今年も神戸マラソンを走ってきました。
10月に出場した水戸黄門マラソンでは2時間54分、そして今回は2時間51分と、約2分の短縮に成功しました。前回の反省をもとに、この3週間で体重を落とし、コンディションをしっかり整えて臨んだレースです。
今回の記事では、40代ランナーやサブ3を目指す人、あるいは最近伸び悩んでいるランナーに向けて、神戸マラソンの新コースを実際に走ってみて感じた攻略ポイントをまとめています。
今年から大きく変わった神戸のコースは名物だった浜手バイパスの上りがなくなり、
全体的にフラット寄りになりました。
一見すると記録を狙いやすいように感じますが、実際に走ってみるとペースが一定になりやすい反面、後半に脚が残るかどうかは調整の仕方次第だと強く感じました。
当日はメタスピードエッジを使用し、補給はスタート前にカフェイン入りジェル、10km・20km・30kmでエネルギージェルを計画的に投入。
給水の取り方や気温への対応、ペースの微調整など、実際の走りの中でどう判断したかも記録しています。
この記事では、神戸マラソンのレース展開だけでなく、
・40代でも記録を伸ばすためのコンディション作り
・前半から無理をしないペースメイクの考え方
・補給戦略の組み方
・新コースの攻略ポイント
など、実践的な内容を中心に解説しています。
また、今回のレースの様子をまとめた動画も掲載していますので、レース当日の雰囲気や実際のコースイメージも合わせて参考にしていただければと思います。
神戸マラソン新コースの特徴と走って感じたポイント
今年の神戸マラソンはコースが大きく変更され、名物だった浜手バイパスの長い上りがなくなりました。
理論上は以前よりもフラットで、記録を狙いやすいレイアウトになっていますが、実際に走ってみるとただ平坦になっただけはなく、独特の癖があるコースだと感じました。
以下は私のレース動画ですが、実際のコースのイメージが伝わるかと思います。
まず特徴的なのが、神戸特有の小さな陸橋が多いことです。
大きなアップダウンではないものの、脚への負担が細かく積み重なり、リズムが乱れやすいポイントが何度か出てきます。
特にマラソン後半では、このわずかな登り返しでストライドが縮まり、再びペースを立て直すのに余計なエネルギーを使わされる感覚がありました。
神戸でしっかり走るためには、陸橋の登りでリズムが崩れないよう、ピッチを少し上げる、呼吸を乱さない、といった小さな工夫が必要だと感じます。
新コースの最大のメリットは、序盤から中盤にかけて非常にペースを作りやすいところです。
起伏が少なく、周囲のランナーと一定のペースで気持ちよく走れます。
ただ、ペースが安定しすぎることで脚を使っている実感が薄いまま距離が進むという側面もあり、気づいたときには後半の脚が残っていないという状況にもなりがちです。
そして、神戸マラソンはなぜか毎年のように快晴で、
例年かなり暑くなりやすい大会です。
今回もスタート時点で日差しが強く、気温変化に敏感な人は前半の段階から少しずつ体力を削られたはずです。
フラットで走りやすい前半と、暑さ・風・小さな陸橋が絡む後半。
このバランスをどう扱うかで、記録の出やすさが大きく変わるレースだと改めて感じました。
印象としては「誰にでも走りやすいが、記録を狙う人にはコース把握とペース管理が必須」というコース。
序盤の余裕に惑わされず、後半のためにどれだけ脚を残せるかが勝負になります。
当日のコンディションとレース前の身体の変化
今回の神戸マラソンは水戸黄門マラソンからわずか3週間というタイトな間隔での連戦でしたが、その期間で体重が大きく落ち、レース当日はかなり身体が軽い状態でスタートすることができました。
以下は水戸黄門漫遊マラソンのレース動画です。
この3週間で約4kgほど落ちていて、特にラスト10日間は日ごとの変化がはっきり数字に出るほどでした。
体重を落とすときに意識していたのは、
食事量のコントロールとタイミング、そして毎日必ず体重計に乗り、自分の体の状態を数値で把握することです。
マラソンを走ったあと、体がどう反応し、どのタイミングで減量が効いてくるのか。
そのプロセスを理解しながら進めたことで、無理な削り方にならず、脚を残したままレース週を迎えられました。
このあたりの具体的な方法は、以前にまとめた電子書籍でも詳しく解説しています。今回はその内容をほとんどそのまま実践した形で、やはり再現性が高いと感じました。
特に、マラソン直後から落ち始める水分量とグリコーゲンの変動をどう扱うかで、体重の落ち方は大きく変わります。
当日は気温が高く、スタートから強めの日差しを感じるコンディションでしたが、身体が軽かった分、前半は同じペースでも余裕を持って走れました。
ストライドが自然と伸びる感覚があり、10km、20kmと進んでも無理に押している感じがありませんでした。
一方で、3週間で4kgという落ち方は走りの軽さにつながった反面、後半の粘りという点ではギリギリのラインでもありました。
神戸は小さな陸橋が多く、わずかな登りでストライドが縮む場面があり、そのたびに脚の残り具合が正直に表れます。気温の高さと細かいアップダウンをどう乗り切るかが、レース終盤の動きを左右した印象でした。
総合的に見て、コンディションは良かったものの、体重減少のプラス面とマイナス面、そして暑さの影響が混ざった結果のレースでした。
レース展開や補給計画
スタート直後から、思っていたよりも身体が軽く動き、入りのリズムが作りやすい感覚がありました。
