーとなると、多くの喫茶店のブレンドはなかなか合わない。
理由はシンプルで、
・スイーツに合わせた深煎り
・苦みが強いブレンド
・酸味が立ちすぎる浅煎り
これらは空腹の胃に入れると重かったり、逆に刺激が強すぎたりするからです。
香りが高く、軽やかで、朝のスイッチが入るコーヒーは意外と少ない。
これをずっと感じていました。
そして、走る前に飲むコーヒーに特化したものが欲しいという思いが強くなり、最終的に自分で開発することになりました。
朝練前に飲むコーヒーとして開発したブレンド
そこで朝練のために、
最適化したブレンドを自分で作ることにしました。
それが「朝練ブレンド」です。
朝の空腹時でも飲みやすく、香りが高く、爽やかで、それでいてランナーが走り出す前に欲しい
軽さとコクのバランスを目指して配合を決めました。
ケニアの爽やかな酸味、エチオピアの華やかな香り、そしてマンデリンの深いコク。この3つを適切な焙煎度でまとめることで、朝の一杯としてちょうど良い味に落ち着きました。
私自身、朝練ブレンドとSAMURAIGELを組み合わせて30㎞走に出かけることも多く、このセットはランナーの行動パターンに非常にマッチしていると感じています。
香りで気分を上げて、ジェルでエネルギー補給をして、走り出す前の準備が整う。そんな“香りとエネルギーのセット”です。
現在この朝練ブレンドは私自身が焙煎しているため、数量は限定的になりますが、SAMURAIGELとのセット販売で提供しています。
豆と粉のどちらも選べ、粉を選んでいただいた場合は、僕がグラインダーでベストな粒度に挽いてお届けします。朝練前にそのままドリップしていただければ、最適な一杯になるはずです。
サブスリーラボのECサイトでのみ購入できます。
まとめ
今回はマラソンにおけるコーヒーの活用方法について解説いたしました。
使い方によってはコーヒーはかなりマラソンに使えますので、是非試してみてください。
コーヒーを飲み始めて感じるのは心が豊かになる感じがします。
朝の楽しみと言いますか、ランナーとしての生活習慣にも取り入れやすいと思いますので是非試してみてください。
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