3週間で体重が落ちていたこともあり、Mペース前後のペースでも呼吸に余裕があり、10kmまでは「今日は押さえて入っても後半勝負できるかもしれない」という手応えがありました。
今回の補給は、スタート前にカフェイン入りのジェル「SAMURAIGEL 刀」を1本、10km過ぎ・20km・33kmでSAMURAIGEL刀を投入。
今日は久しぶりにマラソンレースペース付近のトレーニング。
av3'59" で15㎞。
しっかりと一定リズム。
気温は高めでしたが、最後まで崩れることなく走り切れたのでいい感じです。今回はメタスピードスカイ東京を使用。… pic.twitter.com/0f5FUKrVTI
— ヒロ|マウンテンランニング研究所 (@AC71592310) September 9, 2025
25㎞あたりで30㎞~35㎞をしっかり動かすために、回復成分が多めに入ったSAMURAIGEL鎧を1本摂取しました。
気温が高かったため、早い段階から給水ラインではしっかり水を取るように意識しました。
序盤のうちに水分を取り損ねると、後半で一気に失速するリスクがあるため、これは神戸マラソン特有の暑さ対策として必須だと思います。
中盤に入ってからもペースは安定して進み、15〜20kmのあたりまでは大きなブレなく走ることができました。
ただ、神戸ならではの小さな陸橋が地味に脚に効いてきます。
大きな上りほどではないものの、少しずつストライドが削られるような感覚があり、登りで無意識にピッチが乱れないように一定のリズムを保つ必要がありました。
30km手前までは予定していたペースで刻めていたものの、そこから徐々に重さが出はじめました。
須磨浦以降はちょっとした陸橋の影響もあり、思ったほどストライドが伸びません。体重が落ちたことで前半は動きが軽くなった一方、後半の粘りという面ではギリギリのラインで、少しずつ脚の反応が鈍くなってくるのを感じました。
30km以降は、完全に気持ちと走りの粘り合いの区間に前半の余裕があったぶん、もう少し後半も踏ん張れると思っていましたが、実際には小さな登り返しや暑さがダメージとして蓄積。
思うようにペースをキープすることが難しくなっていきました。
それでも大崩れはせず、なんとか動きをまとめながらゴールまで運び切ったという形です。
以下が今回のラップです。
神戸マラソンを走ってきました。
割としっかりめにタレてしまい、結果は2時間51分。
昨年よりは良いタイムでしたが、浜手バイパスがなくなったことを考えると、満足できる内容ではありませんでした。… pic.twitter.com/dqU0kF7TZG— ヒロ|マウンテンランニング研究所 (@AC71592310) November 16, 2025
結果は2時間51分。
昨年より2分ほど短縮できたのはプラスですが、新コースで走りやすくなった分、「もう一段階上の結果を狙いたかった」という正直な気持ちも残りました。前半の入り方、体重調整、補給の使い方など、良かった部分と課題がどちらもはっきり出たレースだったと思います。
次回の防府読売マラソンに向けて
次のレースは3週間後の防府読売マラソンです。
神戸が終わってまだ疲労も残る時期ですが、今回の走りで見えた課題をどう調整していくかが、次のレースの結果にそのまま直結してきます。
まず改善ポイントとして感じているのは、後半のストライドの落ち込みです。
神戸では前半こそ動きが軽く、Mペースがスムーズに刻めましたが、30km以降は明らかに動きが小さくなり、細かなアップダウンや横風に対して体が踏ん張り切れていませんでした。
体重を無理に落としたぶん前半の動きは軽くなる反面、後半の粘りには影響が出るという、いわゆる軽さのメリットとデメリット”がはっきり出たレースだったと思います。
防府では、ここをどう補うかが一番の課題になります。目標としては、少なくとも45分前後でハーフを通過し、後半も大きく崩れずに刻める状態を作りたい。
3分53秒前後のペースを「きつい」ではなく「コントロールできる」状態で走れるかどうかが、記録更新の鍵になります。
この3週間でやるべきことは、大きく分けて三つです。
ひとつは、
レースペースに近いスピードでの刺激を定期的に入れておくこと。
W閾値などの負荷が高すぎるメニューではなく、3〜5kmの短めのMペース走、あるいは後半ビルドアップのような“脚が回る動き”を維持する練習が合っていると感じています。
次に、脚の状態を整えること。
神戸は暑さの影響もあり、前半の発汗量が多く、後半の脚の残り方に影響が出ました。防府は気温が低めで走りやすい大会ですが、それでもレース2週間前までは疲労を溜めず、脚の張りや可動域を確保しておくことが重要です。
最後に、補給計画の再調整です。
神戸では10km・20km・25㎞・33kmでジェルを入れましたが、防府は気温が低いぶんもう少し序盤の余裕が出る可能性があります。そうなるとジェルを入れるタイミングもしっかり考える必要があります。
ここはSAMURAI練習会などで探っていこうと思います。
防府は例年通りフラットでペースの作りやすいコースです。気温が下がれば、神戸以上に後半の粘りが問われるレースになります。
今回の反省点を踏まえて、3週間できちんと仕上げられれば、神戸のタイム以上を狙える可能性は十分にあると感じています。







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